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走るチームは強いのか?プレミアリーグのクラブ別走行距離ランキングを比較!

プレミアリーグの「走るチーム」といえば、前線から素早くプレスをかける「ゲーゲンプレス」を採用しているリヴァプールでしょう。

リヴァプールは昨季プレミアリーグ1位の走行距離でしたが、今季はどうやらそのランキングに異変が起きているようです。

SkySports「Manchester United bottom of Premier League distance covered rankings for 2017/18」という記事で、各チームの走行距離がランキング形式で紹介されていました。

今回はそのランキングを元に、走行距離とチームの強さの関係について考えていきたいと思います。

17-18プレミアリーグ クラブ別走行距離ランキング

順位昨季順位クラブ名走行距離
16ボーンマス1256km
23ウェスト・ブロムウィッチ1247km
34トッテナム1246km
417ワトフォード1241km
55バーンリー1238km
611アーセナル1237km
78チェルシー1234km
8昇格ブライトン1225km
92マンチェスター・シティ1225km
10昇格ハダースフィールド1221km
111リヴァプール1217km
12昇格ニューカッスル1213km
1313エヴァートン1209km
1419クリスタル・パレス1201km
1516レスター・シティ1195km
1614サウサンプトン1194km
1715ストーク・シティ1183km
189スウォンジー・シティ1182km
1912ウェストハム1162km
2020マンチェスター・ユナイテッド1162km

ランキングを見てみると、昨季6位から大幅にジャンプアップしたボーンマスが1位。

DFサイモン・フランシスやDFチャーリー・ダニエルズといったベテランが主軸のチームとは思えない走行距離です。

昨季も上位に食い込んでいたトッテナムとウェスト・ブロムウィッチは継続して上位をキープ。

ウェスト・ブロムウィッチを率いるトニー・ピューリス監督は、守備を決してサボらず、サイドを中心に攻めていくスタイルなので、ウェスト・ブロムウィッチの上位は納得の結果ですね。

また、昨季は走行距離の順位が17位だったワトフォードが4位まで大幅に順位を上げているのも興味深いです。

今季の開幕戦ではワトフォードvsリヴァプールを観たのですが、ワトフォードはとにかく前線から積極的にプレスをかけるチームに仕上がっており、マルコ・シウバ新監督の下で生まれ変わっています。

ワトフォードは11節終了時点で9位と、走行距離が増えたのに伴ってチームの調子も上がっているようです。

リヴァプールが大幅にランクダウン


ランキングを見てみると、驚きなのは昨シーズンは走行距離で1位だったリヴァプールが11位に沈んでいることでしょう。

確かにリヴァプールの試合を見ていると、昨季ほど走っていない印象が強いですが、ここまでランクダウンしているとは思いませんでした。

主力の離脱が影響しているのか、クロップ監督がゲーゲンプレスの使い方を模索しているのか定かではありません。

しかし、昨季「クロップ監督の戦術では選手に負荷がかかり過ぎて長いシーズンを戦えない」という意見があったのも確かです。

リヴァプールは今季はここまで5勝4分2敗の5位と、本領を発揮できずにいます。

今シーズンの残りの試合で、走らなくても勝てる戦術を浸透させるのか、それともゲーゲンプレスを徹底的に強化していくのか。クロップ監督の手腕が問われるでしょう。

マンチェスター・ユナイテッドは2年連続で最下位へ

マンチェスター・ユナイテッドは昨シーズンも走行距離では最下位、今季も現時点では継続して「プレミアリーグで最も走らないチーム」の称号を手にしています。

モウリーニョ監督率いるマンチェスター・ユナイテッドは、引いて守り、少ない手数でカウンター攻撃に転じることを重視しているので、走行距離が短くなってしまうのでしょう。

マンチェスター・ユナイテッドはプレミアリーグの順位では現在2位に位置しているため、もっとも効率よく得点を重ねる燃費の良いスタイルだと言えますね。

マンチェスター・シティは走る距離は短いが、走る回数は多い

昨季と比べて大幅に走行距離の順位を落としているビッグクラブがマンチェスター・シティです。(昨季2位→今季9位)

今季は11試合10勝1分といまだに無敗の首位をキープしており、2位に勝ち点8の差をつけるほど好調。

走る距離は短いマンチェスター・シティですが、スプリント回数のランキングを見てみると、最も走り込む回数が多いクラブであることがわかります。

順位クラブ名スプリント数
1マンチェスター・シティ6198
2ワトフォード5950
3ハダースフィールド5860
4アーセナル5842
5ボーンマス5762

2位に200回以上の差をつけるスプリント回数6198回という数字はリーグの中でも際立っていますね。

マンチェスター・シティを率いるグアルディオラ監督が裏への走り込みやハイプレスな守備を重視していることがこの数字から読み取れます。

確かに、今季の試合を見ていると両サイドのスターリングやサネが相手の裏を常に狙っている印象です。

ロングフィードからの裏抜けは、昨季プレミアを制したチェルシーの守備の弱点でもあるので、グアルディオラ監督はその弱点を突くためにチームづくりをしたのでしょう。

走行距離は長ければ良いというわけではない

現代サッカーでは走れるチームが強いと言われていますが、走行距離No.1のボーンマスが18位、走行距離最下位のマンチェスター・ユナイテッドが2位というのを見れば、単純に走行距離が長いのが良いとは限らないことがわかります。

マンチェスター・シティやマンチェスター・ユナイテッドの例を見ると、より効率的に得点を重ねることが重要なのだと改めて考えさせられます。

単純に走るというよりは、「考えて組織的に走る」「走りの質を高くする」ことが大事だと言えるでしょう。

日本のサッカーも走りの質を考えるべき


そして今回、プレミアリーグの走行距離のデータを見て、日本サッカーの課題も感じました。

日本では、自己犠牲の精神から走行距離で貢献度が測られることが多いですが、走りの質に関して議論されることは少ないです。

どちらかというと、要所で効率的に走る選手は「サボっている」として怒られることもしばしば。

しかし、チームを強くしていくためには無駄な走りを極力減らして、質を考えた走りをする必要があります。

走る量を重視するのではなく、「なぜここで走るのか」「なぜこのコースで走るのか」「なぜこのタイミングで飛び出すのか」といった走る質を強化しなければ、W杯などで結果を残すのは難しいのではないでしょうか。

まとめ

「走行距離」でチームの強さを測ることはできませんが、それぞれのチームのプレースタイルを物語る興味深い指標であることは間違いありません。

マンチェスター・ユナイテッドのように、あまり走らなくても強いチームは存在します。

こういったチームと相対した弱いチームが、勝つために武器とするのが「走り勝つ」という部分でしょう。

しかし、単純に走るだけではなく、そこにプラスアルファの武器がなければ今のプレミアリーグで勝つことはできません。

走行距離が多いのに結果が伴っていないボーンマスなどは、いま一度「走りの質」を考えるべきでしょう。