2016-17シーズン総括「ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン」編

シーズン開幕前に中国系企業に買収されたウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン。

元日本代表MF「稲本潤一」が所属していたことでも知られていますね。

今シーズンは14年間オーナーを務めていたジェレミー・ピアース氏が退き、新たな体制としてスタートしました。

2015-16シーズンを14位で終えたウェスト・ブロムウィッチは、浮上のきっかけを掴むことができたのでしょうか?

今回の記事ではウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンFCの2016-17シーズンを振り返っていきます。

ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンFCのシーズン成績(2016-17)

・プレミアリーグ/ 10位
・FAカップ/ 3回戦敗退
・EFLカップ/ 2回戦敗退

今シーズンのウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンは、序盤から終盤まで常に8位~10位の中位をキープしていました。

2008-09シーズンに2部降格を味わっているチームなので、残留争いとは無縁のシーズンを過ごせたことは良かったですね。

結果的に昨シーズンの14位から4つ順位を上げた10位でフィニッシュできたのは、新戦力の活躍があったからこそ。

カップ戦の結果は満足できるものではないですが、シーズン成績としてはまずますの結果でしょう。

2016-17シーズンの基本フォーメーション

システム1 : 4-2-3-1

ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンは、リーグ38試合中21試合を上記の4-2-3-1のフォーメーションで戦いました。

チームを率いる「トニー・ピューリス」監督は、少ない予算・戦力でも結果を残すことに定評があり、これまでに一度もチームを降格させたことがありません。

そんなピュリス監督のスタイルは「守備的で堅実なフットボール」です。

守備的なスタイルは退屈だとプレミアリーグでは非難されがちですが、ゴール前を固めてボールを奪い、ロングボールなどで素早く前線へ運ぶという戦術は非常に効率的です。

かつて「ストーク・シティ」や「クリスタルパレス」といったプレミア中堅クラブを率いた経験を持つピュリス監督が、ビッグクラブ相手に戦うために編み出したスタイルだと言えるでしょう。

システム2 : 4-1-4-1

今シーズン特に目立っていたのは、新戦力のスコットランド代表MFマット・フィリップスです。

ドリブルからの仕掛けと正確なクロスが持ち味で、今シーズンは4ゴール8アシストと、1年目ながらチームの攻撃を引っ張る存在になりました。

また、センターバックを務める37歳のガレス・マコーリーも対人守備の強さを見せつけ、攻撃では6ゴールを記録しています。

課題 : 選手層の薄さと得点力不足

今シーズンのウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンの攻撃は、MFのフィリップスが中心となり組み立てられていました。

そのため、キープレイヤーであるフィリップスが怪我をしてしまったシーズン終盤は、大きく調子を落とすことに。

特に4月以降は2分7敗と、新シーズンに向けて不安が残る終盤戦でした。

キープレイヤーが抜けてチームの調子が悪くなるのは当然ですが、ここまで成績が落ちてしまうのは問題だと思います。

また、FWのロンドンが38試合出場8ゴールは正直物足りないです。センターバックのマコーリーですら6点決めていますからね。

チーム得点数もリーグで13位の43点。これは首位チェルシーの半分の数字です。

守備的なチームなので仕方がないとはいえ、より上位を目指すためにも攻撃陣の補強と、得点パターンを増やしたいところですね。

新シーズン展望

ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンは今夏、サウサンプトンからFW「ジェイ・ロドリゲス」を1500万ポンド(約23億円)で獲得しました。

ジェイ。ロドリゲスは2013-14シーズンにプレミアリーグで15ゴールを挙げる活躍をした選手ですが、前十字靭帯の断裂という重症を負い、その後は出場機会を減らしていた選手です。

やはり得点力不足を解決するために前線の補強に動いているようですね。

また、オランダリーグのフィテッセから中国期待のヤングスター「チャン・ユニン」を獲得。

20歳のFWであるチャン選手はフィテッセで19試合に出場し4ゴールを記録。

さらに2016年6月からは中国代表に選出されている期待の若手です。

ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンに加入したチャン選手ですが、まずはレンタルで経験を積むようです。

レンタル先はドイツ/ブンデスリーガの古豪ブレーメンで、期間は2年となっています。どんな成長を遂げて復帰するか楽しみですね。

若手への投資と即戦力の補強を行っている、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンは「中堅クラブ」から抜け出せるのでしょうか?

新シーズンの活躍に期待しましょう!