11月20日付けでトッテナムがマウリシオ・ポチェッティーノ監督を解任し、翌日には前マンチェスター・ユナイテッド監督のジョゼ・モウリーニョの新監督就任を発表しました。
リーグ戦で不調とはいえ、まさか昨季のCLでクラブを決勝進出に導いたポチェッティーノ監督が解任されるとは思っていなかったので、とても驚きました。
今回は、ポチェッティーノ監督がトッテナムにどんな功績を残したか、モウリーニョ監督が入ってクラブがどう変わりそうなのか解説していきます。
目次
ポチェッティーノ監督の功績を振り返る
プレミアリーグのファンなら「ポチェッティーノ監督は素晴らしい監督」と他クラブのサポーターでも思うはずです。
かつてのトッテナムは中堅クラブで、初めてCLに出場したのは10-11シーズンです。
当時はベイルやモドリッチ(共に現レアル・マドリード)が台頭してきた頃で、クラブもビッグ4に次ぐ位置を確保しつつありました。
しかし、当時クラブを率いていたハリー・レドナップが退任した後は、アンドレ・ビラス・ボアスやティム・シャーウッドなどが監督を務めますが、補強戦略が滅茶苦茶で各国代表クラスの選手を獲得しては活躍できず・・・という状況が続きました。
なんとか4位~6位をキープしていましたが、やはりトップクラブとは大きな差がありました。
そんな状況でやってきたのが、サウサンプトンを初のプレミアリーグ8位に導いたポチェッティーノ監督です。
当時は40代前半ととても若い指揮官で、本当に大丈夫なのか不安でしたが、ここからトッテナムの快進撃がスタートします。
まずは選手の整理からスタート
新指揮官に就任したポチェッティーノ監督がまず始めたのが人員整理です。
就任当初はディフェンスを中心に補強しつつ、うまくフィットしていなかった前線の選手を試す時期が続きました。
その中で復活した選手「ナセル・シャドリ」や、不振のままだった選手「ロベルト・ソルダード」など様々でしたが、ポチェッティーノ監督が不振のソルダードの代わりに現エースの「ハリー・ケイン」をスタメン起用すると、これが大ハマリ。
ケインはいきなり21得点をマークし、得点ランキング2位につける大活躍を見せました。これがポチェッティーノ監督の第一の功績でしょう。
15-16シーズンは前線の余剰戦力を放出し、ソン・フンミンなどの若手を獲得し積極的に起用していきます。
また、このシーズンはレスター・シティとの優勝争いを演じますが、終盤にペースダウンして惜しくも3位。しかし、6シーズンぶりのCL出場権を獲得することに成功しました。
ビッグ6へ、しかし・・・
同じノースロンドンのライバル、アーセナルよりも低い順位というのが当然だったトッテナムですが、ポチェッティーノ監督就任後からは力関係が逆転しました。
トッテナムは16-17シーズンには2位、17-18シーズンは3位、18-19シーズンは4位と優勝争いの常連になり、昨季はCLで準優勝という快挙を成し遂げました。
トッテナムをここまで引き上げたポチェッティーノ監督の手腕はすごいのですが、振り返ってみれば獲得したタイトルはゼロ。
補強戦略に関して会長と意見が対立し、補強・売却ゼロという異例の自体に陥ったり、売却されるはずの選手が残留するなど、徐々にクラブとの溝は深まっていたと感じます。
ポチェッティーノ監督の功績を簡単にまとめると以下のようになります。
- 4季連続でリーグ戦トップ4
- クラブ史上初のCL決勝進出&準優勝
- ハリー・ケインやデレ・アリ、ソン・フンミンなどの若手を開花させた
- クラブをプレミア屈指の強豪クラブに引き上げた
獲得タイトルこそ無いものの、かつてのスパーズを知っている身からすると、ポチェッティーノの監督の功績は十分過ぎます。
確かに、昨季終盤からのリーグ戦での不調はありますが、解任はあまりにも早計だと思います。(契約延長したばかりですし、せめて今季は我慢してほしかった・・・)
“劇薬”モウリーニョ監督の就任は吉と出るか凶と出るか
モウリーニョ監督といえばチェルシーやレアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッドなどを率いた名将で、昨季ユナイテッドを解任されてから約1年ぶりの現場復帰となります。
モウリーニョ監督はインタビューでの発言などが波紋を呼ぶことが多く、ピッチ内外で敵を作る傾向がありますが、CLを2度制覇するなど「勝ち方」を知っている監督でもあります。
この点がポチェッティーノ監督にはないポイントでしょう。選手たちも毎シーズン目の前でタイトルを逃しているので、トロフィーに飢えているはずです。
そう考えれば最適な監督なのですが、これまでのモウリーニョ監督を見ていると数シーズンでクラブを去るというのがお決まりですので、長期政権を築くのは難しいと予想します。
本当にトッテナムがビッグクラブを目指すのであれば、ポチェッティーノ監督と経営陣が足並みをそろえてやっていく・・・という方が良かったと感じてしまいます。
モウリーニョ監督の戦術はトッテナムにフィットしそう
とはいえ、フィジカルに強みを持つ選手が多いトッテナムにはモウリーニョ監督の守備的な戦術がフィットしそうです。
選手たちがすぐに戦術理解をして、うまくハマればリーグ屈指の堅守なクラブになる可能性を秘めています。
大エースのハリー・ケインはボールを収めることができますし、ソン・フンミンもカウンターで力を発揮するでしょう。
課題はダニエル・レヴィ会長との補強方針のすり合わせですね。
ユナイテッドでもモウリーニョ監督の補強に上層部が難色を示すというケースがあったので、そこから歯車が狂わないといいのですが・・・
まとめ
トッテナムの1つの時代が終わりました。(ポチェッティーノ監督はすぐに再就職先が見つかるでしょう。)
しかし、名将モウリーニョがピッチに戻ってきたのはプレミアファンとしてはワクワクする部分もあります。
モウリーニョ監督がトッテナムをどんなチームに仕上げるのか、後半戦が楽しみですね。