UEFAチャンピオンズリーグ2017-18には、プレミアリーグのクラブが5チーム出場しています。
トッテナム、マンチェスター・シティの2チームがすでにグループリーグ突破を決めていますが、第5節で他のチームも突破を決めることができたのでしょうか?
今回の記事では、プレミア勢のチャンピオンズリーグ第5節を各チームごとに振り返ります。
目次
グループA『マンチェスター・ユナイテッド』
第5節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
マンチェスター・ユナイテッド | 12 | +8 |
バーゼル | 9 | +4 |
CSKAモスクワ | 9 | -1 |
ベンフィカ | 0 | -11 |
試合結果
バーゼル【1-0】マンチェスター・ユナイテッド
チャンピオンズリーグのグループAを戦うマンチェスター・ユナイテッドは、アウェイでスイスのバーゼルに1-0で敗北。
勝てばグループステージの突破が決まる試合でしたが、敗北したことでグループステージの突破は最終節に持ち越しとなりました。
ユナイテッドは決定機を逃し続ける
ユナイテッドはMF「ポール・ポグバ」をはじめとした負傷選手が戻ってきている一方で、DF「エリック・バイリー」やDF「フィル・ジョーンズ」が離脱するなど、最終ラインに不安を抱えます。
過密日程を考慮し、早めにリードを奪えれば主力を休ませたいであろうモウリーニョ監督ですが、この日のユナイテッドはなかなかゴールが奪えません。
12分、MFポグバの縦パスに抜け出したFW「ロメル・ルカク」でしたが、シュートはバーゼルGK「トマーシュ・ヴァツリーク」に弾かれます。
直後、マンチェスター・ユナイテッドの左サイドからアーリークロスが上がると、MFマルアン・フェライニが高い打点からのヘディング。
ゴール左隅に飛んだヘディングシュートはバーゼルのディフェンスがゴールラインギリギリでクリア。
序盤はマンチェスター・ユナイテッドが攻勢に出ますが、バーゼルは粘っています。
前半42分、マンチェスター・ユナイテッドFW「アントニー・マルシャル」がアーリークロスを入れると、MFフェライニがヘディングでコースを変えますが、ここはゴールポストに阻まれました。
さらにその直後、マンチェスター・ユナイテッドDF「マルコス・ロホ」が放ったロングシュートも、ゴールポストに直撃。
結局両チームとも得点を奪えないまま試合を折り返します。
後半に入り時間が進むに連れ、マンチェスター・ユナイテッドの中盤にスペースが空き始めます。
65分にはバーゼルDF「ミヒャエル・ラング」のヘディングシュートがバーに直撃するなど、ホームのバーゼルも攻め立てますが、なかなかスコアは動きません。
先制点は試合終了間際に
試合の残り時間も残りわずかとなり、このままドロー決着かと思いましたが、89分についに先制点が入ります。
バーゼルMFペトレッタがボックス左から早いグラウンダーのクロスを入れると、これを逆サイドのDFラングが押し込んでバーゼルがついに先制。
マンチェスター・ユナイテッドの右サイドバック「マッテオ・ダルミアン」が簡単にクロスボールを入れられたこと、左サイドバックの「ダレイ・ブリント」が後方に不注意だったことがこの失点の原因でしょう。
結局このまま試合は終了。
マンチェスター・ユナイテッドが0-1で敗北し、グループステージの突破は最終節へと持ち越しになりました。
マンチェスター・ユナイテッドがピンチを迎えるシーンは、ほとんどがサイドからでした。
バーゼルはサイドバックが弱点と見たのか、そのポイントを徹底的に攻めていましたね。
モウリーニョ監督としては、冬の移籍市場で優秀なサイドバックを獲得したいと考えているでしょう。
今回の試合では負けてしまいましたが、グループステージ最終節のCSKAモスクワ戦に6点差以上で敗れなければグループステージの突破が決まります。
4点差で敗れても首位通過が決まりますが、次節は快勝でグループステージ首位通過を決めて欲しいですね。
