10月22日に行われたプレミアリーグ第9節「トッテナムvsリヴァプール」をスポナビライブで観戦。
会場はトッテナムの仮ホームスタジアム「ウェンブリー・スタジアム」です。
トッテナムはプレミアリーグのアウェイゲームでは4戦全勝で3位に位置していますが、リヴァプール相手の試合では直近9試合で未勝利と相性が悪いです。
対するリヴァプールは直近の公式戦9試合でわずか2勝と停滞気味。順位も8位に沈み込んでいます。
リヴァプールにとってはプレミアリーグの上位を狙うためにも、決して負けられない試合となりました。
目次
両チームのスタメン・フォーメーション
トッテナム【3-5-2】
マウリシオ・ポチェッティーノ監督率いるホームのトッテナムは3-5-2のシステムを採用。
前線には、昨季プレミアリーグ得点王のハリー・ケイン。そして昨シーズン21ゴールの韓国代表FW「ソン・フンミン」が並びます。
中盤のセンターには、MF「デレ・アリ」MF「クリスチャン・エリクセン」といった主力に加え、将来が期待される21歳のMF「ハリー・ウィンクス」が起用されています。
ウィンクスは先日行われた2017FIFAワールドカップロシア欧州予選で初のイングランドA代表招集を受け、さらにリトアニア代表戦に先発フル出場を果たすと、同試合におけるマン・オブ・ザ・マッチに選出されている有望株です。
トッテナムは今季ホームでなかなか勝利できておらず、前節のボーンマス戦でようやく1-0で初勝利を挙げました。
このビッグマッチでも勝利を飾り、ホームでの、そしてリヴァプール相手の苦手意識を取り除きたいですね。
リヴァプール【4-3-3】
リヴァプールを率いるクロップ監督は、前節同様4-3-3を採用。
今季プレミアリーグで4試合に出場し、3ゴールを記録しているFW「サディオ・マネ」は代表戦でハムストリングを負傷。
最大6週間の離脱が予想されています。
また、中盤でスタメンを務めていたMF「ジョルジニオ・ワイナルドゥム」はトレーニング中に膝に打撲を負い、ベンチ外。
怪我人が続出しているリヴァプールですが、FW「ロベルト・フィルミーノ」FW「モハメド・サラー」MF「フィリペ・コウチーニョ」といった前線の3枚は非常に強力です。
トッテナムの前線との激しい点の取り合いになることが予想されます。
主力の離脱が多い中、リヴァプールはアウェイの地で大きな勝ち点3を手にすることができるのでしょうか?
「トッテナムvsリヴァプール」 ハイライト動画
前半 : リヴァプールは前半早々に自滅
高い集中力で試合に入ったトッテナムに対し、リヴァプールは緩慢な気持ちで試合に入ってしまいました。
スコアが動いたのは試合開始後わずか4分。
トッテナムDF「キーラン・トリッピアー」の浮き球パスで、FWハリー・ケインがリヴァプール守備陣の裏を取ります。
これをオフサイドとセルフジャッジをして、足を止めてしまったのがリヴァプールDF「デヤン・ロヴレン」です。
しかし、オフサイドフラッグは上がらず、中に切り込んだハリー・ケインがキーパーのミニョレをかわして無人のゴールにボールを流し込みます。
トッテナムがホームで先制し、幸先の良いスタートを切りました。
さらに12分、リヴァプールはまたしてもDFロヴレンのミスから失点してしまいます。
リヴァプールの右サイドからのクロスをキャッチしたトッテナムGKロリスは、ハーフウェイライン付近にいたFWハリー・ケインに向かってロングスロー。
これをカットしようとしたリヴァプールDFロヴレンでしたが、目測を誤ったのかヘディングを空振り。
ボールがハリー・ケインに渡り、ケインはそのまま右サイドを独走。
逆サイドにトップスピードで入ってきたFWソン・フンミンに正確なグラウンダーのクロスを入れます。
