UEFAヨーロッパリーグ2017-18に出場しているプレミアリーグのクラブは、昨季6位のアーセナルと昨季7位のエヴァートンです。
第1節では、アーセナルは2得点でケルンに勝利。一方、エヴァートンは3失点でアタランタにまさかの完敗。
果たして第2節でアーセナルは見事連勝を、エヴァートンはEL初勝利を飾ることができたのでしょうか?
今回の記事では、アーセナル、エヴァートンのヨーロッパリーグ第2節を振り返っていきます。
目次
グループE『エヴァートン』
第2節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
アタランタ | 4 | +3 |
リヨン | 2 | 0 |
アポロン・リマソール | 2 | 0 |
エヴァートン | 1 | -3 |
ヨーロッパリーグのグループEを戦うエヴァートンは、第2節こそ勝利を手にしたかったのですが、キプロスのアポロン・リマソール相手に2-2の引き分けに終わってしまいました。
3-0での完敗に続き、ホームのグディソン・パークでキプロスのクラブ相手にドロー。
エヴァートンのチーム状況は深刻なようです。
エヴァートンはラッキーな形で同点に
負けられない試合でロナルド・クーマン監督が選択した布陣は4-3-2-1。
怪我人が多い最終ラインですが、センターバックは若手の「メイソン・ホルゲート」と、今季はプレミアリーグでミスが目立つ「アシュリー・ウィリアムズ」が務めます。
前半12分、試合開始早々にエヴァートンは守備のミスから失点を許してしまいました。
アシュリー・ウィリアムズの中途半端なクリアをアポロンMFマグリカに拾われ、サイドからアーリークロスを上げられます。
しっかりとマークを見ている様子だったホルゲートでしたが、ボールウォッチャーになっている間にアポロンFWサルディネロに裏を取られ、ボレーでシュートを打たせてしまいます。
一度はセーブしたGKピックフォードでしたが、サルディネロはこぼれ球を押し込み、アウェイチームが先制点を奪いました。
そもそも、最初のアシュリー・ウィリアムズのクリアはもっとセーフティにすべきでしたし、容易にクロスを上げられすぎです。
ホルゲートも簡単に相手を見失ってしまっていましたし、エヴァートンの守備陣はどうしたのでしょうか・・・
しかし、失点から10分後、エヴァートンはラッキーな形で同点ゴールを手にします。
相手陣内でエヴァートンFW「サンドロ・ラミレス」が献身的な守備でアポロンDFユステにプレッシャーを与えます。
危うくボールを失いそうになったユステは、慌ててGKにバックパス。
しかし、このボールが逸れてエヴァートンFW「ウェイン・ルーニー」の元へ。
ルーニーはこのチャンスを逃さずワンタッチでゴールに転がし、エヴァートンが同点に追いつきます。
ラッキーな形で追いついたエヴァートンはMF「ギルフィ・シグルズソン」を中心に攻勢に出ますが、結局1-1のまま前半を折り返します。
スコアが動いたのは67分、中央でボールを受けたルーニーは左サイドにボールを展開しようとしますが、これが相手の足に当たってしまい、MFシグルズソンの方へ。
さすが昨季プレミア13アシストのシグルズソン、急に来たボールをワンタッチで前に転がし、FW「ニコラ・ブラシッチ」とGKが1対1になる状況を作り出します。
後半から途中交代で入った19歳のストライカー、ブラシッチは1対1でも驚くほど冷静で、右隅にボールを流し込みました。
エヴァートンがリードを奪う追加点は、感極まったサポーターがピッチに飛び出してくるほどの待望のゴールでした。
86分、エヴァートンDF「カルバート=ルーイン」の腰にキックを入れてしまったアポロンDFのロベルシュが一発退場。
エヴァートンは数的有利な状況になり、EL初勝利を手にするかと思えました。
試合終了まで残り5分。しかし、その5分をエヴァートンは守りきることができません。
88分、アポロンDFジョアン・ペドロが蹴ったFKを、DFユステが頭でコースを反らしそのままゴールへ。
アポロンは数的不利ながら土壇場で同点に追いつきます。
ユステは自身のミスからの失点を帳消しにするゴールで、チームのピンチを救いました。
結局、試合はそのまま終了。
数的有利な状況でしたがリードを守れず、格下相手にホームで引き分けと、負けたような雰囲気がエヴァートンには漂っています。
グループ最下位ですが、リヨンとアポロンに勝ち点1しか離されていないのが不幸中の幸いです。
次はホームでリヨンと対戦します、この試合に勝てなければエヴァートンのグループステージ突破は難しいでしょう。
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グループH『アーセナル』
第2節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
アーセナル | 6 | +4 |
レッドスター・ベオグラード | 4 | +1 |
BATEボリソフ | 1 | -2 |
ケルン | 0 | -3 |
ヨーロッパリーグのグループHを戦うアーセナルは、第2節でBATEボリソフとアウェイの地で対戦し、2-4で勝利。
ベラルーシ・プレミアリーグを11連覇しているBATEですが、アーセナルはこの難敵を4得点で一蹴しました。
アーセナルを率いるヴェンゲル監督はターンオーバーを採用し、サブの選手中心の布陣を採用。
ジャック・ウィルシャーは怪我さえなければ素晴らしい選手!
