9月1日をもって、2017-18シーズンの夏の移籍市場が締切となりました。
各チームは戦力の補強を完了し、冬の移籍市場までは現有戦力で長いシーズンに臨むこととなります。
当記事では、各クラブ毎に加入・退団選手を一覧でまとめ、移籍市場での寸評を書いていきます。
今回は、昨シーズン1位~6位の”BIG6″の移籍動向について見ていきましょう。
チェルシーFC
加入
※ 赤字は注目選手
選手名 | 前所属 | |
GK | ウィリー・カバジェロ | マンチェスター・シティ |
DF | アントニオ・リュディガー | ローマ |
DF | ダヴィデ・ザッパコスタ | トリノ |
MF | ティエムエ・バカヨコ | モナコ |
MF | ダニー・ドリンクウォーター | レスター |
FW | アルバロ・モラタ | レアル・マドリード |
退団
選手名 | 移籍先 | |
GK | アスミル・ベゴヴィッチ | ボーンマス |
DF | ナタン・アケ | ボーンマス |
DF | ジョン・テリー | アストン・ヴィラ |
DF | クル・ズマ | ストーク(レンタル) |
MF | ネマニャ・マティッチ | マンチェスター・ユナイテッド |
MF | ロフタス=チーク | クリスタル・パレス(レンタル) |
MF | クリスティアン・アツ | ニューカッスル |
MF | ベルトラン・トラオレ | リヨン |
MF | フアン・クアドラード | ユヴェントス |
MF | ナサニエル・チャロバー | ワトフォード |
FW | ドミニク・ソランケ | リヴァプール |
FW | ロイク・レミー | ラス・パルマス |
FW | タミー・アブラハム | スウォンジー(レンタル) |
「ロメル・ルカク」をマンチェスター・ユナイテッドに横取りされ、序盤はなかなか思うような補強が出来なかったチェルシー。
とはいえ、各ポジションの実力者をバランス良く獲得しており、特に移籍期限最終日に獲得したMF「ダニー・ドリンクウォーター」はセントラルMFの層の薄さを解決してくれるでしょう。
気になるのは移籍を志願していたのに結局残留することになったFW「ジエゴ・コスタ」です。
確執があったコンテ監督とは和解したとも報道されていますが、プレーにどのような影響が出るのでしょうか。
トッテナム・ホットスパー
加入
選手名 | 前所属 | |
DF | ダヴィンソン・サンチェス | アヤックス |
DF | フアン・フォイス | エストゥディアンテス |
DF | セルジュ・オーリエ | パリ・サンジェルマン |
FW | フェルナンド・ジョレンテ | スウォンジー |
退団
選手名 | 移籍先 | |
DF | フェデリコ・ファシオ | ローマ |
DF | カイル・ウォーカー | マンチェスター・シティ |
DF | ケヴィン・ヴィマー | ストーク |
MF | ジョシュ・オノマー | アストン・ヴィラ(レンタル) |
FW | クリントン・ヌジェ | マルセイユ |
移籍市場でなかなか動き出さなかったのがトッテナムです。そもそも今までが順調だったのでなにも変える必要はありませんからね。
FW「ハリー・ケイン」のバックアッパーとなる「フェルナンド・ジョレンテ」も獲得できましたし、主力流出を避けつつ選手層を強化できました。
DF「カイル・ウォーカー」の退団はチームに打撃を与えるという見方もありますが、昨シーズン頭角を表したDF「キーラン・トリッピアー」が充分に穴を埋める存在になるでしょう。
また21歳のコロンビア人DF「ダヴィンソン・サンチェス」がブレイクするかにも注目です。
マンチェスター・シティ
加入
選手名 | 前所属 | |
GK | エデルソン | ベンフィカ |
DF | カイル・ウォーカー | トッテナム |
DF | ダニーロ | レアル・マドリード |
DF | バンジャマン・メンディ | モナコ |
MF | ベルナルド・シウバ | モナコ |
退団
選手名 | 移籍先 | |
GK | ジョー・ハート | ウェストハム(レンタル) |
GK | ウィリー・カバジェロ | チェルシー |
DF | バカリ・サニャ | |
DF | パブロ・サバレタ | ウェストハム |
DF | ガエル・クリシー | バシャクシェヒル |
DF | アレクサンドル・コラロフ | ローマ |
DF | ジェイソン・デナイエル | ガラタサライ(レンタル) |
MF | アーロン・ムーイ | ハダースフィールド |
MF | ヘスス・ナバス | セビージャ |
MF | フェルナンド | ガラタサライ |
MF | サミル・ナスリ | アンタルヤスポル |
FW | ケレチ・イヘアナチョ | レスター |
FW | ノリート | セビージャ |
FW | ウィルフリード・ボニー | スウォンジー |
契約満了になる選手も多く、ベテラン選手を売却し、若い選手を獲得するという珍しく堅実な補強を行ったマンチェスター・シティ。
昨シーズン不安だった右サイドやゴールキーパーといったポジションを的確に補強できたのは流石です。
特にMF「ベルナルド・シウバ」はテクニックがあって、グアルディオラ監督が好みそうな選手ですよね。
懸念事項は各選手がプレミアリーグにフィットするか否かですね。