スピードでリヴァプールDFアルベルト・モレノを振り切ったソン・フンミンが左足で冷静に合わせてトッテナムが2-0とします。
リヴァプールは快速FWの一発で点差を縮めるも・・・
守備の要であるロヴレンのありえないミスでの2失点で、リヴァプールのクロップ監督は苦笑いの表情。
押し込まれる展開だったリヴァプールですが、カウンターから1点を返すことに成功します。
24分、フィールド中央でハリー・ケインから3人がかりでボールを奪ったリヴァプール。
リヴァプールMF「ジョーダン・ヘンダーソン」がすかさず前線のサラーに長いボールを送ります。
普通なら追いつかないであろう厳しいスピードのボールにサラーは快速で追いつき、さらにスピードでトッテナム守備陣2人を振り切ってしまいます。
右足のインサイドで打ったシュートはゴールポストの内側に跳ね返り、そのままゴールイン。
リヴァプールらしい素早い展開から点差を1点へと縮めます。
点差を縮められたトッテナムですが、その後も執拗に今日の”リヴァプールの穴”とも言えるDFロヴレンの裏を狙っています。
29分にもロヴレンはソン・フンミンに裏を取られ、キーパーと1対1の状況を作り出してしまいます。
このピンチはなんとかキーパーのミニョレが防いだものの、クロップ監督は穴であるロヴレンを前半31分の段階で交代させます。
リヴァプールは前半終了間際に痛恨の失点
トッテナムの1点リードで迎えた47分。
アディショナルタイムでリヴァプールは痛恨の失点を許してしまいます。
トッテナムMFエリクセンが蹴ったフリーキックは、リヴァプールDFマティプがクリアするも中途半端に。
事前にポジション修正をしてこぼれ球を狙っていたのはトッテナムMF「デレ・アリ」です。
ボレーで合わせたシュートはジャストミートしませんでしたが、ゴール右隅に突き刺さり、トッテナムが前半のうちに3点を奪います。
前半はトッテナムの速攻が冴え渡る
結局、前半は3-1でトッテナムのリードで終了。
前半終了時のスタッツでは、リヴァプールのボール保持率が63%と圧倒的に上回っていますが、シュート本数が多いのはトッテナムの方です。
リヴァプールとしては堅守からの速攻が持ち味なので、早い段階に失点してしまったことで厳しいゲーム展開になってしまいましたね。
後半 : リヴァプールは守備陣の補強が急務か
後半もリヴァプールがボールを保持し、トッテナムが速攻での得点を狙うという展開は変わらず。
リヴァプールとしてはなんとか早めに追いつきたいですが、追加点を奪ったのはまたしてもトッテナムでした。
追加点は再びフリーキックから
55分、トッテナムは右サイドでフリーキックを得ると、キッカーは再びMFエリクセン。
エリクセンが上げたクロスボールはリヴァプールのGKミニョレがパンチングで弾き出すも、中途半端になってしまいます。
クリアミスを拾ったトッテナムDFフェルトンゲンのシュートは、リヴァプールFWフィルミーノがなんとか体を張ってブロック。
しかし、更にこぼれ球をトッテナムFWケインに押し込まれ、リヴァプールは万事休す。
堅守のチームとは言えない4失点でゲームを決定づけられてしまいます。
リヴァプールが攻め立てるも、キーパーのビッグセーブに阻まれる
このままでは終われないリヴァプールは、67分、72分、78分、と立て続けにチャンスを得ますが、ここはプレミア屈指のゴールキーパー「ウーゴ・ロリス」がビッグセーブで追加点を許しません。
試合は4-1でホームのトッテナムがリードしたまま終了。
トッテナムがついにリヴァプール相手に勝利を手にし、2位のマンチェスター・ユナイテッドと勝ち点で並びました。
試合後感想
試合結果
トッテナム 【4-1】 リヴァプール
試合開始直後の2失点で意気消沈し、結果的には4失点もしてしまったリヴァプール。