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グループC『チェルシー』
第5節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
チェルシー | 10 | +8 |
ローマ | 8 | +4 |
アトレティコ・マドリード | 6 | +1 |
カラバフ | 2 | -11 |
試合結果
カラバフ 【0-4】 チェルシー
チャンピオンズリーグのグループCを戦うチェルシーは、カラバフと対戦し、アウェイで0-4と完勝しています。
この勝利によって、1試合を残してチェルシーのグループステージ突破が決まりました。
ホームのカラバフが決定機を迎えるも・・・
13分、まず決定機を迎えたのはホームのカラバフです。
カラバフMFミチェルが中央で巧みにボールをキープし、右サイドのDFメドヴェデフに展開。
ここからカラバフは一気にスピードアップし、前方に出されたスルーパスをMFミチェルがダイレクトでシュート。
しかし、至近距離から放たれたこのシュートはバーに直撃。チェルシーとしては命拾いしたシーンでした。
カラバフが最もゴールに迫ったのはこのシーンのみ、ここからはチェルシーのペースで試合が進みます。
19分、チェルシーFW「エデン・アザール」の縦パスにMFウィリアンが抜け出すと、カラバフDFサディコフが腕を引っ張り、ウィリアンをエリア内で倒してしまいます。
PKの判定に加え、レッドカードで退場と非常に厳しいジャッジが下り、ホームのカラバフは数的不利な状況になってしまいました。
与えられたPKをアザールがしっかりと決めてチェルシーが先制に成功します。
カラバフが守備の要を失い、数的有利になったチェルシーは、ゴール前でのパス回しが楽になりました。
36分、チェルシーはMFセスク・ファブレガス、ペドロ、ウィリアンとテンポよくボールが繋がると、ウィリアンはアザールにボールを預けます。
アザールはディフェンスを引きつけながら、ヒールでラストパス。
これを受けたウィリアンがゴール右隅に決めてチェルシーがリードを2点に広げます。
前半を2点のリードで折り返したチェルシーの勢いは後半も止まりません。
73分、カラバフのクリアを拾ったチェルシーMFウィリアンは、ドリブルでボックス内に侵入。
カラバフMFカラエフがウィリアンのユニフォームを引っ張ってしまい、これがホールディングの判定。
チェルシーにこの日2度目のPKが与えられます。このPKをMFセスクが冷静に決めて、チェルシーが0-3と勝負を決定づけます。
チェルシーは85分にもウィリアンが豪快なミドルシュートでダメ押しの得点を決め、0-4で完勝。
2本のPK獲得に加え、自らも2ゴールをマークしたMFウィリアンの活躍もあり、アウェイゲームながらしっかりと勝ち切ることができました。
審判が少々厳しいように感じましたが、どれもルールに則った正しいものでした。
この勝利によって、チェルシーのグループステージ突破は確定、首位通過は最終節の結果次第となりました。
次節のアトレティコ・マドリードとのホームゲームに勝てば、グループステージの首位通過が決定します。
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グループE『リヴァプール』
第5節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
リヴァプール | 9 | +10 |
セビージャ | 8 | 0 |
スパルタク・モスクワ | 6 | +3 |
マリボル | 2 | -13 |
試合結果
セビージャ 【3-3】 リヴァプール
チャンピオンズリーグのグループEを戦うリヴァプールは、アウェイでスペインのセビージャと戦い、3-3のドロー。
勝てばグループステージの突破が確定でしたが、引き分けに終わったため、決勝トーナメントの進出は最終節に持ち越されました。
リヴァプールは前半に3発!
