UEFAチャンピオンズリーグ2017-18の第1節が行われ、5チームが出場したプレミアリーグ勢は4勝1分と好スタートを切りました。
今回の記事では、プレミア勢のチャンピオンズリーグ初戦を振り返りながら、今後の展望について考えてみたいと思います。
目次
グループA『マンチェスター・ユナイテッド』
第1節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
マンチェスター・ユナイテッド | 3 | +3 |
CSKAモスクワ | 3 | +1 |
ベンフィカ | 0 | -1 |
バーゼル | 0 | -3 |
チャンピオンズリーグのグループAを戦うマンチェスター・ユナイテッドは、初戦でスイスのバーゼルに3-0で完勝。
格下相手のホームゲームということで比較的楽な試合ですが、モウリーニョ監督はFW「ロメル・ルカク」をはじめとしたベストメンバーでチャンピオンズリーグに臨みました。
いくら格下相手とはいえ初戦はなにが起こるか分かりませんし、勝てる試合を落とすと一気にグループリーグ敗退になる可能性もあるので、この判断は賢明です。
チャンピオンズリーグの出場を熱望していたルカクは52分、2人のディフェンスに競り勝ってのヘディングシュートを決め、欧州の舞台で初ゴールをマークしました。
すでに4ゴールを記録しているプレミアだけでなくチャンピオンズリーグでも良いスタートを切ることができましたね。
また、ヨーロッパリーグ、プレミアリーグでデビュー戦ゴールを決めている”デビュー戦男”「マーカス・ラッシュフォード」は77分に交代でチャンピオンズリーグ初出場。
するとわずか7分後にゴールを奪い、チャンピオンズリーグでもデビュー戦ゴールを記録しました。
プレッシャーがかかる場面で活躍するラッシュフォードは、やはり何か持っていそうですね。
残念だったのは中盤の要であるMF「ポール・ポグバ」がハムストリングを負傷したことでしょう。
ポグバがどの程度で戻ってこれるか心配ですが、抜けた穴をMF「マルアン・フェライニ」が十分にカバーしていました。
終始相手を圧倒したマンチェスター・ユナイテッド。プレミアリーグの首位を走るチームらしいナイスゲームでした。
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グループC『チェルシー』
第1節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
チェルシー | 3 | +6 |
アトレティコ・マドリード | 1 | 0 |
ローマ | 1 | 0 |
カラバフ | 0 | -6 |
チャンピオンズリーグのグループCを戦うチェルシーは、初戦でアゼルバイジャンのカラバフをホームに迎え、6-0と圧勝。
カラバフはアゼルバイジャンのクラブとして、初めてチャンピオンズリーグの舞台に立ちました。
チェルシーを率いるコンテ監督は、FW「アルバロ・モラタ」の控えに甘んじているFW「ミシー・バチュアイ」をはじめとしたサブの選手や若手を中心とした布陣を選択しました。
すると、普段は起用されていない選手たちがコンテ監督の期待に応え大活躍します。
右ウィングバックを務めたMF「ダヴィデ・ザッパコスタ」はドリブルから意表を突くシュートで、チャンピオンズリーグ初ゴールを記録。
また、バチュアイが強烈なシュートでチームの5得点目を奪い、それぞれがアピールすることに成功。
勝って当然の相手ですが、得失点差+6は厳しいグループを勝ち抜くための大きな武器となるでしょう。
また、コンテ監督は改めて選手層の厚さを確認できたのではないでしょうか。
控え選手の活躍もあり、勝利以上に収穫が多い試合となりましたね。
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グループE『リヴァプール』
第1節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
セビージャ | 1 | 0 |
リヴァプール | 1 | 0 |
スパルタク・モスクワ | 1 | 0 |
マリボル | 1 | 0 |
チャンピオンズリーグのグループEを戦うリヴァプールは、スペインの強豪セビージャをホームに迎えますが、2-2の引き分けという結果に。
直前のプレミアリーグ第4節でマンチェスター・シティに5-0と惨敗していただけに、気持ちを切り替えたかったのですが、この試合も後味の悪い結果に終わってしまいます。
現状のベストメンバーでセビージャに挑むリヴァプールでしたが、開始5分にDF「デヤン・ロヴレン」の空振りから失点、幸先の悪いスタートとなりました。
その後、落ち着きを取り戻したリヴァプールはゲームを支配し、FW「ロベルト・フィルミーノ」「モハメド・サラー」がそれぞれゴールを挙げ、前半のうちに逆転に成功。
展開は完全にリヴァプールの勝ち試合でしたが、セビージャも意地を見せます。
73分、交代で出場したばかりのFW「ルイス・ムリエル」がスローインからボールを受け、中央のMF「ホアキン・コレア」にパス。
コレアは絶妙なトラップから右隅にボールを流し込みます。このゴールでセビージャが同点に追いつき、このまま試合は終了。
リヴァプールとしては、勝てる試合でしっかりと勝ち点3を獲得し、悪い流れを断ち切りたかったですね。
バルセロナへの移籍が破談になったリヴァプールの10番「フィリペ・コウチーニョ」は今季初出場するも、良い所なしで終わってしまいました。
