16-17シーズン総括

順位表とともに振り返る2016-17シーズンプレミアリーグ

ついに2017-18シーズンのプレミアリーグが開幕しました。

今季のプレミアリーグをより楽しむためにも、昨2016-17シーズンのプレミアリーグをおさらいしておきましょう。

今回の記事では、2016-17シーズンのプレミアリーグ総括として、シーズン全体の振り返りをしていきたいと思います。

名将揃いだった2016-17シーズンのプレミアリーグ

2016-17シーズンのプレミアリーグは「監督が主役だった」と言ってもいいほど、名将が揃っていました。

1996年からアーセナルの監督を務め、プレミアリーグの経験が豊富な「アーセン・べンゲル

かつて率いたドルトムントを2年連続のブンデス王者に導いたリヴァプール監督の「ユルゲン・クロップ

2015-16シーズンは最後まで優勝争いを繰り広げたトッテナムの「マウリシオ・ポチェッティーノ」といったプレミアリーグを代表する監督に加え、2016-17シーズンは新たに3人の大物監督がプレミアに参戦。

まずは、バルセロナやバイエルンで実績を残し、マンチェスター・シティの監督に就任した「ジョゼップ・グアルディオラ」監督。

インテルやレアル・マドリードといった欧州ビッグクラブを率いた経験を持ち、CLも2度優勝している「ジョゼ・モウリーニョ」がマンチェスター・ユナイテッドへ。

そして、ユベントスをセリエA3連覇に導き、イタリア代表監督も経験している「アントニオ・コンテ」がチェルシーの監督に就任。

上記の6人の監督は”ビッグ6″とも呼ばれ、この6人でCL出場権の4枠を争う激戦のシーズンが開幕しました。

開幕前の優勝候補はマンチェスター勢だった

大物監督の中でも、マンチェスター・ユナイテッドのモウリーニョ、マンチェスター・シティのグアルディオラといったマンチェスター勢は、優勝候補の筆頭と特に期待されていました。

対象的に2015-16シーズンを10位で終え、低迷していたチェルシーを率いるコンテ監督は、ビッグ6の中で最も早く解任されるだろうと言われ、開幕前の期待値は低いものでした。

夏の移籍市場では、モウリーニョ率いるマンチェスター・ユナイテッドが当時世界最高額の移籍金で、ユベントスからMF「ポール・ポグバ」を獲得。

対するマンチェスター・シティもGK「クラウディオ・ブラーボ」やMF「イルカイ・ギュンドアン」を獲得するなど、多くの予算を補強に費やし、シーズンの開幕を迎えます。

2016-17シーズンのプレミアリーグ順位表

  1. チェルシー / 93ポイント
  2. トッテナム / 86ポイント
  3. マンチェスター・シティ  / 78ポイント
  4. リヴァプール / 76ポイント
  5. アーセナル / 75ポイント
  6. マンチェスター・ユナイテッド / 69ポイント
  7. エバートン / 61ポイント
  8. サウサンプトン / 46ポイント
  9. ボーンマス / 46ポイント
  10. ウェスト・ブロムウィッチ / 45ポイント
  11. ウェストハム / 45ポイント
  12. レスター・シティ / 44ポイント
  13. ストーク・シティ / 44ポイント
  14. クリスタル・パレス / 41ポイント
  15. スウォンジー・シティ / 41ポイント
  16. バーンリー / 40ポイント
  17. ワトフォード / 40ポイント
  18. ハル・シティ / 34ポイント【降格】
  19. ミドルズブラ / 28ポイント【降格】
  20. サンダーランド / 24ポイント【降格】

シーズンが始まると、事前の予想通りマンチェスター・ユナイテッドが開幕3連勝、マンチェスター・シティが6連勝と、マンチェスター勢の強さが光りました。

しかし、シーズンを終えてみれば、コンテ率いるチェルシーが12節以降一度も首位を明け渡さず、歴代2位となる勝点93を獲得し優勝。

2位にはリーグ最多得点の86点、最小失点の26失点を記録したポチェッティーノ監督のトッテナムが入りました。

マンチェスター・シティはチェルシーと勝ち点15ポイント差の3位、ユナイテッドは24ポイント差の6位に終わり、優勝候補として期待されたマンチェスター勢はロンドンの2クラブに出し抜かれた形になってしまいました。

チェルシー優勝の要因はコンテ監督の戦術手腕


ビッグ6の中で最も難しい仕事を任されたのは間違いなくチェルシーのコンテ監督でしょう。

チェルシーは2014-15シーズンに優勝したものの、翌2015-16シーズンは10位に低迷。

主力のMF「エデン・アザール」をはじめとした主力選手は自信を失い、チーム内での内紛が報じられるなど、就任時の状況は最悪だったように思えます。

そんな中でなぜ、チェルシーは圧倒的な強さを生み出し、優勝することができたのでしょうか?

