2017-18プレミアリーグ第25節「トッテナム vs マンチェスター・ユナイテッド」解説

2月1日に行われたプレミアリーグ第25節「トッテナム vs マンチェスター・ユナイテッド」をスポナビライブで観戦。

会場はトッテナムの仮本拠地「ウェンブリー・スタジアム」です。

ホームのトッテナムは5位、アウェイのマンチェスター・ユナイテッドは2位と、CL出場権を争う上位対決となりました。

マンチェスター・ユナイテッドは公式戦5連勝中と好調、アーセナルからFWアレクシス・サンチェスが加入した攻撃陣はこの試合で爆発するのでしょうか。

両チームのスタメン・フォーメーション

トッテナム【4-2-3-1】

ホームのトッテナム・ホットスパーは、4-2-3-1を採用。

守備の中心であるDF「トビー・アルデルヴァイレルト」はハムストリングを痛めて離脱しているため、最終ラインは左からDF「ベン・デイビス」DF「ヤン・フェルトンゲン」DF「ダヴィンソン・サンチェス」クロス職人のDF「キーラン・トリッピアー」が配されます。

ポチェッティーノ監督は中盤にはフィジカルが強いMF「ムサ・デンベレ」、センターバックでもプレーできる「エリック・ダイアー」を並べ、ユナイテッドの攻撃陣を封じ込める作戦です。

トップ下にはMF「デレ・アリ」、両サイドはMF「クリスチャン・エリクセン」とMF「ソン・フンミン」と強力な攻撃陣が揃い踏み。

最前線はもちろん得点ランキングトップのFW「ハリー・ケイン」です。

センターバック以外はほぼベストメンバーで大一番に臨みます。

マンチェスター・ユナイテッド【4-2-3-1】

モウリーニョ監督はトッテナム同様に4-2-3-1のフォーメーションを選択しました。

最終ラインはDF「クリス・スモーリング」DF「フィル・ジョーンズ」の2センターバックにMF「アシュリー・ヤング」とDF「アントニオ・バレンシア」のサイドバックとお馴染みのメンバー。

今日の試合ではMF「ネマニャ・マティッチ」MF「ポール・ポグバ」が横並び。

その一列前にはアーセナルから加入したFW「アレクシス・サンチェス」、MF「ジェシー・リンガード」FW「アントニー・マルシャル」ワントップにはもちろんFW「ロメル・ルカク」です。

