3月10日に行われたプレミアリーグ第30節「マンチェスター・ユナイテッド vs リヴァプール」をDAZNで観戦。
会場はマンチェスター・ユナイテッドの本拠地「オールド・トラフォード」です。
今回は2位マンチェスター・ユナイテッドと3位リヴァプールの直接対決となりました。
ノースウェストに本拠地を置く両クラブの対戦は「ノースウェスト・ダービー」としてイングランドのナショナルダービーとされています。
両者のポイント差は2ポイントのため、リヴァプールが勝てば順位が入れ替わります。
勝てばCL出場圏のキープが楽になる試合ですので、両クラブともに勝ちに来るのは間違いないでしょう。
目次
両チームのスタメン・フォーメーション
マンチェスター・ユナイテッド【4-2-3-1】
試合前のトレーニング中に主力の「ポール・ポグバ」が負傷、これはユナイテッドにとって大きな痛手です。
モウリーニョ監督は4-2-3-1のフォーメーションを採用。
最後方にはもちろん守護神のGK「ダビド・デ・ヘア」
最終ラインは左から「アシュリー・ヤング」「クリス・スモーリング」「エリック・バイリー」「アントニオ・バレンシア」が配されます。
モウリーニョ監督はポグバが抜けたポジションに21歳の若手「スコット・マクトミネイ」を起用、「ネマニャ・マティッチ」と中盤でコンビを組みます。
前線は左ウィングに「マーカス・ラッシュフォード」トップ下には新加入の「アレクシス・サンチェス」右には「フアン・マタ」ワントップには「ロメル・ルカク」と攻撃的な布陣です。
リヴァプール【4-3-3】
対するクロップ監督は4-3-3のフォーメーションを採用。
左からDF「アンドリュー・ロバートソン」DF「ファン・ダイク」DF「デヤン・ロヴレン」DF「トレント・アレクサンダー=アーノルド」が配されます。
キャプテンの「ジョーダン・ヘンダーソン」をベンチに置いた中盤は、「エムレ・ジャン」と「ジェームズ・ミルナー」「アレックス・オックスレイド=チェンバレン」の3人です。
前線はおなじみのメンバー、左からFW「サディオ・マネ」FW「ロベルト・フィルミーノ」、FW「モハメド・サラー」の攻撃陣。
ほとんどいつもと同様のメンバーで挑むリヴァプールは、敵地でどのような戦い方をするのでしょうか?
前半 : 若手のゴールでユナイテッドが先制!
ノースウェスト・ダービー、そして上位の直接対決ということもあってか、両クラブともに慎重な立ち上がりを見せました。
スコアが動いたのは14分。
マンチェスター・ユナイテッドはGKデ・ヘアのロングキックからFWルカクがヘディングに競り勝って後ろに逸らすと、左ウィングのFWラッシュフォードにボールが繋がります。
リヴァプールDFアーノルドが対峙しますが、ラッシュフォードが鋭い切り返しでかわすと、そのまま右足を一閃。
完璧なシュートがサイドネットを揺らし、マンチェスター・ユナイテッドが先制しました。
1点を追う形となったリヴァプールは、22分にMFチェンバレンが縦に出したスルーパスにFWフィルミーノが反応するも、ここはマンチェスター・ユナイテッドDFバレンシアがフィジカルを活かしてコーナーに逃れます。
その直後のコーナーキックからDFファン・ダイクがヘディングシュートを狙うも、このシュートはわずかにポストの左へ逸れていきました。
リヴァプールの武器である両ウィング(サラーとマネ)はここまで完璧に抑え込まれています。
再びスコアが動いたのは直後の23分。
再び後方のロングボールからFWルカクがヘディングで競り勝ち、前線に走り込んできたMFマタにスルーパスを通すも、一度はGKカリウスに弾かれてしまいます。
しかし、こぼれた位置にいたのはFWラッシュフォード。
1点目と同様の角度から再びゴールを決め、この日2得点目をマークします。
前半は2-0でホームのマンチェスター・ユナイテッドがリードのまま終了。
リヴァプール自慢の攻撃力は中盤のマティッチやマクトミネイの的確なチェックで封じ込められています。
マンチェスター・ユナイテッドは今季のリーグ戦で先制した試合は全勝のクラブ。後半はより守備的になるでしょう。
リヴァプールのクロップ監督はこの状況をどのように打破するのでしょうか。
後半 : リヴァプールが後半に巻き返すも・・・
後半はマンチェスター・ユナイテッドFWサンチェスの運動量の低下もあり、リヴァプールの中盤に自由を許し始めました。
2-0とはいえ、自陣に引きすぎるとリヴァプールの攻撃力なら逆転も十分に考えられます。
先にカードを切ったのはリヴァプールのクロップ監督。
MFチェンバレンに代えて、MFアダム・ララーナを投入し中盤にアクセントをもたらします。
ここまでしっかりと守っていたマンチェスター・ユナイテッドでしたが、ミスから失点をしてしまいます。