この点差は間違いなくチームの完成度の差です。
特に守備面は顕著で、リヴァプールはセットプレーからの失点が多く、ディフェンスが強化ポイントであることは昨シーズンの内に分かっていたことでしょう。
しかし、リヴァプールが補強したのは前線ばかり。今夏の補強方針が悪かったと言われても仕方がない結果です。
また、攻撃面でもFWサラーとFWマネの快速コンビを活かしたサイド攻撃一辺倒で、他の攻撃がアイデアが無いのも問題の1つ。
今日のトッテナム戦でもサラーの対策はしっかりとされており、ゴールシーン以外ではあまり活躍することはできませんでした。
一方、トッテナムはプレミア屈指のセンターバックコンビのDF「ヤン・フェルトンゲン」とDF「トビー・アルデルヴァイレルト」を擁していますが、それに加えてDF「ダヴィンソン・サンチェス」DF「セルジュ・オーリエ」を獲得するなど守備の強化にも力を入れています。
また、ハリー・ケインのバックアップとして昨季プレミア15ゴールのFW「フェルナンド・ジョレンテ」を獲得するなど、ファンも納得の補強。
昨季プレミア最多得点の攻撃陣の好調はそのままに、チーム全体の完成度を高めたのはさすがです。
今回の試合は4-1でトッテナムの勝利。
この結果を受けて、トッテナムは今季も優勝争い、リヴァプールは4位以内でのフィニッシュとチャンピオンズリーグでの躍進を目指して戦うことになりそうです。
個人的マン・オブ・ザ・マッチは「ハリー・ケイン」
今回の試合では、2得点1アシストを挙げたFW「ハリー・ケイン」を個人的なマン・オブ・ザ・マッチに選出します。
2年連続でプレミアリーグの得点王に輝いているハリー・ケインは、ここまで9試合で8ゴールをマークしており、プレミアリーグの得点ランキングで首位に位置しています。
このままいけば今季もプレミアリーグの得点王を狙えるでしょう。
今回の試合ではゴールだけではなく、前線でのキープ力が素晴らしかったです。
失点に直結するボールロストをしてしまいましたが、それもリヴァプールのディフェンス3人がかりでしたし、その前では圧倒的な体幹でボールを保持しています。
ケインは前線でボールを収めて他の選手を活かすこともできますし、独力で無理な体制からでも強引にゴールを決めることもできます。
ディフェンスにとっては非常に対処しづらいプレイヤーで、厄介な存在だと改めて感じました。
この試合ではリヴァプールDFロヴレンが見事にやられてしまいましたね。
ケインは今後もトッテナムの中心選手として活躍してくれることでしょう。
まとめ
リヴァプールとしては、上位争いに食い込むためにも決して負けられない試合でした。
4失点での敗戦は、結果以上にダメージが大きいでしょう。
堅守速攻を売りにしているチームなので、早い段階での失点はゲームプランを大きく崩してしまいましたね。
それにしても、DFロヴレンはどうしたのでしょうか。「コンディションが悪かった」という言い訳すら通用しない、ひどいパフォーマンスでした。
この敗戦を受けて、クロップ監督、そして選手たちはどのようなリアクションを取るのでしょうか。
今週はミッドウィークの試合が無いので、しっかりとリフレッシュして、次節のハダースフィールド戦での立て直しを期待しましょう。
余談ですが、この試合では「マラドーナ」が観戦に来ていました。
どうやらマラドーナは同郷アルゼンチン出身であるトッテナムの指揮官ポチェッティーノ監督のファンだそうです。
ポチェッティーノ監督はアルゼンチンのレジェンドの前で勝利を挙げることができてホッとしていることでしょう。
トッテナムは次節、勝ち点で並んでいる2位のマンチェスター・ユナイテッドとの大一番。
優勝を狙うのであれば必ず勝利したいゲームです。トッテナムの今後の活躍に期待しましょう!