2017-18プレミアリーグ第14節「レスターvsトッテナム」解説

11月29日に行われたプレミアリーグ第14節「レスターvsトッテナム」をスポナビライブで観戦。

会場はレスターの本拠地「キングパワー・スタジアム」です。

プレミアリーグは年末に向けて、スケジュールがタイトになってきました。今節はミッドウイーク開催となります。

レスター・シティは3試合連続で勝ち星がなく、白星を取り戻したいところですが、対戦相手はビッグ6の一角であるトッテナム。

トッテナムの有利とされるこのゲームですが、トッテナムはプレミアリーグでここ数試合、調子を落としています。

12位のレスターと5位のトッテナムの試合はどのような結末を迎えるのでしょうか。

両チームのスタメン・フォーメーション

レスター【4-4-1-1】

クレイグ・シェイクスピア監督が解任され、10/25日にレスターの監督に就任したばかりのクロード・ピュエル監督は、フォーメーションの試行錯誤を繰り返しているようです。

この試合では4-4-1-1のシステムを採用しました。

最終ラインは「ベン・チルウェル」「ハリー・マグワイア」主将の「ウェズ・モーガン」「ダニー・シンプソン」の4枚。

中盤は「マーク・オルブライトン」「ビセンテ・イボーラ」「ウィルフレッド・ディディ」「リヤド・マフレズ

最前線は「ジェイミー・ヴァーディ」、その後ろには日本代表FW岡崎慎司が入りました。

新監督体制になってから、岡崎は出場機会に恵まれていませんでしたが、今節ではスタメンに復帰。

岡崎は今後のためにもピュエル監督にしっかりとアピールしたいものです。

Leicester Cityさん(@lcfc)がシェアした投稿

トッテナム【3-5-2】

対するトッテナム・ホットスパーは、3-5-2を採用。

守備の中心であるDF「トビー・アルデルヴァイレルト」はハムストリングを痛めて離脱しているため、最終ラインは「ヤン・フェルトンゲン」「ダヴィンソン・サンチェス」「エリック・ダイアー」が配されます。