65分、左サイドをリヴァプールFWマネが突破し、中央に早いクロスボールを入れます。
そのボールをクリアしようとしたDFバイリーでしたが、体制が流れてしまったせいでミスキック。
このボールがGKデ・ヘアの手をかすめてゴールへ転がります。
オウンゴールという形ですが、リヴァプールが1点差に詰め寄りました。
1点差に詰め寄られたマンチェスター・ユナイテッド。
モウリーニョ監督はスペースが生まれ始めた中盤を引き締めるためにフィジカルが強いMFマルアン・フェライニを投入。
この試合で2ゴールをマークしたFWラッシュフォードは大歓声の中ベンチに退きます。
モウリーニョ監督は同時にフォーメーションを4-1-4-1に変更して逃げ切りを狙っています。
最低限ドローに持ち込みたいクロップ監督は、DFアーノルドに代えてMFワイナルドゥム、DFロバートソンに代えてFWドミニク・ソランケを投入して攻勢を強めますが、マンチェスター・ユナイテッドの最終ラインは集中力が高く、なかなかゴールを割ることができません。
最後までマンチェスター・ユナイテッドが堅守を見せ、上位対決はマンチェスター・ユナイテッドが2-1で勝利しました。
試合後感想
試合結果
マンチェスター・ユナイテッド【2-1】リヴァプール
この試合の感想としては「さすが、モウリーニョ監督」という一言につきます。
試合後のスタッツを見てみると、シュート本数はユナイテッドが5本に対してリヴァプールは14本。
ボール支配率はリヴァプールが68%、さらにリヴァプールのコーナーキックの数は13本です。
リーグ随一の攻撃力を誇るリヴァプールにこれだけ攻め込まれているのに、オウンゴールの1点しか許さなかったというのは素晴らしいです。
リヴァプールの武器である両ウィングは、DFバレンシアとDFアシュリー・ヤングの32歳ベテランコンビが完璧に封じ込めていましたし、中盤はマティッチが的確にスペースを埋め、裏へのボールへはDFバイリーが落ち着いて処理できていました。
GKデ・ヘアの好守備や個人技のおかげで勝てているといった批判を受けがちなユナイテッドですが、モウリーニョ監督の采配はやはり見事ですね。
続いてマンチェスター・ユナイテッドの攻撃に目を向けてみましょう。
後方からのロングボールにルカクが競り勝ち、他の選手が決めるというパターンはシーズン序盤からモウリーニョ監督が狙っていた攻撃手段です。
それがこの試合では上手くフィットしていました。
その理由としては、ルカクが少し引き気味でターゲットになることで、相手の強力なセンターバック(ファン・ダイク)との空中戦を避けられたという点です。
1点目はヘディングで後ろに流して、ラッシュフォードのゴールをお膳立て。追加点では空中戦で勝利してからのボールキープと、ルカクの存在が際立ちました。
リヴァプールとしては最近好調だっただけに慢心があったかもしれません。
正直、ルカクにロングボールを使ってくることは予想できるはずです。
DFファン・ダイクをマンマーク気味にルカクへつけたほうが良かったのでは・・・と感じてしまいました。
また、リヴァプールは交代のオプションが少ないですね。
1点を追いかけるビッグマッチで最後の頼みの綱が若手FWのソランケというのはちょっと実力不足でしょう。
いくら攻撃力が素晴らしいチームとはいえ、夏の移籍市場で選手層を厚くしなければリーグ制覇は難しいかもしれません。
個人的マン・オブ・ザ・マッチは「マーカス・ラッシュフォード」
今回はマンチェスター・ユナイテッドFW「マーカス・ラッシュフォード」を個人的なマン・オブ・ザ・マッチに選出します。
このビッグマッチで2得点を挙げた20歳の若手は今季のゴール数を6ゴールに伸ばしました。
1点目はリヴァプールの右サイドバックであるアーノルドをかわしてからのシュートでしたが、このアーノルドもまだ19歳です。
この2人が対峙するのを見て、プレミアリーグでは世代交代や若手の台頭が顕著になっていると改めて感じました。
この1点目は、かつてユナイテッドに所属していたクリスティアーノ・ロナウドを髣髴とさせるようなシーンだと感じたサポーターも多いのではないでしょうか。
3ヶ月あまりゴールから見放されていたラッシュフォードですが、この試合を機に復調して欲しいですね。
まとめ
今節の結果を受けて、マンチェスター・ユナイテッドは2位をキープ。
一方のリヴァプールはトッテナムに抜かれて4位に転落。5位のチェルシーと勝ち点差は4ですが、CL出場権確保に黄色信号です。
リヴァプールは次節に10位のワトフォードと対戦、マンチェスター・ユナイテッドは16位のウェスト・ハムと対戦します。
どちらも格下相手なので勝ち点の取りこぼしがないようにしなければなりません。
両クラブの今後の活躍に期待しましょう。