2017-18プレミアリーグ第13節「リヴァプールvsチェルシー」解説

11月26日に行われたプレミアリーグ第13節「リヴァプールvsチェルシー」をスポナビライブで観戦。

会場はリヴァプールの本拠地「アンフィールド」です。

ミッドウィークに行われたチャンピオンズリーグでは、リヴァプールは3-0から追いつかれてのドロー、チェルシーは4得点で快勝と、チーム状況ではチェルシーの方が良さそうです。

チェルシーは現在プレミアリーグで3位、リヴァプールは5位と上位対決となったこの一戦。

今季のトロフィーの行方に影響を与える重要なこの試合は、どちらに軍配があがるのでしょうか?

両チームのスタメン・フォーメーション

リヴァプール【4-3-3】

リヴァプールを率いるクロップ監督は、いつも通り4-3-3を採用。

クロップ監督は、今季プレミアリーグで共に3ゴールを記録しているFW「サディオ・マネ」と、FW「ロベルト・フィルミーノ」をベンチに置く大胆な采配。

前線にはFW「アレックス・オックスレイド=チェンバレン」FW「ダニエル・スタリッジ」そして得点ランキングトップの9ゴールを挙げているFW「モハメド・サラー」が入ります。

中盤はMF「フィリペ・コウチーニョ」MF「ジョーダン・ヘンダーソン」MF「ジェームズ・ミルナー」といったおなじみの布陣。

チャンピオンズリーグで3点のリードを守りきれなかった最終ラインには、左からDF「アルベルト・モレノ」DF「ラグナル・クラヴァン」DF「ジョエル・マティプ」DF「ジョー・ゴメス」が配されます。

上位との勝ち点差を広げられる訳にはいかないリヴァプールは、ホームサポーターの後押しを受け、勝ち点3を手にすることができるのでしょうか?

チェルシー【3-5-1-1】

チェルシー率いるコンテ監督は3-5-1-1のフォーメーションを採用。

好不調の波が激しいDF「ダヴィド・ルイス」をベンチとし、最終ラインはDF「ガリー・ケーヒル」DF「アンドレアス・クリステンセン」DF「セサル・アスピリクエタ」の3枚。

ウィングバックにはDF「マルコス・アロンソ」DF「ダヴィデ・ザッパコスタ」を、中盤はMF「エンゴロ・カンテ」MF「ティエムエ・バカヨコ」MF「ダニー・ドリンクウォーター」が配されます。

チャンピオンズリーグの影響で帰国してから中1日の試合ということもあり、ここまでほとんどの試合に出場していたMF「セスク・ファブレガス」を先発から外すなど、コンテ監督はローテーションに踏み切りました。

前線にはプレミアリーグで8ゴールを挙げているFW「アルバロ・モラタ」、そしてエースのMF「エデン・アザール」を縦に並べています。

昨季プレミア王者として、首位マンチェスター・シティのを追走したいチェルシーは、この試合を落とすわけにはいかないでしょう。

試合巧者なコンテ監督がどのような試合運びをするのかに注目が集まります。

「リヴァプールvsチェルシー」 ハイライト動画

前半 : チェルシーは相手にボールを持たせながらゲームを進める

前半からボールを支配しているのはホームのリヴァプール。

チェルシーは前線から積極的にプレスをかけて、ショートカウンター狙いのようです。

前半15分時点でリヴァプールのボール支配率は70%にも及んでいますが、チェルシーは5バックをコンパクトに保ってしっかりと守備ができています。

15分、左サイドをドリブルで突破したリヴァプールMFチェンバレンが中に早いクロスを入れると、MFミルナーがボレーで合わせますが、ここはジャストミートせずに枠を大きく外します。

ゴールとはなりませんでしたが、チェルシーが前掛かりになったところを攻めるカウンター攻撃は、突破口になる予感がします。

21分、チェルシーMFドリンクウォーターからのロングパスにFWアザールが抜け出し、ドリブルの仕掛けからシュートに持ち込みますが、リヴァプールGKミニョレがしっかりとキャッチ。