両チームとも勝てばグループステージ突破が決まるこの一戦は、序盤からスコアが動く激しい展開となりました。
先制点は開始わずか2分。
右サイドからのコーナーキックを得たリヴァプールは、MFコウチーニョが蹴ったコーナーキックを、MFワイナルドゥムがヘディングで後ろに逸らし、最後はFWロベルト・フィルミーノが押し込んで先制します。
フィルミーノはこれでチャンピオンズリーグ5試合で4得点目です。
リヴァプールは高い位置からプレスをかけ、相手の縦パスを執拗に狙っていきます。
ホームのセビージャもチャンスを何度も作りますが、フィニッシュの精度を欠き、同点に追いつくことはできません。
22分にコーナーキックを得たリヴァプール。キッカーはもちろんMFコウチーニョです。
中央に精度の高いボールが入ると、FWフィルミーノがディフェンスとの競り合いに勝利し、ボールをヘディングで後方へ逸らします。
そこにFWサディオ・マネがダイビングヘッドで飛び込み、リヴァプールが最初の得点と同様の形で2点目を手にします。
得点を奪うしか無くなったセビージャは前掛かりになりますが、リヴァプールはそこを狙っていました。
30分、後方からのロングボール一本で抜け出したリヴァプールFWマネは持ち前のスピードを活かしたドリブルからシュート。
これはセビージャGK「セルヒオ・リコ」に弾かれますが、ボールは無情にもリヴァプールFWフィルミーノの足元へ転がります。
フィルミーノが無人のゴールに流し込んで、この試合2ゴール目。
リヴァプールが前半だけで3得点を奪い、勝負を決定づけます。
後半に入ると、セビージャはロングボールを中心とした戦術に切り替え、リヴァプールの前線からのプレスに対抗します。
51分、リヴァプールDF「アルベルト・モレノ」がボックス右でファウルをしてしまい、セビージャにフリーキックが与えられます。
このフリーキックにセビージャMF「ベン・イェデル」がヘディングで合わせ、セビージャが1点を返すことに成功。
さらに続く58分、リヴァプールDFモレノがエリア内でベン・イェデルを倒してしまい、このプレーにPKの判定。
これを冷静に決められ、リヴァプールはあっという間に1点差に詰め寄られます。
リヴァプールのクロップ監督は、ミスが目立ったDFモレノに代えてMF「ジェームズ・ミルナー」を、MFコウチーニョに代えてMF「エムレ・ジャン」を投入。
リヴァプールは守備を強化して逃げ切りを図る作戦です。
攻め込まれていたリヴァプールは、徐々に落ち着きを取り戻していきますが、4点目を奪うことはなかなかできません。
1点のリードをキープしたいリヴァプールは上手く時間を使っていましたが、最後の最後でやられてしまいました。
後半アディショナルタイムの92分。
セビージャはコーナーキックの混戦からMF「ギド・ピサーロ」が身体を投げ出しながらボールを押し込み、ついに同点に追いつきます。
試合はこのまま3-3のドローで終了。
ホームサポーターの大声援もあり、セビージャが3点のビハインドから追いつく劇的な展開となりました。
ドロー決着とはいえ、リヴァプールとしては負けたような感覚でしょう。
前半は良い時のリヴァプール、後半はダメな時のリヴァプール。
前線にこれだけタレントが揃っているのに、軽率な守備で失点していたらいつまでも勝つことはできません。
次の相手はスパルタク・モスクワ、リヴァプールのホーム「アンフィールド」での試合です。
この試合の反省を活かし、快勝でグループリーグ突破を決めて欲しいですね。
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グループF『マンチェスター・シティ』
第5節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
マンチェスター・シティ | 15 | +10 |
シャフタール・ドネツク | 9 | -1 |
ナポリ | 6 | 1 |
フェイエノールト | 0 | -9 |
試合結果
マンチェスター・シティ【1-0】フェイエノールト
チャンピオンズリーグのグループFを戦うマンチェスター・シティは、オランダのフェイエノールトとホームで対戦し1-0で辛勝。
この結果を受けて、マンチェスター・シティの首位通過が確定しました。
マンチェスター・シティは珍しく不調
グループステージ全勝と全敗の対決ということで、マンチェスター・シティの大量得点による勝利が予想されましたが、この試合ではプレミアリーグの時のような好調ぶりを発揮することができません。
前半32分、左サイドでボールを受けたマンチェスター・シティMF「ケヴィン・デ・ブルイネ」が中央にクロスを入れると、FWアグエロがヘディングで合わせますが、このシュートはバーの上。
マンチェスター・シティはいつものような連動性があまりなく、ボールが止まってしまうシーンが多々見受けられました。
また、いつもなら決まっているようなシーンで精細を欠き、今日はフィニッシュの質が良くありません。
一方、35分にはフェイエノールトが素晴らしいコンビネーションからチャンスを演出します。
中央でボールを運んだフェイエノールトFW「サム・ラーション」が左サイドに流れたMF「ステフェン・ベルハイス」にボールを預けると、ベルハイスはラーションに折り返し。
