9月1日をもって、2017-18シーズンの夏の移籍市場が締切となりました。
各チームは戦力の補強を完了し、冬の移籍市場までは現有戦力で長いシーズンに臨むこととなります。
当記事では、各クラブ毎に加入・退団選手を一覧でまとめ、移籍市場での寸評を書いていきます。
今回は、プレミアリーグ残留を目指す、昨季の下位クラブと昇格クラブの移籍動向について見ていきましょう。
スウォンジー・シティ
加入
※ 赤字は注目選手
選手名 | 前所属 | |
GK | エルウィン・ムルダー | ヘーレンフェーン |
MF | ロケ・メサ | ラス・パルマス |
MF | サミュエル・クルーカス | ハル・シティ |
MF | レナト・サンチェス | バイエルン(レンタル) |
FW | タミー・アブラハム | チェルシー(レンタル) |
FW | ウィルフリード・ボニー | マンチェスター・シティ |
退団
選手名 | 移籍先 | |
GK | ゲハルト・トレメル | 未定 |
GK | マーク・ビリギッティ | NACブレダ |
DF | ジョルディ・アマト | ベティス(レンタル) |
DF | スティーヴン・キンズリー | ハル・シティ |
DF | フランク・タバヌ | ギャンガン |
MF | マット・グライムス | ノーサンプトン(レンタル) |
MF | ジャック・コーク | バーンリー |
MF | ギルフィ・シグルズソン | エヴァートン |
MF | ジェフェルソン・モンテーロ | ヘタフェ(レンタル) |
FW | ボルハ・バストン | マラガ(レンタル) |
FW | フェルナンド・ジョレンテ | トッテナム |
FW | オリヴァー・マクバーニー | バーンズリー(レンタル) |
FW | マルヴィン・エムネス | 未定 |
FW | バフェティンビ・ゴミス | ガラタサライ |
FW | モドゥ・バロー | レディング |
昨季9ゴール13アシストのMF「ギルフィ・シグルズソン」に加え、FW「フェルナンド・ジョレンテ」MF「ジャック・コーク」といった中心選手を一気に放出したスウォンジー・シティ。
一方で、ポルトガル代表の主軸と期待されているMF「レナト・サンチェス」をレンタルで獲得、マンチェスター・シティからMF「ウィルフリード・ボニー」を加えるなど、前線の補強に積極的です。
注目は、チェルシーからレンタルで加入したU-21イングランド代表FW「タミー・アブラハム」です。
チェルシーユース出身の19歳は、第3節クリスタル・パレス戦でプレミア初得点を記録。
同学年で同じくチェルシーユース出身のリヴァプールFW「ドミニク・ソランケ」と比較されることも多いのですが、ポジショニングに関してはアブラハムの方が優れていますね。今年は両選手ともにブレイクするかもしれません。
放出選手と加入選手を天秤にかけると、マイナスな気がしますが、面白そうな選手を多く獲得したということで注目したいですね。
バーンリー
加入
選手名 | 前所属 | |
GK | アダム・レグズディンス | バーミンガム・シティ |
DF | チャーリー・テイラー | リーズ |
DF | フィル・バーズリー | ストーク・シティ |
MF | ジャック・コーク | スウォンジー・シティ |
FW | ジョン・ウォルターズ | ストーク・シティ |
FW | クリス・ウッド | リーズ |
FW | ナーキ・ウェルズ | ハダースフィールド |
退団
選手名 | 移籍先 | |
GK | ポール・ロビンソン | 引退 |
DF | ジョン・フラナガン | リヴァプール(レンタル終了) |
DF | マイケル・キーン | エヴァートン |
DF | テンダイ・ダリクワ | ノッティンガム・フォレスト |
DF | トム・アンダーソン | ポート・ヴェイル |
MF | ジョーイ・バートン | 未定 |
MF | ジョージ・ボイド | シェフィールド・ウェンズデイ |
MF | エイデン・オニール | フリートウッド(レンタル) |
MF | マイケル・カイトリー | サウスエンド |
FW | アンドレ・グレイ | ワトフォード |
FW | ロウヴェン・ヘニングス | デュッセルドルフ |
FW | ダニエル・アジェイ | ウォルソール(レンタル) |
FW | クリス・ロング | ノーサンプトン(レンタル) |
バーンリーの補強は特に方針変更も無く、数選手の補強となりました。
バーンリーは開幕戦で昨季王者チェルシーを破るなど、早速サプライズを提供してくれましたね。
注目は昨季2部チャンピオンシップで44試合出場27ゴールをマークし、得点王に輝いた「クリス・ウッド」です。
クリス・ウッドはニュージーランド代表の選手なのですが、ニュージーランドはFIFAランク112位で強豪とは言えません。
ラグビーやクリケットが人気のニュージーランドでは、サッカーの代表選手の大半がセミプロやアマチュアで構成されています。
そんな国の代表選手が、実力者揃いのイングランド2部で得点王に輝くのはとても面白いですよね。
クリス・ウッドがプレミアリーグでどのようなプレーを見せてくれるか期待しましょう。
ワトフォード