スタリッジ、モラタの両クラブのセンターフォワードが消えている中、サラーとアザールは要所で脅威となっています。

23分には再びチェルシーのチャンス。

コーナーキックの流れからの混戦で、後は押し込むだけでしたが、ここはリヴァプールの守備陣が身体を張って何度も防ぎます。

前半は両チーム決定機に欠ける

結局、前半は0-0のスコアレスのまま終了。拮抗したゲーム展開となっています。

チェルシーが相手にボールを待たせ、堅守から攻勢に出ようとするのはいつも通り。

リヴァプールはボールを保持してはいるものの、クロスボールがカットされる回数が多く、決定機には繋げることができていません。

リヴァプールは前半を枠内シュート0本で終えています。

一方、チェルシーは今季初先発のMFドリンクウォーターのロングパスからチャンスが生まれることが多々あり、アザールのドリブルでの仕掛けが効果的です。

前半の決定機はチェルシーの方が多く、得点が入るのは時間の問題でしょう。

後半 : コンテ監督の執念が実ったゲーム

後半に入っても前半と同様にチェルシーがリヴァプールにボールを持たせる展開。

リヴァプールのチャンスも少しずつ増えますが、FWサラーにボールが入ると、チェルシーの守備陣が数人で素早く囲んで突破を許しません。

ここまでスコアが動いていないこのゲームですが、65分についに先制点が入ります。

リヴァプールMFコウチーニョとFWサラーのテンポの良いワンツーパスから、中央のMFチェンバレンにボールが渡ると、そのまま前線にスルーパス。

スピードに乗ったまま抜け出したFWサラーがゴールの右に流し込み、リヴァプールが先制します。

得点直後にクロップ監督は、封じ込められていたFWスタリッジに代えて、MF「ジョルジニオ・ワイナルドゥム」を投入。

チャンピオンズリーグのセビージャ戦では、3点のリードから追いつかれているので、ここはなるべくラインを下げすぎずに持ちこたえたいところでしょう。

チェルシーを率いたコンテ監督は、74分にMFドリンクウォーターに代えてMF「セスク・ファブレガス」を、77分にはMFバカヨコに代えてMF「ペドロ」を投入し、攻撃の活性化を図ります。

この投入でリヴァプールのディフェンスを押し込むことができれば、チェルシーには得点のチャンスはあるでしょう。

一方、リヴァプールのクロップ監督は、FW「サディオ・マネ」と長期離脱から復帰したMF「アダム・ララーナ」を投入し、追加点を狙いに行きます。

クロップ監督は守備固めをせずにあくまでも追加点を狙いにいく姿勢です。

コンテ監督の采配が見事的中

チェルシーはMFセスクを投入したことにより、チェルシーは縦パスからチャンスを作る回数が増えます。

82分、チェルシーを率いるコンテ監督は攻勢を強めるためにDFザッパコスタに代えて、MF「ウィリアン」を投入。

すると、この采配が見事的中。

85分、ボックス右でボールを受けたMFウィリアンは、ドリブルで仕掛け、中央にクロスを入れます。

流れたクロスはリヴァプールGKミニョレの指先をかすめてそのままゴールに突き刺さりました。

ウィリアンのミスキックから生まれたラッキーなゴールでチェルシーが意地で同点に追いつきます。

土壇場で追いついたチェルシーはそのまま1-1でゲームを終えることに成功。

リヴァプールとしては、残り数分を守りきれなかったために、後味の悪い試合となってしまいました。

チェルシーの同点ゴールはラッキーなものでしたが、諦めずに攻め続けたコンテ監督に運が味方した形になりましたね。

試合後感想

試合結果
リヴァプール 【1-1】 チェルシー

試合全体を見ると、ドロー決着は納得ですが、個人的にはもっと点の取り合いになると予想していました。

チェルシーはCLで長距離移動をした後ということもあり、相手にボールを持たせて省エネで攻撃に転じるという戦術だったので仕方ありません。

チェルシーとしては疲労の影響もある中、アウェイのリヴァプール戦でドローはまずまずの結果でしょう。

一方、リヴァプールは残り5分までリードしていただけに、ドローは残念な結果です。

試合を通してサイドからのクロスの対応に慌てる部分が多く、守備陣のクロスへの対応に課題が残ります。

個人的マン・オブ・ザ・マッチは「エデン・アザール」

今回は試合を通じてリヴァプールの脅威になっていたチェルシーMF「エデン・アザール」を個人的なマン・オブ・ザ・マッチに選出します。

一昨年シーズンは極度のスランプに陥ったものの、今シーズンはすでにトップフォームを取り戻し、チームの中心として攻撃を牽引。

プレミアリーグ加入直後はフィジカル面の弱さが指摘されていましたが、近年ではフィジカルの強さが際立ち、ボールキープ力が格段にアップしています。

この試合でもリヴァプールFWサラーとともに、驚異的なドリブル突破を何度も見せつけていました。

アザールは今後もプレミアリーグを代表する選手、そしてチェルシーの中心選手として活躍してくれるでしょう。

まとめ

リヴァプールとしては、2試合連続でリードを守りきれずにドローで終わり、後味の悪いゲームが続いています。

得点ランキングでトップに立ったFWサラーをはじめ、攻撃陣は好調なので、リードしている際の戦い方に課題があるでしょう。

クロップ監督が今後、どのように戦術を練っていくのか楽しみです。

一方、チェルシーは13節を終えて3位に位置しており、悪い順位ではありませんが、首位のマンチェスター・シティには11ポイントの差をつけられています。

リヴァプール、チェルシーの両クラブは、首位マンチェスター・シティの独走を阻止することができるのでしょうか?

プレミアリーグ上位争いの行方を今後も見守っていきましょう。