2017-18プレミアリーグ第15節「アーセナルvsマンチェスター・ユナイテッド」解説

12月3日に行われたプレミアリーグ第15節「アーセナルvsマンチェスター・ユナイテッド」をスポナビライブで観戦。

会場はアーセナルの本拠地「エミレーツ・スタジアム」です。

アーセナルはプレミアリーグで5位、一方のマンチェスター・ユナイテッドは2位と、今回の試合は上位対決となりました。

マンチェスター・ユナイテッドは首位マンチェスター・シティとの差を広げられないためにも勝ち点3が確実に欲しいところ。

アーセナルもホームで勝利して優勝への望みをつなぎたいでしょう。

ビッグ6同士の対決となったこの試合はどのような結末を迎えるのでしょうか?

両チームのスタメン・フォーメーション

アーセナル【3-4-2-1】

アーセナル率いるヴェンゲル監督は、3-4-2-1を採用。

守備の要であるDF「シュコドラン・ムスタフィ」が中央、DF「ローラン・コシェルニー」DF「ナチョ・モンレアル」との最終ラインを形成します。

サイドにDF「エクトル・ベジェリン」とDF「セアド・コラシナツ」が入り、真ん中にはMF「グラニト・ジャカ」「アーロン・ラムジー」が配されます。

前線はFW「アレクシス・サンチェス」MF「メスト・エジル」の前にFW「アレクサンドル・ラカゼット」という現状のフルメンバーが揃いました。

ホームのエミレーツ・スタジアムで負けるわけにはいかないアーセナルですが、強豪相手にどのような試合をするのでしょうか?

マンチェスター・ユナイテッド【3-4-1-2】

一方、モウリーニョ監督はどのような布陣で試合に臨むのでしょうか。

最終ラインはDF「マルコス・ロホ」DF「クリス・スモーリング」DF「ビクトル・リンデロフ」の3枚。

負傷で欠場が濃厚だったMF「ネマニャ・マティッチ」は先発出場、MF「ポール・ポグバ」との中盤を形成します。

サイドはMF「アシュリー・ヤング」とMF「アントニオ・バレンシア」の経験豊富な選手が固めます。

最前線にはFW「ロメル・ルカク」と「アントニー・マルシャル」の2トップ、後ろにはMF「ジェシー・リンガード

この布陣を見ると、モウリーニョ監督は速攻狙いのようです。

「アーセナルvsマンチェスター・ユナイテッド」 ハイライト動画

前半 : 試合開始直後にスコアが動く

拮抗した展開になるかと思いきや、試合開始直後にスコアが動きました。

4分。アーセナルDFコシールニーの逆サイドへのロングパスを、ユナイテッドMFバレンシアがインターセプト。

バレンシアはドリブルで持ち運ぶと、中央のポグバにパス。

アーセナルの守備陣はポグバを警戒しすぎたのか、4人がポグバにアプローチしてしまいます。

これを見たポグバは、バレンシアに再びボールを返し、バレンシアはフリーでボールを受け取ることに成功。

バレンシアが右足を振り抜き、キーパーの股下を抜く技ありのシュート。これには名手チェフも触ることができません。

キャプテンによる先制ゴールでマンチェスター・ユナイテッドが0-1とします。


リードを奪われたアーセナルは、8分にゴール前でフリーキックを得ますが、ここはFWサンチェスが壁に当ててしまいます。

モウリーニョ監督の狙い通りに攻撃が機能

アーセナルはなんとか早い時間帯に追いつきたいものの、またしても守備のミスから失点を重ねてしまいます。

10分。落ち着いてボールを回していたアーセナルですが、マンチェスター・ユナイテッドMFリンガードがしつこくボールを追い回し、アーセナルDFムスタフィのミスを誘います。