ラーションはディフェンス数人に囲まれながらも、巧みなテクニックで際どいシュートを放ちます。
ゴールとはなりませんでしたが、ホームチームがマンチェスター・シティの守備陣を焦らせています。
拮抗した状態のまま試合が進み、ようやくスコアが動いたのは試合終了間際の88分。
マンチェスター・シティMF「イルカイ・ギュンドアン」からボールを受けたFW「ラヒーム・スターリング」は、一度ギュンドアンにボールを戻すと、前線のスペースに抜け出します。
その動きを見逃さなかったギュンドアンは、ダイレクトで正確なスルーパス。
これを受けたスターリングがキーパーを越すようなふわりとしたシュートで、マンチェスター・シティがついにフェイエノールトのゴールをこじ開けます。
この1点が決勝点となり、試合はそのまま終了。
攻撃が低調で、良い試合内容ではなかったものの、マンチェスター・シティが1-0で勝利を手にしています。
この結果を受けて、マンチェスター・シティは無事にグループステージ首位通過が決まりました。
内容こそ良くはありませんでしたが、77分に期待の17歳「フィル・フォデン」がデビューを果たすなど、マンチェスター・シティにとっては新たな発見ができたゲームなのではないでしょうか。
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グループH『トッテナム』
第5節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
トッテナム | 13 | +8 |
レアル・マドリード | 10 | +9 |
ドルトムント | 2 | -5 |
アポエル | 2 | -12 |
試合結果
ドルトムント 【1-2】 トッテナム
チャンピオンズリーグのグループHを戦うトッテナムは、勝てばグループリーグの首位通過が決まるこのゲームでドルトムントと対戦し1-2と逆転勝利を手にしています。
この結果、トッテナムのグループH首位通過が確定しました。
先制点はホームのドルトムント
週末のノースロンドン・ダービーで敗れていたトッテナムは、この試合でいい流れを取り戻したいのか、フルメンバーで試合に臨みます。
直近のブンデスリーガ5試合で1勝もできていないドルトムントは、仕掛ける回数が少なく、この試合も低調なスタート。
一方のトッテナムも、FWハリー・ケインやMFデレ・アリなど負傷明けの選手も多いため、ベストコンディションでは無さそうです。
そんな中で先制点が生まれたのは31分。左サイドでドルトムントMF香川がボールを受けると、MFゲレイロにボールを一度落とします。
ゲレイロがら中央のMFヤルモレンコにボールが渡ると、ヤルモレンコはダイレクトで前線へヒールパス。
これに抜け出したFWオーバメヤンが左隅に決め、ホームのドルトムントが先制します。
得点を奪ったのはドルトムントでしたが、試合はトッテナムのペース。
トッテナムは40分、41分と立て続けに決定機を作りますが、ドルトムントGK「ロマン・ビュルキ」の好セーブに阻まれます。
前線はホームのドルトムントが1-0で折り返しますが、得点の匂いがするのは間違いなくアウェイのトッテナムです。
その予想通り、後半開始直後の49分、トッテナムが同点に追いつきます。
相手ディフェンスのパスミスをトッテナムDFダニー・ローズがカット、MFデレ・アリが拾うとボックス手前にいたFWケインにラストパス。
ケインはファーストタッチでシュートを打てる体制に持ち込み、そのままシュート。
グラウンダーのシュートがゴール左下に突き刺さり、トッテナムが1-1の同点とします。
ビルドアップが上手くいかずに失点するシーンが今季のドルトムントには多く見られます。
この同点ゴールも自陣のパスミスからでしたし、ここを改善できなければ失点数は増え続けるでしょう。
その後もドルトムントのビルドアップ時のミスをトッテナムが拾い、一気にチャンスを迎えるシーンが多々ありました。
71分、トッテナムMFデレ・アリが左サイドでボールを持つと、ドルトムントのディフェンス2人に囲まれてしまいます。
しかし、そのディフェンス2枚の間をうまく抜け出してボックス内に侵入。
デレ・アリが後方にいたFWソン・フンミンに落とし、ソンがこれを右足でコントロールシュート。
ボールがゴールの右隅に吸い込まれ、トッテナムが逆転に成功します。
その後もトッテナムペースで試合は続き、結局1-2のままタイムアップ。
レアル・マドリード、ドルトムントと同グループの厳しいグループHで見事にトッテナムが首位通過を決めています。
トッテナムのグループステージ5試合の戦いぶりは完璧。このパフォーマンスを継続して発揮できればベスト16でも勝利を狙えるでしょう。
ハイライト動画
まとめ
チャンピオンズリーグの第5節を終え、プレミア勢はマンチェスター・シティとトッテナムが首位通過を決め、チェルシーもグループステージ突破を決めています。
マンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールは最終節に持ち越しとなってしまいましたが、両クラブとも現段階で首位なので、大きく崩れない限りは大丈夫でしょう。
最終節ではついにグループステージを突破するクラブが確定します。
プレミアリーグの5クラブをぜひ決勝トーナメントで見たいですね。引き続き応援していきましょう!