トッテナムから獲得した「カイル・ウォーカー」以外はプレミア初挑戦なので、フィットするまで多少時間を要するかもしれません。
リヴァプール
加入
選手名 | 前所属 | |
DF | アンディ・ロバートソン | ハル・シティ |
MF | オックスレイド=チェンバレン | アーセナル |
FW | ドミニク・ソランケ | チェルシー |
FW | モハメド・サラー | ローマ |
退団
選手名 | 移籍先 | |
DF | ママドゥ・サコ | クリスタル・パレス |
MF | シェイ・オジョ | フラム(ローン) |
MF | ルーカス・レイヴァ | ラツィオ |
MF | ケビン・スチュワート | ハル・シティ |
FW | ディボック・オリギ | ヴォルフスブルク(レンタル) |
移籍市場が開かれた当初から加入が噂になっていたサウサンプトンDF「ファン・ダイク」は結局獲得することができませんでした。
しかし、クロップ監督が熱望する「モハメド・サラー」や「アレックス・オックスレイド=チェンバレン」といった快速アタッカーを獲得することができたのは今夏の大きな収穫です。
特にサラーに関しては、開幕戦から大活躍をするなど早くもチームにフィットしています。
個人的に注目しているのはFW「ドミニク・ソランケ」です。彼がブレイクしてくれれば、リヴァプールの前線は非常に怖いものになるかもしれません。
アーセナル
加入
選手名 | 前所属 | |
DF | セアド・コラシナツ | シャルケ |
FW | アレクサンドル・ラカゼット | リヨン |
退団
選手名 | 移籍先 | |
GK | エミリアーノ・マルティネス | ヘタフェ(レンタル) |
GK | ヴォイチェフ・シュチェスニー | ユヴェントス |
DF | ガブリエウ・パウリスタ | バレンシア |
DF | カール・ジェンキンソン | バーミンガム(レンタル) |
DF | キーラン・ギブス | ウェスト・ブロムウィッチ |
MF | ジョエル・キャンベル | レアル・ベティス(レンタル) |
MF | オックスレイド=チェンバレン | リヴァプール |
FW | ルーカス・ペレス | デポルティーボ(レンタル) |
FW | ヤヤ・サノゴ | トゥールーズ |
アーセナル、これだけの補強で大丈夫なのか・・・と思わず感じてしまう夏の移籍市場でした。
FW「アレクサンドル・ラカゼット」とDF「セアド・コラシナツ」を早々に獲得したアーセナルには、「今季のアーセナルは違うぞ!」と期待したのですが、結局補強はこの2選手のみ。
正直、前線よりもセンターバック等の補強を優先的にやるべきだったと思います。この陣容だとラカゼットの爆発に期待するしかありませんね。
マンチェスター・ユナイテッド
加入
選手名 | 前所属 | |
DF | ヴィクトル・リンデロフ | ベンフィカ |
MF | ネマニャ・マティッチ | チェルシー |
FW | ズラタン・イブラヒモビッチ | フリー |
FW | ロメル・ルカク | エヴァートン |
退団
選手名 | 移籍先 | |
DF | ボースウィック・ジャクソン | リーズ(レンタル) |
DF | ティモシー・フォス=メンサー | クリスタル・パレス(レンタル) |
DF | ギジェルモ・ヴァレラ | ペニャロール |
MF | アドナン・ヤヌザイ | レアル・ソシエダ |
FW | ウェイン・ルーニー | エヴァートン |
昨季はFW「ズラタン・イブラヒモビッチ」に依存した攻撃が多く、マンチェスター・ユナイテッドの補強方針は「攻撃力の強化」と明確なものでした。
FW「ロメル・ルカク」の争奪戦を制し、ポグバの負担を減らせる存在としてMF「ネマニャ・マティッチ」を獲得するなど、今夏の補強は的確なものでした。
サプライズだったのがFWイブラヒモビッチとの再契約。怪我で離脱しているものの、昨季17ゴールを挙げた選手が戻ってくれば、選手層は非常に厚くなります。
今季のマンチェスター・ユナイテッドは久しぶりに優勝争いを繰り広げてくれそうな予感がします。
まとめ
BLG6の中で最も良い補強をしたのは、マンチェスター・ユナイテッドでしょう。
課題であるポイントをしっかりと抑え、有力な選手を連れてくる手腕は見事なものです。
マンチェスター・シティも高齢化という課題を解決するべく30代の選手を多く放出し、今後の主力を担うであろう有望な若手を連れてくることに成功しています。最も中長期的な視点を持っているのはシティかもしれません。
リヴァプールはプレースタイルに合った補強をし、エースのMF「フィリペ・コウチーニョ」が残留するなど、結果的には良い夏を過ごしました。
チェルシーは苦戦しましたが、なんとかリカバリーし最低限の補強をしたという所でしょうか。
残念だったのがアーセナル。
多くの人員整理をしたものの、なぜか最終的にFW「アレックス・オックスレイド=チェンバレン」を失うという結果に着地しています。
これでは選手層が薄くなっただけで、FWラカゼットが爆発しなければ昨季よりも悪いシーズンを送ることになってしまいそうです。
今夏の移籍市場でも莫大な金額が動きました。
しかし、多額の移籍金で獲得した選手が使い物にならない事はよくあるもの。今夏はどんな選手が活躍してくれるのか楽しみですね。