19-20プレミアリーグが開幕し、早くも5節までが終了しました。新戦力の特徴や使われ方も徐々にわかってきましたね。
スタートダッシュに成功したクラブ、予想に反してつまづいたクラブなど様々です。
今回はビッグ6の19-20シーズン夏の移籍市場における補強を総括します。
目次
マンチェスター・シティ
主な加入選手 | |
---|---|
スコット・カーソン | GK |
アンヘリーノ | DF |
ジョアン・カンセロ | DF |
ロドリ | MF |
食野 亮太郎 | FW |
主な退団選手 | |
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ダニーロ | GK |
エリアキム・マンガラ | DF |
ヴァンサン・コンパニ | DF |
ファビアン・デルフ | MF |
食野 亮太郎 | FW |
※ 赤字はレンタル
懸念点:センターバックに不安
キャプテンとしてチームを支えてきたコンパニが退団し、ほとんど出場機会を得られていなかったマンガラもバレンシアへ移籍。
そのため、センターバックが「ジョン・ストーンズ」「ニコラス・オタメンディ」「アイメリック・ラポルテ」の3選手しかいないのが懸念点です。
実際、ストーンズとラポルテは負傷しまい、純粋なセンターバックは1人のみに。
頼みのオタメンディも年齢による衰えからか凡ミスが見られるようになってしまいました。
なんとか穴を中盤のフェルナンジーニョが埋めている状態ですが、ウォーカーのCB起用なども考慮しなければならないでしょう。
評価点:ロドリの加入で戦術の幅が広がった
フェルナンジーニョ不在時の対策としてアトレティコ・マドリードから「ロドリ」を獲得したことで、中盤の構成の幅が広がりました。
ギュンドアン、ロドリ、デ・ブライネ、フォーデン、ダビド・シルバ、フェルナンジーニョと中盤の組み合わせは自由自在です。
チームの主力であるダビド・シルバが今季限りでの退団を決めているので、退団後の形を見つけたいところ。
新加入のロドリは現時点では守備面の貢献が目立っていますが、急所を突くようなパスを供給できるようになれば、さらに相手の驚異になるでしょう。
リヴァプール
主な加入選手 | |
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アドリアン | GK |
ファン・デン・ベルフ | DF |
ハーヴェイ・エリオット | FW |
主な退団選手 | |
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シモン・ミニョレ | GK |
アルベルト・モレノ | DF |
ベン・ウッドバーン | MF |
ダニエル・スタリッジ | FW |
※ 赤字はレンタル
懸念点:3トップのサブ問題
リヴァプール最大の武器といえば、「サディオ・マネ」「ロベルト・フィルミーノ」「モハメド・サラー」の強力3トップでしょう。
強力だからこそ、サブメンバーでこのクオリティを維持するのは難しくなってしまいます。
特に替えが効かないのがフィルミーノでしょう。前線からのプレスと下がってきてのボールさばき、さらには得点能力と、まさに万能型のFWです。
とはいえ、世界を探してもフィルミーノの役割ができるFWはいないのが事実。
怪我から復帰したチェンバレンや若手のブリュースター、そしてサブ要因のオリギやシャキリがどれだけ3トップの代わりをできるかがシーズンの命運を分けそうです。
評価点:若手への投資とセカンドゴールキーパーの獲得
リヴァプールは夏に大きく動かず、冬に資金を残した格好になりましたが、それでも「ハーヴェイ・エリオット」や「ファン・デン・ベルフ」といった将来有望選手を獲得しています。
また、セカンドキーパーだったミニョレが退団した後釜としてアドリアンを獲得。
開幕戦で守護神のアリソンが負傷という不足の事態が起き、アドリアンは急遽ゴールマウスを守ることになっても、経験を生かしたプレーでクラブを助けています。
アリソンの復帰時期は10月頃になるため、それまではアドリアンがキーパーを務めることになりそうです。
とはいえ、5節時点でリヴァプールは首位に立っているので、アドリアンがいてくれて助かった・・・と感じている人は多いでしょう。
チェルシー
主な退団選手 | |
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ダビデ・ザッパコスタ | DF |
ダビド・ルイス | DF |
ギャリー・ケーヒル | DF |
ダニー・ドリンクウォーター | MF |
エデン・アザール | FW |
※ 赤字はレンタル
懸念点:アザールの穴
チームの大半の得点に絡んでいた主力のエデン・アザールがレアル・マドリードへ移籍。
さらには補強禁止処分のため選手の獲得はできないという危機的な状況のチェルシー。
5節までも、アザールがいれば個人で打開できたんだけどな・・・というシーンがいくつも見受けられました。
ランパード監督がどれだけチームで点を取る形を作れるかが重要になってくるでしょう。
評価点:レンタルバックした若手の躍動
嬉しい誤算だったのが、レンタルから復帰したタミー・アブラハムやメイソン・マウントといった若手の躍動です。
チェルシーからレンタルに出される若手と言えば、トップチームに上がれず消えていく・・・というのがおなじみパターンだったのですが、ランパード監督は若手を積極的に起用。
若手選手にとっては、ライバルとなるビッグネームが加入しないという補強禁止処分がいい方向に働きましたね。
トッテナム
主な加入選手 | |
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タンギ・エンドンベレ | MF |
ジオバニ・ロ・チェルソ | MF |
ライアン・セセニョン | MF |
主な退団選手 | |
