2017-18プレミアリーグ第37節「チェルシーvsリヴァプール」解説

5月7日に行われたプレミアリーグ第37節「チェルシーvsリヴァプール」をDAZNで観戦。

会場はチェルシーの本拠地「スタンフォード・ブリッジ」です。

今回はCL出場権を争う5位チェルシーと3位リヴァプールの直接対決となりました。

先日、CLで決勝進出を決めたリヴァプールは、この試合で勝てば来季のCL出場権を獲得します。

一方チェルシーが勝てば、白熱のプレミアリーグ4位争いは次節の最終節までもつれこみます。

リヴァプールとしては、このゲームで確実に勝利して4位以内を確定させたいでしょう。

両チームのスタメン・フォーメーション

チェルシー【3-5-1-1】

コンテ監督は3人でリーグ戦56得点の強力なリヴァプールの3トップを封じるべく、3-5-1-1のフォーメーションを採用。

ゴールを守るのははもちろん「ティボ・クルトゥワ」、最終ラインは「アントニオ・リュディガー」「ガリー・ケーヒル」「セサル・アスピリクエタ」の3枚。

ウィングバックには「マルコス・アロンソ」「ビクター・モーゼス」を、中央には「ティエムエ・バカヨコ」「エンゴロ・カンテ」と「セスク・ファブレガス」の3人が並びます。

その一列前には「エデン・アザール」1トップにはチェルシー加入後好調のFW「オリヴィエ・ジルー」です。

チェルシーは堅守でリヴァプールのアタッカー陣を抑え、CL出場権獲得に望みをつなぎたいところでしょう。

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リヴァプール【4-3-3】

リヴァプールのクロップ監督はいつも通り4-3-3のフォーメーションを採用。

左からDF「アンドリュー・ロバートソン」DF「ファン・ダイク」DF「デヤン・ロヴレン」DF「ナサニエル・クライン」が配されます。

「アダム・ララーナ」「エムレ・ジャン」に加え、ローマ戦で「アレックス・オックスレイド=チェンバレン」までもが負傷し、層が薄くなっている中盤には、「ジェームズ・ミルナー」「ジョルジニオ・ワイナルドゥム」本職がサイドバックの「トレント・アレクサンダー=アーノルド」が配されます。

前線はおなじみのメンバー、左からFW「サディオ・マネ」FW「ロベルト・フィルミーノ」、FW「モハメド・サラー」の強力3トップです。

CLから中3日で迎えたビッグマッチ、選手たちの疲労度がどのように影響するでしょうか。

「チェルシーvsリヴァプール」 ハイライト動画

前半 : 好調ジルーが先制点をマーク!

試合開始直後はリヴァプールがボールを保持し、チェルシーのゴールを狙っていきます。

3分には縦パス一本でリヴァプールFWフィルミーノが飛び出し、シュートまで持ち込みますが、GKクルトゥワがブロック。

チェルシーは、欧州屈指の攻撃力を誇るリヴァプールを侮ってはいけません。

13分にはようやくチェルシーが決定機を迎えますが、シュートは軽々とブロック。

ここからリヴァプールは一気にカウンターを仕掛けますが最後はDFロバートソンがクロスをミスキック。

チェルシーとしては相手のミスに救われた形になり、ホームのスタンフォード・ブリッジは雰囲気が沈んでいます。

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30分にはリヴァプールが再びチャンス。

DFロバートソンが1人かわして持ち上がり、FWマネにパス。マネはそのままミドルシュートを放ちますが、ここもGKクルトゥワがボールを弾きます。

しかし、FWフィルミーノがこぼれ球を拾い、再び中央のマネに戻します。

マネは再びシュートを放ちますが、今度はGKの正面、クルトゥワがしっかりとボールをキャッチします。

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リヴァプールはここまでで先制点を奪えなかったのが痛かったでしょう。

32分、チェルシーがサイドを崩して、DFモーゼスが切り返しのフェイントから中央にクロスを入れます。

クロスボールはディフェンスに当たってコースが変わりますが、そのボールを巧みなヘディングで叩き込んだのがチェルシーFWジルー!