ターニングポイントは6節アーセナル戦での敗戦

チェルシーの優勝を語るうえで、6節のアウェイでのアーセナル戦は外せないでしょう。

僕はこの試合が優勝に向けての大きなターニングポイントになったと考えています。

6節時点で、ともに勝ち点10で並んでいた両チームですが、3連勝中のアーセナルに対し、チェルシーは直近2試合で勝ち点1と勢いには大きな差がありました。

結果だけ見れば、3-0でアーセナルの圧勝でしたが、チェルシーが後半から採用した3バックはこれまで使っていた4バックよりも安定しており、コンテ監督は確かな手応えを感じたことでしょう。

3バックを機能させたコンテ監督の決断力と対応力

6節アーセナル戦の後半で採用した3バックに手応えを感じたコンテ監督は、7節から3-4-3の新フォーメーションを採用。

そこからは怒涛の13連勝を成し遂げ、独走態勢を築き上げました。

プレミアリーグでは過去にほぼ成功例が無かった3バックを即座に採用したコンテ監督の決断力と、新システムを瞬く間に機能させた手腕は見事なものでした。

チームの雰囲気づくりまでも見事だったコンテ監督

2015-16シーズンにモウリーニョ監督がチェルシーを率いていた際、意に沿わなかったチームドクターを責め立てて退団に追い込むなど、チーム内の雰囲気がとても悪い印象でしたが、コンテ監督はチームの雰囲気作りまでも非常に大事にしていたようです。

ピッチ脇では感情をむき出しにして戦う一方、クリスマスには本拠地スタンフォード・ブリッジの一区画でスタッフとともにパーティーを催すなど、ピッチ外でのチームづくりも積極的に行っていました。

コンテ監督の戦術手腕と優れたマネジメント力によって、チェルシーは圧倒的な強さでプレミアリーグの王者に。

いかに選手や監督が優れていても、チーム全体の雰囲気が良くないと強いチームは完成しないということを改めて感じたシーズンでした。

対象的なシーズンを過ごしたマンチェスター勢

チェルシーを優勝に導いたコンテ監督とは対象的で、期待はずれに終わったのがマンチェスター・シティのグアルディオラ監督とマンチェスター・ユナイテッドのモウリーニョ監督です。

優勝候補と目されたマンチェスター勢はなぜ、プレミアリーグを制覇することができなかったのでしょうか?

マンチェスター・シティはGK選びが裏目に

マンチェスター・シティの新監督に就任したジョゼップ・グアルディオラは、長く守護神を務めてきたイングランド代表GK「ジョー・ハート」をレンタルで放出。

代わりにバルセロナから獲得したGK「クラウディオ・ブラーボ」は明らかにハートの実力を下回っており、ミスを連発。

シーズン終了時にはすっかりセービング力のないキーパーというイメージが定着してしまいました。

開幕直後の連勝は素晴らしかったですが、守備の不安定さから格下相手の敗戦も目立つようになり、無冠でシーズンを終えてしまいました。

攻撃陣は素晴らしい活躍をしていただけに、守備が安定しなかったのが残念ですね。

マンチェスター・ユナイテッドはイブラヒモビッチ依存のチームに

モウリーニョ監督率いるマンチェスター・ユナイテッドは、ヨーロッパリーグとEFLカップでの優勝を果たしましたが、プレミアリーグでは6位と不本意な結果に終わってしまいました。