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ミシェル・フォルム | GK |
キーラン・トリッピアー | DF |
フェルナンド・ジョレンテ | FW |
フィンセント・ヤンセン | FW |
懸念点:サイドバックの質
昨季は絶対的な右サイドバックとして活躍していたキーラン・トリッピアーがアトレティコへ移籍。
今季はセルジュ・オーリエが右サイドバックを務めていますが、左サイドバックのダニー・ローズと共にプレーの質にムラがあるのと、負傷体質なのが懸念点。
生え抜きのカイル・ウォーカー=ピーターズが成長してきていますが、まだまだ守備面では弱さを見せます。
本職がセンターバックのフォイスやサンチェスのサイドバック起用もありますが、リヴァプールやマンチェスター・シティと比べてサイドバックのクオリティが落ちるのは明らかです。
評価点:中盤の底上げ
今夏は大黒柱のエリクセンが退団するかどうかでクラブは揺れましたが、退団に備えてアルゼンチンの若手レフティー「ジオバニ・ロ・チェルソ」を獲得。
さらにクラブ史上最高額で推進力と性格なパスが武器の「タンギ・エンドンベレ」を獲得するなど、中盤の戦力を充実させることができました。
結局エリクセンが残留したのは嬉しい誤算ですが、来夏には契約切れになってしまうので、今冬の移籍か来夏にフリーで退団という形が濃厚です。
アーセナル
主な加入選手 | |
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ダビド・ルイス | DF |
キーラン・ティアニー | DF |
ダニ・セバジョス | MF |
ニコラ・ペペ | FW |
主な退団選手 | |
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ペトル・チェフ | GK |
ローラン・コシェルニー | DF |
ステファン・リヒトシュタイナー | DF |
ナチョ・モンレアル | DF |
モハメド・エルネニー | MF |
ヘンリク・ムヒタリアン | MF |
ダニー・ウェルベック | FW |
アレックス・イウォビ | FW |
※ 赤字はレンタル
懸念点:ディフェンスラインの変化
コシェルニーやモンレアルといったアーセナルのディフェンスラインを支えてきたベテラン選手が退団し、若手サイドバックのキーラン・ティアニーが加入。
しかし、ティアニーは怪我も多い選手なので左サイドバックのやりくりには苦労するかもしれません。
センターバックは最終日に急遽ダビド・ルイスを獲得しましたが、どんな組み合わせで使っていくか監督は悩んでしまうポイントでしょう。
センターバックは高齢化が進んでいるため、なるべく若手で安定感を見出したいところです。
評価点:強力3トップの形成
アーセナルといえば移籍市場では、サポーターが満足をするような補強をしないという傾向がありましたが、今夏は違いました。
特にクラブ最高額で獲得したドリブラーのニコラ・ペペの加入で、「オーバメヤン」「ラカゼット」「ニコラ・ペペ」というリーグ屈指の3トップを形成することができました。
ペペは50試合連続で対人戦無敗だったリヴァプールのファン・ダイクをドリブルで抜き去るなど、ドリブラーとしての才能を見せつけています。
また、中盤ではレアル・マドリードから「ダニ・セバジョス」をレンタルで獲得するなど、新戦力が噛み合えば上位を狙える陣容になりました。
エメリ監督のマネジメントに注目が集まりますね。
マンチェスター・ユナイテッド
主な加入選手 | |
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アーロン・ワン=ビサカ | DF |
ハリー・マグワイア | DF |
ダニエル・ジェームズ | MF |
主な退団選手 | |
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クリス・スモーリング | DF |
アントニオ・バレンシア | DF |
マッテオ・ダルミアン | MF |
アンデル・エレーラ | MF |
ロメル・ルカク | FW |
アレクシス・サンチェス | FW |
※ 赤字はレンタル
懸念点:攻撃オプションの少なさ
マルシャルやラッシュフォードといった俊敏性のある若手が伸び盛りなのは良いですが、ルカクやサンチェスの退団によって攻撃のパターンが少なくなってしまいました。
また、カウンター攻撃は強みなのですが、引いた相手を想像力で崩せる選手が「フアン・マタ」しかいないのも心配です。
チーム全体としてフィジカルが強い選手が多くなり、彼らの身体能力に頼った戦い方になってしまうのが最大の懸念点です。
評価点:ディフェンスラインの強化に成功
DFとしての移籍金最高額で「ハリー・マグワイア」を獲得し、さらには急成長中の若手サイドバック「アーロン・ワン=ビサカ」を獲得。
不安定だったディフェンスラインの補強に成功し、リーグ屈指の強固さに。
さらにウィングで獲得した21歳のダニエル・ジェームズは豊富な運動量でディフェンスを助け、さらには5試合3得点を挙げるなどチームへの貢献度は抜群に高いです。
新戦力は軒並み良い選手ですので、後はスールシャール監督がどうチームを作っていくのかがポイントですね。
まとめ
ビッグ6の陣容を見て、やはり重要だと感じるのはサイドバックのクオリティです。
リヴァプールやマンチェスター・シティといった結果を残しているクラブは、サイドバックの質が高く、守備面でも攻撃面でも重要な役割を担っています。
サイドバックが多くの役割を持つようになった現代サッカーでは、攻守両面で貢献できるプレーヤーは貴重なため、移籍金も高騰しそうですね。
5節終了時点では昇格組がかなり好調なため、昨季は中位だったクラブも安心はできません。
どんな結末になるのか楽しみですね。