プレミアリーグ

プレミア20チーム中17チームが採用した3バックは今季のトレンドに?

2016-17シーズンにプレミアリーグを制したチェルシーが導入した3バックのフォーメーションは、プレミアにおいてスタンダードな4-2-3-1や4-4-2に比べて、前線選手の守備負担を軽減でき、役割をより明確に出来るという点からプレミアリーグの新たな戦術トレンドとなりました。

4バックが主流だったプレミアリーグに持ち込まれた3バックは、今後プレミアにおいて戦術のメインストリームとなり得るのでしょうか。

今回の記事では、2016-17シーズンのプレミアリーグでどれだけ3バックが利用されていたか振り返り、今季もそのトレンドは続くのかを考察していきたいと思います。

2015-16シーズンに比べて3バックの使用数は78回も増加

2016-17シーズンに3バックがどれだけ流行していたか数字を見ていきましょう。

まずは、リーグ全体で3バックが用いられた回数を2015-16シーズンと比較してみます。

・ 2015-16シーズン・・・34回
・ 2016-17シーズン・・・112回

2016-17シーズンは1シーズン前に比べて78回も増加しています。

なお、この回数カウントにはサイドバックが上下し、3バック~5バックとなる可変式のシステムも含んでいます。

次に、2016-17シーズンに3バックを採用したチームがどれくらいあるのかを見てみましょう。

使用チーム数は全20チーム中17チームと、3バックを採用しなかったのは「サウサンプトン」「ウェスト・ブロムウィッチ」「バーンリー」のみです。

上記の数字を見るだけでも、2016-17シーズンに3バックがどれだけ流行したかわかりますね。

3バックを最も使用していたクラブはやはりチェルシー


3バックの使用回数をクラブ別に見てみると、3バックを最多の26試合で利用していたのは王者チェルシー。

リヴァプールとアーセナルに連敗したコンテ監督は、アーセナル戦の後半に3バックを試し、7節以降は3-4-3のフォーメーションを採用。

13連勝を達成し、その勢いのままプレミアリーグを制しました。

それでは、プレミアリーグで2番目に3バックを多く使用したクラブはどこなのでしょうか?

そのクラブは、2016-17シーズンを降格ギリギリの17位でシーズンを終えたワトフォードです。17試合で3バックを使用していました。

2016-17シーズンにワトフォードを率いていた「ワルテル・マッツァーリ」監督は、かつてセリエAで指揮を執っていたときから3バックを好んで使用している監督です。

3バックをメインに戦っていたと言えるのは上記の2クラブですね。

他のクラブは、あくまでプランBやオプションとしての導入がメインで、4バックと3バックの併用が主でした。

コンテ式3バックの魅力はバランスの良さ

多くのクラブが模倣した、チェルシーを率いる「アントニオ・コンテ」監督の3バックには一体どのような良さがあるのでしょうか?

センターバックを中央に3枚並べ、サイドバックがいない3バックでは、ウィングバックの裏のスペースが弱点と言われています。

※ ウィングバック・・・攻撃的なウィングと守備的なバックを兼ねるポジション。

コンテ監督は、守備重視の際は5バックになる5-4-1、攻撃に出る時は3-4-3と、サイドの選手の高さを変えることで3バックの弱点を克服。

コンテ監督の3バックは選手配置のバランスが良いため、スペースを作らせず、非常に強固な守備を誇ります。

しかし、ウィングバックの上下動が激しいので、運動量の多いウィングバックの存在と、統率力があるセンターバックがこのシステムには必要不可欠です。

その点、チェルシーのウィングバックを務めた「マルコス・アロンソ」と「ビクター・モーゼス」、そしてディフェンスラインを統率した「ダビド・ルイス」は役割を完璧にこなしたといえるでしょう。

ウィングバックの両選手が攻守に渡って貢献することで、「エデン・アザール」や「ペドロ」の守備負担が軽減され、より攻撃に専念できるようになりました。

5-4-1と3-4-3の可変式システムと言ってしまえば簡単ですが、適材適所に選手がいないと成り立たないのがこのシステムです。

『攻守のバランスが非常に良い』というのがコンテ監督の3バックの良さですね。

結論 : 3バックは2017-18シーズンも流行するか?

結論から言うと、僕は今年も3バックが主流になるのではないかと考えています。

理由は大きく2つあり、1つ目の理由は単純に「3バックの方が勝率が高い」からです。

昨シーズンのシステム別の勝率を見てみると、4バックの勝率が36.7%なのに対し、3バックは47.6%と3バックの方が10%も勝率が高いです。

3バックの勝率が高い理由は、首位のチェルシーに加え、2位トッテナムも10試合で3バックを採用していたからですね。

強いチームの戦術を分析し、エッセンスを取り入れる監督は非常に多いですし、今季もその流れは継続するでしょう。

2つ目の理由は「王者チェルシーに対抗するための手段として、3バックは非常に有効」だと思うからです。

実際、2017年1月のチェルシーvsトッテナムの一戦で、トッテナムはチェルシーとまったく同じ布陣で戦う「ミラーリング戦術」で2-0の勝利を手にしています。

ウィングバックの後ろを中盤の選手がカバーする際にできるスペースを上手く突いた攻撃。

そして後方から前線にボールを繋がせない徹底した守備で、トッテナムは完璧にチェルシーを抑え込みました。

これまで圧倒的な強さを見せていたチェルシーに対して、3バックのシステムは有効な対抗策ではないかと考えさせられる一戦でしたね。

この結果を見て、3バックの相手には3バックをぶつけるミラーリング戦術を採用する監督も多いのではないでしょうか。

以上の理由から、僕は3バックに挑戦するチームは今季も多く、トレンドは継続すると考えています。

しかし、3バックを採用するにはリスクについても考えなければなりません。

3バックの懸念事項

2016-17シーズン、同じく3バックで戦っていたワトフォードは、中盤の要を怪我で失ってからは攻守のバランスが崩壊。

そのまま17位でフィニッシュと、失敗のシーズンを送りました。

安易に3バックを採用すると、このワトフォードと同様の失敗をしてしまうチームが今年も出てくると思います。

前述したように、このシステムは適材適所に優れた選手がいないと成り立ちません。

さらに、運動量が求められるウィングバックがシーズンを通してフル稼働するのは厳しいのではないでしょうか。

「選手の戦術理解 + 故障離脱を抑えられるか」という要素が3バックの成功には不可欠です。

そういったリスクを踏まえて、各チームがどのようなチームづくりをしていくのか楽しみですね。

コンテ監督の3バックに対して、対策が練られると考えられる今シーズン。コンテ監督は一体どのようにしてシーズンを乗り切るのでしょうか。

今季の戦術トレンドにも注目したいですね。

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