グループ全体でみると、全チームが勝ち点で横並びの状態です。次節までになんとか復調して、次のゲームは確実に勝ちたいですね。
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グループF『マンチェスター・シティ』
第1節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
マンチェスター・シティ | 3 | +4 |
シャフタール・ドネツク | 3 | +1 |
ナポリ | 0 | -1 |
フェイエノールト | 0 | -4 |
チャンピオンズリーグのグループFを戦うマンチェスター・シティは、オランダのフェイエノールトと対戦。
敵地での戦いとなりましたが、プレミアでも好調なマンチェスター・シティは4-0と大量得点で完勝しました。
オランダリーグの王者を相手にするマンチェスター・シティはほぼベストメンバーで試合に臨みます。
試合開始から強さを見せつけるシティは、開始2分、コーナーキックからCB「ジョン・ストーンズ」がヘディングシュートを決めて早速先制。
さらに前半10分には右サイドバックの「カイル・ウォーカー」のクロスにFW「セルヒオ・アグエロ」が完璧なボレーを決めて追加点。
マンチェスター・シティは前半のうちに3点を決めて、試合を決定づけます。
対するフェイエノールトは、ホームで試合を支配されている苛立ちからかラフプレーが目立ち、あわや退場という場面も多々見受けられました。
後半には再びCBストーンズがヘディングで2点目をあげ、4-0の勝利に貢献。
終始マンチェスター・シティの攻勢が続いたこのゲームは、「今季のマンチェスター・シティは上位進出できるかもしれない」と期待を抱ける内容でした。
チームの完成度でいえば現時点でプレミアNo.1といえるでしょう。
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グループH『トッテナム』
第1節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
レアル・マドリード | 3 | +3 |
トッテナム | 3 | +2 |
ドルトムント | 0 | -2 |
アポエル | 0 | -3 |
混戦が予想されるチャンピオンズリーグのグループHを戦うトッテナムは、ホームでドルトムントと対戦し3-1で勝利。
トッテナムは欧州の舞台ではまるで別のチームのように弱くなってしまうと言われていましたが、この試合ではまさに昨年プレミア2位のチームといえる強さを見せつけました。
先制点を奪ったのは、昨季14ゴールのトッテナムFW「ソン・フンミン」です。
左サイドをドリブルで駆け上がり、ディフェンスを1人かわして豪快なシュートで得点。
韓国代表で不振を極めるソン・フンミンは、トッテナムではまるで別人のように輝いています。
ドルトムントもすかさず反撃、香川真司がポストプレーで落としたボールを、MF「アンドリー・ヤルモレンコ」がゴール左隅に決めて同点に追いつきます。
しかし、試合を決定づけたのはやはりこの男。プレミア2年連続得点王のトッテナムFW「ハリー・ケイン」です。
15分、ドリブルを開始したケインは圧倒的なフィジカルでドルトムントのディフェンス2人を弾き飛ばし、そのままゴールまで持っていき、角度の無い位置からゴール。
ケインは後半にも追加点をマークし、3季連続プレミア20ゴールの得点力を見せつけます。
カウンターが冴え渡ったトッテナムは2点差での勝利を手にし、決勝トーナメント進出に向けて大きなアドバンテージを得ましたね。
次節は格下のアポエル戦です。ここで勝ち点を取りこぼさずにしっかりと勝っていきたいところです。
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まとめ : 今後の展望
チャンピオンズリーグでは4勝1分と好発進したプレミアリーグ勢ですが、ホームゲームが多かったことと、格下相手の試合が多かったことを加味しなければなりません。
マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーの勝利は確実視されていましたので、ここの勝利は順当な結果でしょう。
開幕4連勝とオランダリーグで好調なフェイエノールトを圧倒的な強さで下したマンチェスター・シティ、そしてドルトムントとの接戦を制したトッテナムは本来の力を発揮できましたね。
一方で、次節からがプレミア勢にとって本当の勝負といえるでしょう。
チェルシーは次節、前大会ベスト4のアトレティコ・マドリードを相手にしなければなりませんし、リヴァプールもセビージャ戦を引き分けたため、これ以上勝ち点を取りこぼすわけにはいきません。
トッテナムは次節こそ格下アポエルとの試合ですが、その後はレアル・マドリードとの試合が待ち構えています。
そう考えると、マンチェスターの両チームは比較的楽なグループで安心して観れますね。
近年のプレミア勢は、欧州の中堅クラブ相手に勝ち点を落とすことが多いので、それが無ければ全クラブがグループステージを突破することも十分に考えられます。
僕は全クラブが揃って決勝トーナメントに残って欲しいと思う一方で、リーグ戦と両立できるか心配です。
主力選手の怪我にだけは気をつけてほしいですよね。
プレミアリーグのクラブは第2節で、どんな戦いをしてくれるのでしょうか。引き続き応援していきましょう!