この試合の主役はMF「ジャック・ウィルシャー」とFW「セオ・ウォルコット」でしょう。
ウィルシャーは負障癖に悩まされ、昨季はボーンマスにレンタルされていましたが、やはりアーセナルにとっては重要な戦力だと改めて感じました。
前半9分、中央でボールを受けたウィルシャーは、FWオリヴィエ・ジルーとのワンツーでペナルティボックス内に侵入。
触るだけで点が入る優しいクロスを出し、それに合わせたのがウォルコット。
アーセナルらしい見事な崩しからの先制点でした。
その後もウォルコットとウィルシャーのコンビはBATEボリソフのゴールを脅かします。
22分、BATEのGKシェルビツキは、目測を誤ったのかアーセナルFWのウォルコットにパスを出してしまいます。
ウォルコットはこれを冷静に決め、アーセナルが2-0とリードを広げます。
さらに追加点はわずか3分後の前半25分。
アーセナルはコーナーキックからDFメルテザッカーがボールの軌道を変えると、足を伸ばしたのはDF「ロブ・ホールディング」。
ホールディングがアーセナル入団後初ゴールを決め、3-0と試合を決定づけます。
アーセナルが3点目を奪った直後、ホームのBATEが反撃に出ます。
右サイドを崩したBATEは、DFアレクセイ・リオスが上げたクロスにMFイヴァニッチがヘディングで合わせ、点差を2点に縮めます。
イヴァニッチにはアーセナルMFモハメド・エルネニーがマークに付いていたのですが、上手く裏に回り込まれてしまいました。
大量のゴールが生まれた前半は3-1でアーセナルのリードで折り返します。
リードを広げて安心したいアーセナルは、後半開始早々に4点目を奪いました。
49分、コーナーキックの混戦からアーセナルDFシュコドラン・ムスタフィがユニフォームを引っ張られたうえ、足を踏みつけられたらしく、アーセナルにPKが与えられます。
このPKを蹴るのは、決めればハットトリック達成のウォルコット・・・ではなく、決めればアーセナル通算100得点目となるオリヴィエ・ジルーです。
ジルーは冷静にPKを沈め、アーセナルでの通算100得点を達成しました。
その後BATEに1点を返されましたが、終わってみればアーセナルは4得点での勝利。
ELで2連勝を手にし、サブ中心のチームでもヨーロッパリーグを戦えるという証明ができましたね。
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まとめ
アーセナルが4得点で連勝を飾ったのは素晴らしいですが、アーセナルサポーター、そしてプレミアリーグのファンにとって最も嬉しいのがMFジャック・ウィルシャーの復活でしょう。
ウィルシャーが16歳という若さでアーセナルのトップチームに昇格、クラブ史上最年少でプレミアデビューを果たしてから9年が経ちました。
その後は度重なる怪我に悩まされましたが、未だ25歳という若さです。
大きな怪我さえしなければアーセナルの主力として間違いなく活躍できるでしょう。
余談になりますが、試合後のインタビューで、ジルーにPKを譲ったウォルコットはこう語っています。
「僕には、ハットトリックを決めるチャンスがあった。でも、僕はジルーが通算99ゴールだということを知っていた。」
「だから、彼が蹴るべきだと思ったんだよ。アーセナルのために100点決めてきたというのは、彼のキャリアにおいてすごい瞬間だと思う。僕はそれを達成しているからその気持ちが分かるよ。それは素晴らしいものだから彼にPKを譲ったんだよ。」
「僕にもチャンスがあったが、そんな自分勝手なことはできないよ」
なんとも粋です。そしてジルーがチームメイトからどれだけ尊敬を集めているかわかりますね。
一方で心配なのがエヴァートン。
前述しましたが、次節のリヨン戦で負けるようなことになれば、グループステージの突破は難しくなります。
グループステージでの敗退が決まれば、クーマン監督が更迭される可能性もあります。
次のホームゲームはなんとしても勝利を手にしなければなりません。
アーセナルとエヴァートンの両クラブはヨーロッパリーグの第3節で、どんな戦いをしてくれるのでしょうか。
引き続き応援していきましょう!