『バロンドール』は、サッカーファンにとっては馴染みのある言葉ですが、最近サッカーに興味を持ち始めた人は分からないかもしれません。
バロンドールは簡単に言えばサッカー選手に贈られる個人賞のことです。
このページでは、『バロンドール』とはどのような賞なのか解説します。
バロンドールとは?
バロンドールとはフランス語のBallon D’orが語源で、フランスのサッカー専門誌「フランス・フットボール」が創設した、年間最優秀選手に贈られる賞です。
「Ballon D’or」とは黄金の球という意味で、バロンドール受賞者には黄金のサッカーボール型トロフィーが贈呈されます。
バロンドールの受賞はサッカー選手にとって最高の名誉の1つであると言えるでしょう。
ちなみに、日本ではバロンドール受賞者のことをバロンドーラーと表現します。
バロンドールの創設から2009年までは、フットボール界の主要な個人賞は、この『バロンドール』と、FIFAが選出する『FIFA年間最優秀選手賞』がありましたが、2010年度より、上記の2つの賞を統合する形で『FIFAバロンドール』が誕生。
しかし、このFIFAバロンドールは長続きせず、2015年度をもってFIFAとバロンドールの提携が解消され、2018年現在は再び2つの個人賞がある形になっています。
バロンドールの受賞対象は?
当初は欧州圏内に国籍を持つ選手のみが受賞対象とされていましたが、その後どんどん拡大されていきます。
1995年にはUEFA加盟クラブでプレーする全選手が対象となり、2007年からは全世界で競技するサッカー選手が対象となりました。
バロンドールの選考方法は?
現在の投票方法は、「フランス・フットボール」が選出(ノミネート)した候補者の中から、サッカー記者が投票するという方式です。
FIFAと共催していた『FIFAバロンドール』の時代には、各国代表チームの監督とキャプテン及び、サッカー記者の合計約400名による投票で決められるというものでした。
しかし、投票数の割合を見ると、各国代表チームの監督やキャプテンが全体数の3分の2、記者は3分の1だったため、多数決という点では記者の意見が採用されづらいという問題が起こってしまいます。
各国代表チームの監督やキャプテンが選ぶ最優秀選手は個人のパフォーマンスを重視するのに対し、記者の場合は個人のパフォーマンスに加えて、チームへの貢献度や人間性といった部分も考慮して最優秀選手を選出するため、監督・キャプテンが考える最優秀選手と、記者が考える最優秀選手が違うという状況に陥ってしまいました。
バロンドールがFIFAと決別した理由は明らかにされていませんが、このような状況があったからだと個人的には思っています。
歴代バロンドール受賞者
年度 | 受賞者 |
1956 | スタンリー・マシューズ |
1957 | アルフレッド・ディ・ステファノ |
1958 | レイモン・コパ |
1959 | アルフレッド・ディ・ステファノ |
1960 | ルイス・スアレス・ミラモンテス |
1961 | オマール・シボリ |
1962 | ヨゼフ・マソプスト |
1963 | レフ・ヤシン |
1964 | デニス・ロー |
1965 | エウゼビオ |
1966 | ボビー・チャールトン |
1967 | アルベルト・フローリアーン |
1968 | ジョージ・ベスト |
1969 | ジャンニ・リベラ |
1970 | ゲルト・ミュラー |
1971 | ヨハン・クライフ |
1972 | フランツ・ベッケンバウアー |
1973 | ヨハン・クライフ |
1974 | ヨハン・クライフ |
1975 | オレグ・ブロビン |
1976 | フランツ・ベッケンバウアー |
1977 | アラン・シモンセン |
1978 | ケビン・キーガン |
1979 | ケビン・キーガン |
1980 | カール=ハインツ・ルンメニゲ |
1981 | カール=ハインツ・ルンメニゲ |
1982 | パオロ・ロッシ |
1983 | ミシェル・プラティニ |
1984 | ミシェル・プラティニ |
1985 | ミシェル・プラティニ |
1986 | イーゴリ・ベラノフ |
1987 | ルート・フリット |
1988 | マルコ・ファン・バステン |
1989 | マルコ・ファン・バステン |
1990 | ローター・マテウス |
1991 | ジャン=ピエール・パパン |
1992 | マルコ・ファン・バステン |
1993 | ロベルト・バッジョ |
1994 | フリスト・ストイチコフ |
1995 | ジョージ・ウェア |
1996 | マティアス・ザマー |
1997 | ロナウド |
1998 | ジネディーヌ・ジダン |
1999 | リバウド |
2000 | ルイス・フィーゴ |
2001 | マイケル・オーウェン |
2002 | ロナウド |
2003 | パベル・ネドベド |
2004 | アンドリー・シェフチェンコ |
2005 | ロナウジーニョ |
2006 | ファビオ・カンナバーロ |
2007 | カカ |
2008 | クリスティアーノ・ロナウド |
2009 | リオネル・メッシ |
2010 | リオネル・メッシ |
2011 | リオネル・メッシ |
2012 | リオネル・メッシ |
2013 | クリスティアーノ・ロナウド |
2014 | クリスティアーノ・ロナウド |
2015 | リオネル・メッシ |
2016 | クリスティアーノ・ロナウド |
2017 | クリスティアーノ・ロナウド |
受賞回数ランキング
選手 | 回数 |
リオネル・メッシ | 5回 |
クリスティアーノ・ロナウド | 5回 |
マルコ・ファン・バステン | 3回 |
ミシェル・プラティニ | 3回 |
ヨハン・クライフ | 3回 |
アルフレッド・ディ・ステファノ | 2回 |
フランツ・ベッケンバウアー | 2回 |
カール=ハインツ・ルンメニゲ | 2回 |
ケビン・キーガン | 2回 |
ロナウド | 2回 |
まとめ
ここ数年はクリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシの独占状態が続いています。
このような素晴らしい選手たちが同時にプレーしているのをリアルタイムで観れることは幸せなことですね。
彼らの時代が終わり、新たなバロンドーラーが誕生するのはいつになるのでしょうか?
今年のバロンドールにも注目しましょう。