2017-18プレミアリーグ第24節「バーンリー vs マンチェスター・ユナイテッド」解説

1月20日に行われたプレミアリーグ第24節「バーンリーvsマンチェスター・ユナイテッド」をスポナビライブで観戦。

会場はバーンリーの本拠地「ターフ・ムーア」です。

12月に対戦したばかりの両クラブ、その時の結果は2-2のドローに終わり、マンチェスター・ユナイテッドとしては悔しい結果に終わりました。

ホームのバーンリーは失点が少ないものの、得点力不足で勝ちきれない試合が多いです。

2位マンチェスター・ユナイテッドと、7位バーンリーの一戦はどのような結末を迎えるのでしょうか?

両チームのスタメン・フォーメーション

バーンリー【4-4-1-1】

バーンリーを率いて100試合目の記念すべき試合となったショーン・ダイク監督は4-4-1-1のフォーメーションを採用。

前回対戦では欠場していた主力のDF「ジェームズ・ターコウスキ」が最終ラインに復帰しました。

GKには長期離脱中のヒートンに代わって、GK「ニック・ポープ」最終ラインはDF「チャーリー・テイラー」DF「ベン・ミー」DF「ジェームズ・ターコウスキ」DF「フィル・バーズリー」が並びます。

中盤は横に4枚。左からMF「スコット・アーフィールド」パスセンスに長けたMF「ジャック・コーク」MF「スティーヴン・ドフール」MF「グズムンドソン」が起用されています。

その前にはMF「ジェフ・ヘンドリック」、最前線にはFW「アシュリー・バーンズ」が配され、ビッグクラブ相手の戦いに臨みます。

マンチェスター・ユナイテッド【4-3-3】

この試合でモウリーニョ監督は4-3-3のフォーメーションを選択しました。

最終ラインはDF「クリス・スモーリング」DF「フィル・ジョーンズ」の2センターバックにMF「アシュリー・ヤング」とDF「アントニオ・バレンシア」のサイドバック。

MF「ネマニャ・マティッチ」が中盤の底でゲームのバランスを取り、その前にはMF「ポール・ポグバ」とMF「ジェシー・リンガード」の2センターです。

その前にはFW「アントニー・マルシャル」FW「ロメル・ルカク」MF「フアン・マタ」が配されます。

負傷中のDFバイリーが帰ってくればベストメンバーといった布陣でしょう。

前回対戦ではホームで引き分けと不甲斐ない結果に終わったユナイテッド。首位マンチェスター・シティとの差を広げられないためにも、この試合では確実に勝ちたいところです。

「バーンリーvsマンチェスター・ユナイテッド」 ハイライト動画

前半 : 盛り上がりに欠ける前半

先制すれば勝率が高いバーンリーですが、逆に先制点を奪われた試合では6連敗中。

マンチェスター・ユナイテッド相手ではドロー決着で勝ち点1獲得でもまずまずの結果でしょう。

試合はマンチェスター・ユナイテッドが攻め込む展開、バーンリーはいつも通りほとんどリスクを侵さないプレーに徹しています。

12分、左サイドからマンチェスター・ユナイテッドDFアシュリー・ヤングがクロスを入れ、前線に抜け出したMFポグバがボレーをするも、これはゴールポストの上。

この試合では、マンチェスター・ユナイテッドの中盤の要であるポグバがラストパスで精度を欠いているのに加え、GKデ・ヘアのキックもことごとくバーンリーの選手に拾われています。

前半最大のチャンスは42分、マンチェスター・ユナイテッドDF「アシュリー・ヤング」が左サイドでバーンリーDFグズムンドソンを股抜きで抜き去ると、そのままエリア内に侵入してシュート。