昨季プレミア王者のチェルシーが、先制点を奪います。

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前半はこのまま1-0で終了。

リーグ得点王のサラーは前を向いてボールを受けるシーンが少なく、ここまで完璧に抑え込まれています。

中央はチェルシーMFカンテが縦パスを許さず、リヴァプールはサイドに逃げるような攻撃しかできていません。

リヴァプールにボールを持たせてしっかりとブロックを作る作戦はコンテ監督の狙い通りでしょう。

リヴァプールのクロップ監督はこの状況をどのように打破するのでしょうか。

後半 : 完璧なコンテ戦術!昨季プレミア王者の意地を見せる

後半は開始直後からチェルシーがチャンスを作りますが、フィニッシュの精度を欠いてリードを広げることができません。

55分、チェルシーFWアザールが左サイドでディフェンス3人をかわす圧巻のドリブル、シュートはGKカリウスがストップするものの、アザールの個人技はどのチームにとっても脅威であることを改めて証明しました。

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この状況をマズいと見たリヴァプールのクロップ監督は、DFクラインに代えてMFヘンダーソンを投入。

キャプテンのヘンダーソンに中盤の舵取りを任せ、安定化を図ります。

しかし、その後もリヴァプールは効果的な縦パスを通せずに、FWサラーも前を向いて得意の攻撃を仕掛けることができません。

クロップ監督、コンテ監督ともにタッチラインギリギリまで身を乗り出し、選手たちに指示を出しているのが目立ちます。

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その後、クロップ監督はFWドミニク・ソランケ、DFアルベルト・モレノを投入しますが、最後まで思うような攻撃ができず。

コンテ監督はモーゼスをDFザッパコスタに、アザールをMFウィリアンに代え、逃げ切りを図ります。

FWソランケは古巣のチェルシー相手にゴールを奪えるか注目されていましたが、シュートが枠内に飛びません。

最後はマネのクロスボールに反応したソランケがヘディングを放つも、大きく枠外へ。

直後に試合終了の笛、コンテ監督の完璧な戦術で最後までチェルシーが1点を守りきり、貴重な勝ち点3を手にしました。

試合後感想

試合結果
チェルシー【1-0】リヴァプール

「さすが、コンテ監督」今日の試合の感想はこの一言で十分でしょう。

CL出場を決めて勢いに乗るリヴァプール、ましてや3人でプレミアリーグ56得点を挙げている3トップを無失点に押さえるのは並大抵のことではありません。

チェルシーは自陣に引いて強固なブロックを作りスペースをつぶし、中央にボールが入ると、カンテが速攻で奪いに行く。

3トップの3人には前を向かせずに、リヴァプールの攻撃をシャットアウトすることに成功しました。

リヴァプールFWサラーはさすがに疲労が溜まっているようでミスが目立ちましたし、リヴァプールは3トップが強力なゆえに代わりとなる選手がいないのが問題だと浮き彫りになりました。(チェンバレンが負傷しているのも痛手だった・・・)

この試合で勝ち、来季のCL出場権を確保したうえで、レアル・マドリードとのCL決勝に臨みたかったリヴァプール。

今日の結果を受けて、最終節のブライトン戦にも注力しなければなりません。

サラーをはじめ、選手たちのコンディションを維持できるのかが、CL出場権獲得と欧州制覇のカギになることは間違いないでしょう。

個人的マン・オブ・ザ・マッチは「ビクター・モーゼス」

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今回はチェルシーDF「ビクター・モーゼス」を個人的なマン・オブ・ザ・マッチに選出します。

この試合では決勝点となったジルーの得点をアシストする活躍を見せました。

2012-13シーズンにチェルシーに加入したモーゼスですが、定位置を掴むことができず、3シーズンに渡ってレンタル移籍を繰り返します。

昨シーズンは放出候補でしたが、コンテ監督が就任してから状況は一転。

シーズン途中からウィングバックとして定着し、豊富な運動量を活かして攻守に躍動、プレミア制覇の原動力となりました。

この試合でも果敢なオーバーラップで試合を通じて脅威となっており、右サイドから効果的なクロスを何度も上げてチャンスを演出。

コンテ監督の信頼をガッチリ掴んだモーゼスは今後もチェルシーの主軸として活躍するでしょう。

まとめ

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今節の結果を受けて、CL出場権争いはさらに混戦となりました。

5位のチェルシー、4位のトッテナムは消化試合数が少なく、残り2試合あるため最高で勝ち点を6ポイント伸ばしてくるでしょう。

そのため、リヴァプールは次節のブライトン戦で勝利しなければ、4位以内確保は難しいと考えられます。

プレミア、CLともに大詰めですがコンディションを維持して、W杯の前に怪我をせずにプレーしていただきたいですね。

両クラブの今後の活躍に期待しましょう。