英メディアBBCが「Premier League: Does your club give youth a chance?」(あなたのクラブは若手選手にチャンスを与えていますか?)と題し、プレミアリーグのクラブが22歳以下の若手にどのくらい出場時間を与えているかを調査しています。
プレミアリーグでは、若手の有望株が出場機会を求めてブンデスリーガなどに移籍してしまうことが問題となっているので、これはタイムリーな調査ですね。
若手選手が試合経験を積むためにどこのクラブへ移籍すべきかわかる、興味深い指標なのでご紹介します。
目次
18-19シーズン 22歳以下の出場時間ランキング
順位 | クラブ | 出場時間 |
1 | レスター | 8373分 |
2 | アーセナル | 4467分 |
3 | エヴァートン | 4455分 |
4 | ウエストハム | 4134分 |
5 | トッテナム | 4083分 |
6 | ウォルヴァーハンプトン | 3962分 |
7 | ハダースフィールド | 3089分 |
8 | リヴァプール | 2553分 |
9 | ボーンマス | 2400分 |
10 | マンチェスター・U | 2009分 |
11 | フラム | 1975分 |
12 | クリスタル・パレス | 1965分 |
13 | サウサンプトン | 1671分 |
14 | ニューカッスル | 1409分 |
15 | マンチェスター・C | 1107分 |
16 | ブライトン | 863分 |
17 | バーンリー | 440分 |
18 | ワトフォード | 296分 |
19 | チェルシー | 151分 |
20 | カーディフ・シティ | 0分 |
レスターは圧倒的に若手の出場時間が多い
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このランキングを見る前に「絶対1位はレスターだろうな」と予想していましたが、やはり圧倒的にレスターが1位でした。
「ケレチ・イヘアナチョ」「ウィルフレッド・エンディディ」「ジェームズ・マディソン」「デマライ・グレイ」「ベン・チルウェル」といった22歳以下の選手が主力級の活躍をしており、完全に若手主体のチームへシフトしています。
今冬にレンタルで獲得したMF「ユーリ・ティーレマンス」も21歳と、数年後の成長を見据えた補強が目立つようになってきました。
数年後はビッグ6を脅かす恐ろしいチームになっているかもしれません。
アーセナルは育成クラブとして復活できるか
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ティエリ・アンリやロビン・ファン・ペルシー、パトリック・ヴィエラ、ニコラ・アネルカなど、かつては才能の発掘に定評があったアーセナルですが、近年では目覚ましく伸びた若手がいません。
オックスレイド=チェンバレン(現リヴァプール)のように素晴らしい才能を有していながら、少ない出場機会にフラストレーションを溜め、他のクラブに流出してしまったケースもあります。
しかし、今季からウナイ・エメリ監督が就任し、中盤を中心に若手を積極的に起用するようになりました。
「アレックス・イウォビ」「マッテオ・グエンドウジ」「ルーカス・トレイラ」「メイトランド=ナイルズ」といった、現在出場機会を得ている若手選手たちが成長すれば、アーセナルは優勝争いに絡んでくるでしょう。
有望な若手が流出しているクラブはやはり出場時間がかなり少ない
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ビッグ6の中でも有望な若手が流出し、特に問題を抱えているのは「マンチェスター・C」と「チェルシー」の2クラブ。この2クラブはやはり若手の出場機会はかなり少なく、特にチェルシーは151分と20チーム中19位です。
20位のカーディフは22歳以下の選手が一人もいないクラブですので、実質チェルシーが最下位と言っても過言ではありません。
19歳以下のクラブチームによって競われるUEFAユースリーグを2度制覇し「イングランド最強のアカデミー」との呼び声も高いチェルシーですが、生え抜き選手はトップチームにまったく定着していません。
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プレミアファンとして恐れているのが「チェルシーのユース出身=トップチームに定着できない選手」と思われてしまうことです。
実際、チェルシーには「カラム・ハドソン=オドイ」や「イーサン・アンパドゥ」といった素晴らしいポテンシャルを秘めた選手が存在していますし、こういった有望選手が埋もれてしまうのはフットボール界にとっても大きな損失だと言えます。
プレミアリーグで若手が活躍するために
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競争が激しいプレミアリーグで経験の少ない若手を起用するのにはリスクがありますが、長期的な視点で見るとイングランドサッカー界にとっては若手起用はプラスになります。(イングランド代表の強化という点でも)
資金力があるクラブはビッグネームに頼りがちですが、若手にも出場機会を与えてほしいものです。
今冬はプレミアリーグから多くの若手が流出しそうでしたが、マンチェスター・ユナイテッドではスールシャール監督に変わってから調子が上向き、「アントニー・マルシャル」や「マーカス・ラッシュフォード」といった若手と契約延長をすることができました。
前述の「カラム・ハドソン=オドイ」は今冬の残留を決めたようですが、この状況が続けば夏に移籍するのは間違いありません。
チェルシーはリーグでも上手くいっていない現状があるので、ぜひサッリ監督には若手の起用を検討して頂きたいですね。