ユナイテッドFWルカクがボールを奪い、FWマルシアルに縦パス。

足を止めずに前線へ走り込んだMFリンガードにラストパスが通ると、リンガードがゴールポストの内側に当たるシュートを決めて2-0。

前線のトライアングルによる速攻が機能したマンチェスター・ユナイテッドがわずか10分で2点を奪うことに成功します。


アーセナルは序盤で守備のミスから2点を失う苦しい展開、さらにこのプレーでムスタフィが負傷してしまいます。

交代でFW「アレックス・イウォビ」を投入。ヴェンゲル監督はあくまで攻撃的にいくようです。

アーセナルは18分に素早い攻撃から決定機を迎えますが、ここはユナイテッドDFスモーリングが身体を張って防ぎます。

直後のコーナーキックから、ゴール前でアーセナルFWラカゼットが身体を投げ出してシュートを放つも、GKデ・ヘアが膝に当てて難を逃れます。

31分、アーセナルFWサンチェスのクロスがディフェンスに当たってコースが変わると、アーセナルFWラカゼットが足元でボールを収めます。

ラカゼットは持ち前の個人技を活かして、GKデ・ヘアをキックフェイントで翻弄しますが、倒れながらも粘ったデ・ヘアがシュートを左腕一本で弾きます。

弾いたシュートはゴールポストに直撃。すかさずアーセナルMFジャカがシュートを放つも、これは枠に飛ばすことができません。

前半はマンチェスター・ユナイテッドのリードで折り返し

このまま前半は0-2でアウェイのマンチェスター・ユナイテッドのリードで終了。

アーセナルとしては上手く試合に入ることができないのが残念でした。

前半終了時点でシュート14本と、アーセナルが攻めてはいたものの、ユナイテッドのディフェンスは強固です。

どちらも素早い展開が効果的で、ディフェンスとしては息をつく暇がありません。

後半はアーセナルがどの時間帯で1点を返せるかがカギになってくるでしょう。

後半 : まさにGKダビド・デ・ヘアのゲーム

後半に入ってもアーセナルが攻勢に出て、マンチェスター・ユナイテッドが守備に回る展開が続いています。

後半開始直後、再びスコアが動きました。

48分。アーセナルFWサンチェスが左サイドからクロスを上げると、ゴール前にMFラムジーが抜け出します。

ラムジーが抜け出した瞬間、ユナイテッドの守備陣は誰も彼を見ていませんでした。

ゴール前でフリーで受けたラムジーが、そのままボレーシュートを放つかと思いきや、まさかの真後ろにボールを落とします。

落としたボールをFWラカゼットが思い切り蹴り込み、アーセナルがいい時間帯で1点を返すことに成功します。

ラムジーの素晴らしいアイデアでついにユナイテッドの守備を破ったアーセナルは、この勢いのまま同点に追いつきたいところでしょう。

しかし、幾度となくマンチェスター・ユナイテッドGKデ・ヘアが立ちはだかります。

55分、アーセナルFWラカゼットの強烈なシュートをデ・ヘアが横っ飛びでセーブ。

こぼれたボールをFWサンチェスが至近距離でシュートしますが、デ・ヘアはすぐさま体制を立て直し、今度は右足で弾きます。

これぞワールドクラスのゴールキーパーという驚異的な反応を見せ、デ・ヘアが何度も決定機を防いでいます。

圧倒的に攻めていたアーセナルですが、再び前がかりになっていた所をカウンターでやられてしまいます。

63分、自陣でボールを奪ったユナイテッドMFマティッチが、素早く前線のルカクにボールを当てます。

ルカクが落としたボールをリンガードが持ち運び、中央を独走。右に走り込んだポグバに展開します。

ポグバはディフェンスに寄せられながらも、上手く身体を入れ替えて中央にラストパス。

リンガードがこれを押し込んでマンチェスター・ユナイテッドが1-3と再びリードを2点に広げます。

リードしているとはいえ、押し込まれる展開が目立つマンチェスター・ユナイテッド。

デ・ヘアが何度も決定機を防いでいますが、ユナイテッドの守備陣が崩壊するのは時間の問題でしょう。

そんな中、マンチェスター・ユナイテッドの状況がさらに苦しくなってしまいます。

73分、際どいボールを取りに行ったマンチェスター・ユナイテッドMFポグバが、アーセナルDFベジェリンの足を踏みつけてしまい、まさかの一発退場。

確実に踏みつけてはいましたが悪質なプレーではないので、一発レッドは少々厳しいジャッジとなりました。

残り15分を10人で戦うことになったマンチェスター・ユナイテッド。

モウリーニョ監督は2ゴールのリンガードに代えてDFダルミアンを投入し逃げ切りを図ります。

一方で、数的有利な状況となり、なんとか追いつきたいアーセナル。

ヴェンゲル監督はDFコラシナツを下げて、FWオリヴィエ・ジルーを起用、さらに攻勢を強めます。

しかし、マンチェスター・ユナイテッドはGKデ・ヘアを中心にゴールを死守。


アーセナルは33本のシュートを放ちながらも、結局1得点のみ。

試合はそのままタイムアップし、1-3でアウェイのマンチェスター・ユナイテッドが逃げ切りに成功しています。

マンチェスター・ユナイテッドはビッグ6同士の上位対決を見事に制しました。

試合後感想

試合結果
アーセナル 【1-3】 マンチェスター・ユナイテッド

ゲーム展開としては完全にホームのアーセナルが優勢で、FWサンチェス、FWラカゼット、MFエジルの前線3枚は試合を通じて脅威となっていました。

そのぶん、試合の入り方を間違えてしまったのがとても残念です。

マンチェスター・ユナイテッドとしては、GKデ・ヘアがいなければ5点ほどは軽く入っていたのではないでしょうか。

試合後の選手の表情を見ても、攻められ続けたディフェンス陣は疲労困憊の様子でした。

それに加えて、2アシストを記録していたポグバの退場。一発退場なのでおそらく3試合の出場停止となるでしょう。

ポグバが負傷から帰ってきて徐々に調子を取り戻してきたユナイテッドでしたが、再びポグバを失うのは痛いですね。

マンチェスター・ユナイテッドは守護神のおかげで勝利したものの、今後に不安が残るゲームとなってしまいました。

個人的マン・オブ・ザ・マッチは「ダビド・デ・ヘア」

この試合でのマン・オブ・ザ・マッチは間違いなくマンチェスター・ユナイテッドのGK「ダビド・デ・ヘア」でしょう。

試合を通してアーセナルが放ったシュート本数は33本もありましたが、デ・ヘアはこのうち14本ものシュートをストップ。

この数字はプレミアリーグにおける1試合のセーブ数の歴代最多タイ記録です。

ユナイテッドはこの試合で退場者が出て10人になったにも関わらず、1失点でゲームを終えることができたのは間違いなくデ・ヘアの存在が大きいでしょう。

デ・ヘアは2019年6月に満了となる現行契約の延長が実現していないことから、去就が注目されています。

レアル・マドリードへの移籍の噂が度々報じられていますが、マンチェスター・ユナイテッドの不動の守護神として定着しているデ・ヘアをユナイテッドは手放さないでしょう。

個人的にはぜひユナイテッドに残留してほしいのですが、デ・ヘアの今後の去就にも注目していきたいですね。

まとめ

次節、マンチェスター・ユナイテッドはマンチェスター・シティとのマンチェスター・ダービーとなります。

1位と2位の直接対決ということもあり、ユナイテッドとしては負けるわけにはいかないでしょう。

今回の敗戦で上位との勝ち点差が広がってしまったアーセナルは、次節サウサンプトンと対戦します。

難敵ですが、今日の攻撃を継続できれば勝利が見えてくるでしょう。

両クラブの今後の活躍に期待したいですね。