ウィングバックにはDF「ダニー・ローズ」と、「セルジュ・オーリエ」の攻撃に定評があるコンビ。

中盤にはフィジカルが強いMF「ムサ・デンベレ」とMF「ムサ・シソコ」を並べ、MF「クリスチャン・エリクセン」がゲームを組み立てる形です。

最前線はFW「ハリー・ケイン」とMF「デレ・アリ」の2トップ。

ベンチには長期離脱をしていたMF「エリック・ラメラ」が入っています。

トッテナムは首位のマンチェスター・シティに差を広げられないためにも、格下相手のレスターには確実に勝利したいところでしょう。

「レスターvsトッテナム」 ハイライト動画

前半 : 先制点はスーパーゴールから

序盤はトッテナムがボールを回していきますが、レスターは岡崎を中心に積極的なプレスでボール奪取を狙っていきます。

スコアが動いたのは前半13分。

岡崎が素早いプレスで相手にプレッシャーをかけると、トッテナムのクリアが雑になり、レスターがボールを奪います。

レスターDFマグワイアがボールを持って駆け上がり、左サイドのオルブライトンに早いパス。

FWヴァーディがトッテナムDFダイアーの裏に抜けるのを確認すると、オルブライトンは中央にクロスを入れます。

ヴァーディは完璧なタイミングで抜け出し、そのままダイレクトでジャンピングボレー。

プレミア屈指のGKであるロリスもこれには一歩も動けず、スーパーゴールでレスターが先制します。

Leicester Cityさん(@lcfc)がシェアした投稿

失点シーンのトッテナムの最終ラインはバラバラ。やはり守備の要であるアルデルヴァイレルトを欠いているのは大きいのでしょうか。

15分、レスターのビルドアップのミスを奪ったトッテナムは、前線のハリー・ケインにボールを預けます。

ポストプレーを選択したケインは、走り込んだMFシソコにスルーパス。

1対1の局面を迎えるも、ここはレスターGKシュマイケルがなんとか身体に当てて難を逃れました。

Leicester Cityさん(@lcfc)がシェアした投稿

決定機を迎える回数はトッテナムの方が多いものの、なかなか得点を奪うことができません。

前半終了間際に再びスコアが動きます。

トッテナムMFエリクセンの浮き球パスをカットしたレスターDFシンプソン。

マフレズ、イボーラ、ヴァーディ、ディディと小気味よくワンタッチパスが繋がり、ディディが右サイドにボールを展開。

右サイドでボールを受けたマフレズはカットインから左足で豪快にミドルシュート。

このシュートがゴールに突き刺さり、レスターがリードを2点に広げます。

Leicester Cityさん(@lcfc)がシェアした投稿

得点直後にホイッスルが鳴り、前半は2-0でホームのレスターがリードのまま終了。

前半は完全にレスターのゲーム。過密日程の影響かトッテナムの選手は身体が重そうです。

後半 : トッテナムは押し込むもののゴールが遠い

2点を追いかけるトッテナムは、後半に入ってもなかなかペースを掴むことができずにいます。

トッテナムは引き分けではなく勝利を絶対条件としているため、焦って前線へ多くボールを放り込みますが、質が伴いません。

レスターはゴール前の守備が堅く、ピンチを迎えても身体を張ってリードを守っています。

エリック・ラメラが13ヶ月ぶりにプレミアの舞台へ

77分にトッテナムのポチェッティーノ監督はMFエリクセンに代えてMFエリック・ラメラを投入。

13ヶ月ぶりにプレミアリーグのピッチに立ったこの選手を、サポーターは待ち焦がれていたでしょう。

そのわずか2分後、ラメラは復帰戦でいきなり活躍を見せます。

79分、ソン・フンミンからの縦パスを受けたラメラは丁寧に前へスルーパス。

そこに走り込んだFWケインがゴールに蹴り込んで、トッテナムが1点差に詰め寄ります。

レスターはMFオルブライトンの運動量が落ちてきたことが原因で、サイドを攻められ始めます。

82分には、トッテナムMFオーリエがスピードでオルブライトンを振り切り、中央に完璧なクロス。

レスターDFモーガンとの駆け引きを制し、裏に入り込んだトッテナムFW「フェルナンド・ジョレンテ」でしたが、ボレーシュートを抑えることはできずに、決定機を逃してしまいます。

83分、レスターのピュエル監督は岡崎に代えて、MFハムザ・チョードリーを投入。19歳のチョードリーは今季リーグ戦初出場です。

岡崎は得点こそ奪えなかったものの、要所で相手に身体をぶつけたり、ボールを持っていないところで相手を引きつけたりと、存在感は放っていました。

2点目のマフレズのゴールは、岡崎が相手を引きつけたから生まれたようなものです。岡崎の今日のパフォーマンスにはピュエル監督も満足でしょう。

ポチェッティーノ監督はFWハリー・ケイン、FW「フェルナンド・ジョレンテ」とFW「ソン・フンミン」を同時起用するなど、攻撃に注力しますが、この日はゴールが遠く、選手たちも苛立ちを隠せないようです。

結局、レスターが1点のリードを守り試合はタイムアップ。

2-1でホームのレスターが上位相手に4試合ぶりの勝利を手にしています。

試合後感想

試合結果
レスター 【2-1】 トッテナム

トッテナムは守備の要であるアルデルヴァイレルトを失ってから、ディフェンスの間に斜めに走り込んでくる選手に対応できないシーンが目立ちます。

この試合でも得点を決めて好調なFWハリー・ケインですが、中心選手であるMFデレ・アリやMFエリクセンは疲労の影響からかパフォーマンスが良くありませんでした。

トッテナムとしては、年末年始にかけてのタイトなスケジュールをどう乗り切るかが今シーズンの1つの山場となるでしょう。

一方のレスターは押し込まれるシーンが多かったものの、全員で身体を張って守り、ピンチはGKシュマイケルが防ぐなど好ゲームができていました。

ヴァーディ、マフレズはそれぞれ一本しかシュートを放っていませんが、それぞれが1ゴールを挙げ、堅守から効率よく点を取れていましたね。

ピュエル監督就任後、岡崎が先発から外れたり、マフレズが中央でプレーしたりと試行錯誤を繰り返していましたが、結局慣れ親しんだこのシステムがレスターらしくて良いと思います。

個人的マン・オブ・ザ・マッチは「ジェイミー・ヴァーディ」

今回は先制点となるスーパーゴールを決めたレスターFW「ジェイミー・ヴァーディ」を個人的なマン・オブ・ザ・マッチに選出します。

この試合では序盤から相手の裏を狙っており、先制点のシーンでは見事なジャンピングボレーを決めています。

今季は得点ランキングで8位にランクインする7ゴールをマークしており、レスターの攻撃陣を牽引する存在です。

ヴァーディといえば、2007年にストックスブリッジ・パーク・スティールズ(8部)のトップチームに昇格し、その後2010年にハリファックス・タウン(6部)へ移籍。

その後5部のフリートウッド・タウンに移籍し、そこからレスター・シティへと引き抜かれたという成り上がりの経歴を持っています。

2015-16シーズンには11試合連続ゴールというプレミアリーグ新記録を樹立し、レスター優勝の立役者となりました。

身長178cmと大柄ではないものの、一瞬のスピードで相手を置き去りにし、高い決定力でゴールを重ねるヴァーディは今季何得点を記録することができるのでしょうか?

今後の活躍に期待しましょう。

まとめ

今節のレスターは素晴らしいパフォーマンスを発揮しており、間違いなく勝利に値するものでした。

一方、トッテナムはCLのレアル・マドリード戦以降調子を大きく落としています。

過密日程でコンディションが低下する時期なので、主力をどのように休ませるかも大事になってくるでしょう。

トッテナムとしては、今節マンチェスター・シティが勝利すれば、勝ち点差を16に広げられてしまいます。

首位奪還は困難ですが、チャンピオンズリーグ出場権を得られる4位以内は十分に狙えるでしょう。

両チームの今後の活躍に期待したいですね。