プレミアリーグの「芝デザイン」はなぜ禁止に?代替案について考える

プレミアリーグでは、これまで各チームに対して、スタジアムの芝目模様を自由にデザインすることを認めていました。

芝目模様は時には円形、時にはひし形など、SNS上ではしばしば芸術と称されるほどの美しさを誇ります。

しかし、今季2017-18シーズンからプレミアリーグのレギュレーション変更により「芝デザイン」が禁止になるようです。

今回の記事では、今やプレミア名物とまでなった「芝デザイン」そして、禁止になった後の代替案についても考えていきます。

プレミアリーグにおける「芝デザイン」とは?

Dirk Vorderstraße by flickr (CC BY 2.0)

サッカーピッチの芝目模様といえば、ハーフウェイラインと並行に走るストライプ柄が一般的ですよね。(上記の写真はバイエルン・ミュンヘンのホームスタジアムであるアリアンツ・アレーナ)

「芝デザイン」とは、各スタジアムの芝生職人が芝で描く作品のことで、芝目の模様は、刈りこみの方向を変えることで付けられます。

芝生職人は、芝刈り機を倒す方向によって光の当たり方が変わり、見た目に濃淡がつくことを利用し、さまざまな図形を描いていきます。

その図形が複雑になればなるほど、様々な幅や方向に何度も芝刈りをしなければならないため、より高度な職人の技術が要求されます。

レスター・シティの本拠地「キング・パワー・スタジアム」やサウサンプトンの本拠地「セント・メリーズ・スタジアム」では、特に斬新な芝デザインが施されることで有名で、サポーターの中ではスタジアムに足を運ぶきっかけの1つともなっています。

「芝デザイン」はなぜ禁止されてしまうのか?

サポーターにも人気がある「芝デザイン」ですが、今季2017-18シーズンからはプレミアリーグのレギュレーション変更で禁止になることが決定しています。

公式発表では、グラウンド・キーパーと協議した結果とだけ書かれていましたが、おそらくテレビ観戦時の見づらさや、副審のオフサイド判定のしやすさに考慮したのだと考えられます。

あまり自由にさせすぎると、芝にスポンサー名などを入れるクラブがあってもおかしくないですからね。

いずれにせよ、しばらくの間はプレミアでユニークな芝を目にすることはなさそうです。

「芝デザイン」禁止後の代替案について

「芝デザイン」が禁止されると、スタジアムに訪れるサポーターの楽しみが1つ減ってしまいますよね。

試合以外の楽しみやエンタメ要素というのは大事なポイントで、サッカーを知らない人が興味をもつきっかけにもなります。

プレミアリーグが、芝デザイン禁止後になにか代替案を考えているのか分かりませんが、個人的には「フィールドプロジェクションマッピング」が面白いなと考えています。

日本では今年3月に「ガンバ大阪vsFC東京」後の吹田スタジアムにて、初めてフィールドプロジェクションマッピングが行われました。

サッカースタジアムはコンサート会場として使用されているところも多いので、映像との組み合わせは非常に相性が良いのではないでしょうか。

最近はフィギュアスケート会場やオリンピック閉会式などでも使用されており、流行の演出方法だといえます。

海外では、バイエルン・ミュンヘンのホームスタジアム「アリアンツ・アレーナ」でも行われていました。

プロジェクターを設置したりと多少スタジアムの設備を変える必要がありますが、潤沢な資金をその点に投資しても良いのではないかと僕は思います。

まとめ

「芝デザイン」の禁止については残念ですが、オフサイド判定など試合に影響する部分を考慮すると仕方ありませんね。

その分、他の演出やサービスでサポーターを満足させなければなりません。

近年プレミアリーグではチケット価格の高騰がサポーターに抗議されるなど、満足度に関して課題を抱えているように感じます。

プレミアリーグ、そして各クラブは今後どのような形でサポーターの満足度を向上させていくのでしょうか。

今シーズンは試合だけでなく、ピッチ外での動きにも注目していきたいですね。