期待されたMF「ポール・ポグバ」は金額に見合った活躍ができず、攻撃パターンもFW「ズラタン・イブラヒモビッチ」に依存したようなものばかりでした。

システムとスタメンを固定できず、モウリーニョ監督は最後まで試行錯誤を繰り返していた印象です。

明確な役割を与えられていれば、ポグバももっと活躍できたはず。モウリーニョ監督の責任は大きいですね。

マンチェスター勢に共通するのは、最後までチームを安定させることができなかったという点です。

両チームともに優れたタレントが揃いながらも、舵取りが上手くできずに看板倒れとなってしまいました。

チェルシー以上の完成度を誇ったトッテナム

個人的に2016-17シーズンのトッテナムはチェルシー以上の完成度を誇っていたと思います。

「86得点」「26失点」はリーグ内で最も好成績で、得失点差+60はプレミア歴代4位の数字。数字通りプレミアNo.1の攻守を見せてくれました。

シーズン4敗は優勝したチェルシーよりも少ないですし、なによりトッテナムが獲得した勝ち点86は優勝に値する数字です。

2015-16シーズンに優勝したレスター・シティは勝ち点81で優勝しているので、トッテナムは少し不運でしたね。

ポチェッティーノ監督は新たに3バックという効果的なオプションを得て、負傷者の数や対戦相手によってシステムを柔軟に変更する、まさに変幻自在のフットボールを展開しました。

2016-17シーズンも優勝には届きませんでしたが、22年ぶりにライバルであるアーセナルよりも順位を上で終え、ついに王座も見えてきましたね。

怖さを失ってしまったアーセナル

ノースロンドンのライバルで好調なシーズンを送ったトッテナムに対し、不穏な空気が流れているのがアーセナルFCです。

プレミアリーグを5位で終え、19年連続で獲得していたCL出場権を取り逃してしまい、終盤にはベンゲル監督の退任報道が加熱していました。

FAカップを制してなんとか2年間の契約延長にこぎつけたものの、プレミアリーグの優勝争いから早々に脱落してしまった責任は大きなものです。

試合を見ていても、対戦相手がアーセナルを怖がらなくなっていると感じました。

CLでは7年連続でベスト16敗退ですし、この状況を打開するにはクラブとして何か変化が必要です。

アーセナルの2016-17シーズンは大きな失望を残すものとなってしまい、サポーターとしても我慢の限界というのが正直なところでしょう。

王者レスターは低迷のシーズンを送った

2015-16シーズンのプレミアリーグを制覇したレスター・シティ。

トロフィーを掲げた約9ヶ月後に、レスターを優勝に導き「英雄」とも呼ばれた「クラウディオ・ラニエリ」監督が解任されることなど誰も予想していなかったでしょう。

僕もラニエリ監督には長くレスターの監督を務めて欲しいと思っていました。

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英雄を解任したクラブに対して、大きなバッシングがありましたが、結果としてはこの決断でチームは息を吹き返しました。

後任を務めたのは、アシスタントから昇格した「クレイグ・シェイクスピア」監督です。

シェイクスピア監督はチームが慣れ親しんだ戦術に戻し、最終的には12位でシーズンを終えました。

2016-17シーズンで評価できる点としては、プレミア勢の中で唯一CLでベスト8に進出したこと。

準々決勝のアトレティコ・マドリード戦では、2試合合計2-1で負けてしまいますが、強豪相手に大健闘。

リーグでは低迷しましたが、CLでは昨シーズン王者の意地を見せた格好になりましたね。

さらに完成度を高めたクロップのフットボール

リヴァプールはプレミアリーグを4位で終え、クロップ監督は在籍2年目にして待望のCL出場権をチームにもたらしました。

クロップ監督の代名詞である「ゲーゲンプレス」はより完成度が高まっており、素早い攻守の切り替えが効果的に機能していました。

一方で、体力と走力が要求されるこのスタイルに見合った選手を用意できなかったのが、4位に留まった原因でしょう。

クロップ監督がドルトムントを率いていた時代と同様に、日程が過密になると明らかにパフォーマンスが落ちていました。

とはいえ、戦術の完成度も高く、CL出場権も獲得できたので全体としては良いシーズンでしたね。

2017-18シーズンはCLもあり、より過酷なスケジュールになるのは間違いありません。

今夏の補強で選手層に厚みを増せば、勝ち点の取りこぼしは減り、より安定したパフォーマンスを見せることが出来るでしょう。

まとめ

シーズンを振り返ってみると、やはり「監督」というのは大事だなと改めて感じました。

プレミアリーグには高額な移籍金で優れた選手がやってきますが、監督が上手く舵取りをできなければ意味がありません。

優れた戦術を持ち、選手との対話を重ね、正しい決断ができるという点でコンテ監督は素晴らしかったです。

一方で戦術やカリスマ性に定評があるモウリーニョ監督やグアルディオラ監督には、なにかが欠けていたのかもしれません。

とはいえ、僕はチェルシーが連覇できるとは思っておらず、2017-18シーズンはトッテナムが優勝すると予想しています。

2017-18シーズンがどのようなシーズンになるのか楽しみですね。

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