ボールはわずかにゴールポストの右に外れますが、この試合では最もゴールに迫ったシーンでした。

マンチェスター・ユナイテッドは先制点を奪って優位に試合を進めたいところでしたが、前半は0-0で終了。

ユナイテッドはゲームメイクができておらず、リズムを掴めないまま前半を過ごしました。

ここ数試合で勝ち星が無く、引き分けでもOKという試合運びをしているバーンリーにとってはまずまずの展開でしょう。

マンチェスター・ユナイテッド率いるモウリーニョ監督は、後半にどのように動いてくるでしょうか。

後半 : マンチェスター・ユナイテッドに狙いが見えず・・・

前半のマンチェスター・ユナイテッドのシュートはわずかに5本、枠内シュートは0本と、引いて守るバーンリー相手に攻撃の糸口を見出すことはできませんでした。

後半も変わらず、マンチェスター・ユナイテッドはギアを上げることができずにいます。

以前ならば、縦パスが入った瞬間に周りが連動してグッとスピードアップができていたのですが、この試合ではその動きが見られません。

しかし53分、ここまでボールロストが多かったFWルカクがディフェンスを背負いながら2人かわし、逆サイドにスルーパスを展開。

フリーで待っていたのはFWマルシャル、バーンリーDFバーズリーと1対1の状況になりますが、一瞬空いたニアサイドに強烈なシュート。

天井に突き刺さるようなシュートがネットを揺らし、マンチェスター・ユナイテッドが苦しみながらも先制点を奪います。

56分にはバーンリーにチャンス。ゴール前でフリーキックを得ますが、グズムンドソンが蹴ったボールは惜しくもクロスバーに弾かれます。

モウリーニョ監督は71分にMFマタに代えてMFマルアン・フェライニを投入、中盤の守備を固めて逃げ切りを図ります。

なんとか引き分けに持ち込みたいバーンリーのショーン・ダイク監督はMFヘンドリックとMFアーフィールドの二枚替え。

交代でFW「サム・ヴォークス」と、今冬にトッテナムからレンタルで獲得したMF「ジョルジュ=ケヴィン・エンクドゥ」が入ります。

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攻撃的な選手を増やしたバーンリーですが、ロングボール主体のチームは攻撃のアイデアに乏しく、マンチェスター・ユナイテッドの守備陣に怖さを与えることができません。

87分には再びFWマルシャルが左から強烈なシュートを放つも、ここはバーンリーの守護神ニック・ポープが右腕一本でセーブ。

堅守のバーンリーはこれ以上失点を許しません。

しかし、バーンリーは最後まで得点を奪うことはできず、試合はこのまま0-1でアウェイのマンチェスター・ユナイテッドが勝利しています。

試合後感想

試合結果
バーンリー【0-1】マンチェスター・ユナイテッド

マンチェスター・ユナイテッドは勝利したとはいえ、枠内シュート2本というスタッツを見ればパフォーマンスが悪いことは明らかです。

この試合では、MFポグバのサイドチェンジが味方に合わなかったり、GKデ・ヘアのキックが相手に拾われる、サイドバックの上がりが遅く厚みのある攻撃ができない。など課題が山積みでした。

特にゲームメイクができる選手がいないのが深刻で、攻撃のリズムを作れず、攻撃が個人技による打開のみとなっています。

連携という部分を改善しなければ、今のプレミア2位というポジションも危ういでしょう。

一方、バーンリーは相変わらず守備面での意識が高く、前回対戦同様にマンチェスター・ユナイテッドを苦しめました。

失点はFWマルシャルと対峙したのがサイドバックのバーズリーだったことが原因でしょう。

センターバックのベン・ミーやターコウスキーなどであれば、あんなに簡単にニアサイドを空けはせず、シュートコースを限定できたに違いありません。

攻撃面ではセットプレーでしか脅威を与えることができておらず、目標とするプレミア残留に向けて改善していかなければならないでしょう。

個人的マン・オブ・ザ・マッチは「アントニー・マルシャル」

この試合での個人的なマン・オブ・ザ・マッチにはマンチェスター・ユナイテッドのFW「アントニー・マルシャル」を選出します。

この試合では決勝点となるゴールを挙げ、今季プレミアリーグで9ゴールをマーク。これはFWルカクに次ぐチーム2位の数字です。

サイドのポジションを争うFW「マーカス・ラッシュフォード」よりも5ゴール多く決めており、ポジション争いでは優位に立っているでしょう。

この試合でのゴールは、ディフェンスと1対1の状況とはいえ、一瞬空いたコースに正確に蹴り込む技術は素晴らしいものがありました。

マンチェスター・ユナイテッドにはアーセナルからFWアレクシス・サンチェスの加入が決定的とも言われており、ポジション争いがさらに激化するかもしれません。

マルシャルがこのまま定位置を確保できるのか注目しましょう。

まとめ

個人技でなんとか勝ち点3をゲットしたマンチェスター・ユナイテッド。

今日の内容を見ていると、FWアレクシス・サンチェスが加入したからといって攻撃が活性化するとは思えません。

個人技で打開できる選手よりも、周囲とうまく連携ができ、ゲームを作っていける選手を獲得すべきだと個人的には思います。

ワールドクラス選手が次々と加入することにより、マルシャル、ラッシュフォードなど若手の出場機会が激減するのは残念です。

こういった将来に期待ができる若手が出場機会を求めて他クラブに流出・・・という事態になれば、今のチェルシーのようにクラブを出てから花開く選手が増えてしまうかもしれません。

マンチェスター・ユナイテッドの次戦はアウェイのトッテナムです。このパフォーマンスのままだと確実に叩かれてしまいます。

モウリーニョ監督がどのように修正してくるのかに注目しましょう。