加入
選手名 | 前所属 | |
GK | オレスティス・カルネジス | ウディネーゼ(レンタル) |
DF | キコ・フェメニア | アラベス |
DF | ディミトリ・フルキエ | グラナダ |
DF | モラ・ワゲ | ウディネーゼ(レンタル) |
DF | マルフィン・ゼーヘラール | スポルティング |
MF | トム・クレヴァリー | エヴァートン |
MF | ウィル・ヒューズ | ダービー |
MF | ナサニエル・チャロバー | チェルシー |
MF | アンドレ・カリージョ | ベンフィカ |
FW | リチャーリソン | フルミネンセ |
FW | アンドレ・グレイ | バーンリー |
退団
選手名 | 移籍先 | |
GK | レネ・ジルマーティン | 未定 |
GK | ギエドリウス・アルラウスキス | CFRクルージュ |
GK | コステル・パンティリモン | デポルティボ(レンタル) |
DF | ファン・カルロス・パレデス | エメレク |
DF | ファンフラン | デポルティボ |
DF | ウチェ・ヘンリー・アグボ | スタンダール・リエージュ |
DF | ペルビス・エストゥピニャン | アルメリア(レンタル) |
DF | ディミトリ・フルキエ | ストラスブール(レンタル) |
DF | ファン・スニガ | ナポリ(レンタル終了) |
MF | ヴァロン・ベーラミ | ウディネーゼ |
MF | ノルディン・アムラバト | レガネス(レンタル) |
MF | スヴェン・クムス | アンデルレヒト |
MF | マリオ・スアレス | 貴州智誠 |
FW | マティアス・ラネーギー | BKヘッケン |
FW | アリ・マレ | ウディネーゼ |
FW | ステフェン・ベルハイス | フェイエノールト |
FW | エムバィエ・ニアン | ミラン(レンタル終了) |
マッツァーリ監督が解任され、マルコ・シウバ監督が指揮を執るワトフォードは今夏、多くの選手を獲得しました。
昨季プレミア32試合出場で9ゴールのFW「アンドレ・グレイ」やエヴァートンから獲得したMF「トム・クレヴァリー」など、プレミアで経験のある選手を中心に、すべてのポジションで選手層に厚みを持たせましたね。
注目選手はフルミネンセから獲得した20歳のFW「リチャーリソン」です。
ブラジルU-21でFW「ガブリエル・ジェズス」と共に注目されていた同選手。
ジェズスがマンチェスター・シティに加入したのに対し、なぜリチャーリソンは昨季17位のワトフォードなのか?と疑問を持ちますが、第2節のボーンマス戦で初ゴールをマークし、自らの価値を証明し始めています。
規律を徹底するマルコ・シウバ監督の下でワトフォードがどのように生まれ変わるのか楽しみですね。
ニューカッスル
加入
選手名 | 前所属 | |
DF | フロリアン・ルジュン | エイバル |
DF | ステファン・オコナー | アーセナル |
DF | ハビエル・マンキージョ | アトレティコ・マドリード |
MF | クリスティアン・アツ | チェルシー |
MF | ミケル・メリーノ | ドルトムント(レンタル) |
FW | ジェイコブ・マーフィー | ノリッジ・シティ |
FW | ホセル | ストーク・シティ |
退団
選手名 | 移籍先 | |
GK | マッツ・セルス | アンデルレヒト(レンタル) |
GK | ティム・クルル | ブライトン(レンタル) |
DF | グラント・ハンリー | ノリッジ・シティ |
DF | アシュラフ・ラザール | ベネヴェント(レンタル) |
MF | フルノン・アニタ | リーズ |
MF | サミー・アメオビ | ボルトン |
MF | ヨアン・グフラン | ギョズテペ |
MF | シーム・デ・ヨング | アヤックス |
FW | ダリル・マーフィー | ノッティンガム・フォレスト |
FW | フロリアン・トヴァン | マルセイユ |
FW | エマニュエル・リヴィエール | メス |
昨シーズンは2部チャンピオンシップで首位となり、プレミアリーグに復帰を決めたニューカッスルですが、今夏は序盤から思うような補強ができませんでした。
GKの補強にナポリGK「ホセ・マヌエル・レイナ」やフリーになっていた「ウィリー・カバジェロ」を狙うも失敗。
前線や中盤も思うような補強ができず、フロントの未熟さが露呈した格好になりましたね。
フロントの補強の下手さにベニテス監督は失望、サポーターからもベニテス監督が辞任しても仕方がないと思われるような移籍市場での立ち回りでした。
そんなニューカッスルを救うのは昨季スペインのラ・リーガで20試合に出場し5ゴールをマークしたFW「ホセル」と、ドルトムントから加入したMF「ミケル・メリーノ」でしょう。
特にメリーノは、第3節のウエストハム戦で圧倒的なパスとキープ力を見せつけていました、
若い選手なので調子に波はありますが、メリーノの覚醒次第でニューカッスルは面白いチームになりそうです。
ブライトン
加入
選手名 | 前所属 | |
GK | マシュー・ライアン | バレンシア |
GK | ティム・クルル | ニューカッスル(レンタル) |
DF | マルクス・ズットナー | インゴルシュタット |
DF | アレシュ・マチェユ | ヴィクトリア・プルゼニ |
DF | エセキエル・スケロット | スポルティング |
MF | パスカル・グロス | インゴルシュタット |
MF | イザイア・ブラウン | チェルシー(レンタル) |
MF | デイヴィ・プレパー | PSV |
MF | スフィアン・アハンナハ | アルメレ・シティ |
FW | ホセ・イスキエルド | クラブ・ブルッヘ |
退団
選手名 | 移籍先 | |
GK | カスパー・アンカーグレン | 引退 |
GK | デヴィット・ストックデール | バーミンガム・シティ |
DF | セバスチャン・ポコニョーリ | ウェスト・ブロムウィッチ(レンタル終了) |
DF | フィカヨ・トモリ | チェルシー(レンタル終了) |
DF | ヴェガール・フォレン | |
MF | オリヴァー・ノーウッド | フルハム(レンタル) |
MF | カゼンガ・ルアルア | QPR(レンタル延長) |
MF | ロハン・インス | ベリー(レンタル) |
FW | チュバ・アクポム | アーセナル(レンタル終了) |
FW | リッチー・トウェル | ロザラム(レンタル) |
昇格組であるブライトンは、10人もの選手を獲得しました。
プレミアリーグを1シーズン戦い抜くため、選手層に厚みを持たせたという形でしょう。
主に中盤~守備の強化をし、失点を減らそうという補強はまさに昇格組のセオリー通りです。
日本代表MF「原口元気」の加入も噂されていましたが、結局実現しませんでしたね。
注目はクラブ史上最高額で加入した、コロンビア代表FW「ホセ・イセキエルド」です。
昨季はベルギーのジュピラー・プロ・リーグで15ゴールをマークしており、ブライトンの攻撃陣を引っ張ることになるでしょう。
ハダースフィールド
加入
選手名 | 前所属 | |
GK | ヨナス・レッスル | マインツ(レンタル) |
GK | ロバート・グリーン | リーズ |
DF | スコット・マローン | フルアム |
DF | マティアス・イェルゲンセン | コペンハーゲン |
DF | フローラン・ハデルジョナイ | インゴルシュタット |
MF | アーロン・ムーイ | マンチェスター・シティ |
MF | トム・インス | ダービー |
MF | ダニエル・ウィリアムス | レディング |
MF | ケイシー・パーマー | チェルシー(レンタル延長) |
MF | アブデルハミド・サビリ | ニュルンベルク |
FW | エリアス・カチュンガ | インゴルシュタット |
FW | ローラン・ドゥポワトル | ポルト |
FW | スティーヴ・ムニエ | モンペリエ |
退団
選手名 | 移籍先 | |
GK | ダニー・ウォード | リヴァプール(レンタル終了) |
DF | タリク・ホームズ=デニス | ポーツマス(レンタル) |
DF | ジェイソン・デヴィッドソン | リエカ |
DF | マーク・ハドソン | 引退 |
MF | イザイア・ブラウン | チェルシー(レンタル終了) |
MF | ジャック・ペイン | オックスフォード(レンタル) |
MF | ハリー・バン | ベリー |
MF | ショーン・スキャンネル | バートン(レンタル) |
FW | ナーキ・ウェルズ | バーンリー |
ハダースフィールドが今夏に加えた選手はなんと13人。1チームの人数を超える補強はなかなか珍しいですよね。
今夏の補強では、GKからFWまで全ポジションに複数の選手を獲得しました。
これで選手層は強化され、長いシーズンを戦い抜くことができるでしょう。
昨季マンチェスター・シティからレンタルで加入していたMF「アーロン・ムーイ」を完全移籍で獲得できたのはチームにとって非常に大きいです。
ムーイは持ち前のゲームメイクセンスを武器に、既にチームの大黒柱として攻撃を引っ張る存在に。
チームも4節終了時点で2勝1敗1分と昇格組としては悪くない滑り出しを果たしています。
今夏大量に補強した選手がどのくらいフィットしてくれるかが残量への大きなカギになるでしょう。
まとめ
下位や昇格クラブの移籍はほとんど注目されないことが多いですが、今季ブレイクしそうな原石が眠っていたりするので興味深いものがあります。
ブライトンとハダースフィールドはチームを大改造しており、加入選手が非常に多いですよね。
これが吉と出るか凶と出るか、シーズンを通して見守りましょう。
中堅・上位クラブにとって厄介な相手になりそうなのがワトフォードです。
実際、開幕戦でもリヴァプール相手に3得点するなど、非常に統率の取れたプレーをするチームになりつつあります。
下位クラブや応援しているチーム以外は興味ないという方も多いでしょうが、これを期にぜひ下位クラブの試合にも注目してみてください。
下位クラブの試合を観る際は「この選手は来季ビッグクラブから引き抜かれそうだ」と予想しながら観ると面白いのでオススメです。
今季はどのクラブが残留争いに巻き込まれるのか、最後まで見守りましょう。