こちらも負傷中のDFバイリーが帰ってくればベストメンバーといった布陣でしょう。

「トッテナムvsマンチェスター・ユナイテッド」 ハイライト動画

前半 : 試合開始直後からスコアが動く

CL出場権を争うチーム同士の直接対決ということで、静かな立ち上がりになるかと思いきや、キックオフからわずか10秒でスコアが動きました。

トッテナムDFフェルトンゲンが最後方からロングパスを前線へ送ると、FWケインがヘディングに競り勝ち、MFデレ・アリにボールが繋がります。

アリはシュートを選択しますが、ここは身体を寄せたディフェンスに阻まれてしまいます。

しかし、こぼれ球に走り込んだMFエリクセンがゴールに押し込んで、トッテナムが試合開始早々に先制点を手にしました。

失点シーンではマンチェスター・ユナイテッドDFヤングが後方から走ってきたMFエリクセンを見ていませんでした。

マンチェスター・ユナイテッドも直後に反撃に転じます。

2分に左サイドからDFヤングから中央にアーリークロスが上がると、FWルカクがここに飛び込みますが、わずかに合わず。

ユナイテッドは左サイドからチャンスを作るも、中で合わせられないシーンが続きます。

16分には、ユナイテッドMFリンガードがディフェンスに囲まれながらもボールを粘り強くキープし、前線のFWルカクへスルーパス。

FWルカクはディフェンス2人の間をうまく抜け出しますが、GKロリスが絶妙なタイミングで飛び出してきたため、後方へヒールパスで落とします。

しかし、ここに味方は来ておらずGKロリスにキャッチされてしまいます。

ストライカーなら強引に打っても良いシーンでした。最近はルカクらしいプレーが鳴りを潜めているような気がします。

再びスコアが動いたのは27分。

トッテナムは細かいパス回しから、MFエリクセンが右サイドでフリーになっていたDFトリッピアーへスルーパス。

クロスに定評があるトリッピアーは、グラウンダーで速いボールを選択します。

このクロスボールがマンチェスター・ユナイテッドDFジョーンズに当たり、そのままオウンゴール。

トッテナムが思いもよらないラッキーな形でリードを2点に広げます。

前半はトッテナムの2点リードで終了。

FWサンチェスが加入し、高い攻撃力を誇るマンチェスター・ユナイテッドがリードして折り返すと思っていたのですが、全体的な連携がうまく取れていない印象です。

試合開始直後の失点でゲームプランが崩れてしまったユナイテッド。

モウリーニョ監督はどのように後半に臨むのでしょうか。

後半 : 連携無きマンチェスター・ユナイテッド

マンチェスター・ユナイテッドの巻き返しが期待される後半でしたが、トッテナムのペースで試合は進んでいきます。

49分、マンチェスター・ユナイテッドはパスミスからピンチに。

ボールを奪ったトッテナムは得意の速攻、MFデレ・アリ、FWケイン、FWソン・フンミンと繋ぎ、最後はソン・フンミンがシュートを放ちますが、ここはジャストミートせずにゴールの左へ。

追いつきたいマンチェスター・ユナイテッドには56分にこの試合最大のチャンスが訪れます。

MFポグバから前線にロングボールが出ると、FWルカクがディフェンスを抑えながら左足で強烈なボレーシュートを放ちます。

しかし、ここは守護神のロリスがビッグセーブでチームを救いました。

モウリーニョ監督は62分に中盤にテコ入れ。

MFポグバとMFリンガードを下げ、MFマルアン・フェライニとMFマタを投入して中盤に変化を狙います。

しかし、交代直後の69分に入ったばかりのMFフェライニが負傷、モウリーニョ監督はMFアンデル・エレーラの投入を余儀なくされます。

FWラッシュフォードを攻撃の切り札で投入する予定だったであろうモウリーニョ監督のプランは台無しに。

今日のマンチェスター・ユナイテッドはとことんプラン通りに進みません。

攻撃の手が尽きたマンチェスター・ユナイテッドは連携が無く、個人技頼み。ゴールの予感すらありません。

一方、ホームで2点リードしているトッテナムには余裕が見られ、丁寧にパスを繋いでいます。

3点目を奪って試合を決めたいトッテナムでしたが、惜しいシュートやGKデ・ヘアの驚異的な反応もあり、追加点を奪うことはできません。

試合はこのままスコアが動かずにタイムアップ。上位対決をトッテナムが2-0で制しました。

試合後感想

試合結果
トッテナム 【2-0】 マンチェスター・ユナイテッド

アーセナルからマンチェスター・ユナイテッドに加入したFWアレクシス・サンチェスの移籍後リーグ戦初出場となりましたが、インパクトは残せず。

マッチアップしたトッテナムDFトリッピアーが、サンチェスをどれだけ止められるかが勝敗を分けると思っていましたが、逆にトリッピアーが得点に繋がる活躍を見せてくれました。

マンチェスター・ユナイテッドはDFフィル・ジョーンズとDFスモーリングの2センターバックのビルドアップに問題があります。

また、明らかにMFマティッチの守備負担が大きく、マティッチは疲労が溜まっているようにも見えました。

ツーボランチのコンビを組んだMFポグバの守備貢献はイマイチで、攻撃の起点になる際も徹底的に潰されるので、ここはモウリーニョ監督が対処するべきでしょう。

今日の試合はゲームプランが崩れたとはいえ、このような戦術皆無の試合を続けていたら、2位陥落は近いかもしれません。

個人的マン・オブ・ザ・マッチは「ヤン・フェルトンゲン」

今回はトッテナムDF「ヤン・フェルトンゲン」を個人的なマン・オブ・ザ・マッチに選出します。

フェルトンゲンはこの試合で、先制点のきっかけとなるロングフィードを供給、センターバックとしてもユナイテッドの強力な攻撃陣を完封しています。

主にセンターバックでコンビを組む相棒のDF「トビー・アルデルヴァイレルト」とは、ベルギー代表でもチームメイト。

このセンターバックコンビは、個人的にプレミアリーグで最も安心して見られるセンターバックだと思っています。

相棒のアルデルヴァイレルトが負傷離脱する中で迎えた今回のビッグマッチですが、キック精度を活かしたロングフィードで試合開始早々の得点の起点となりました。

ドリブルの上手さ、対人守備の強さ、パス精度など完成度が高いセンターバックですが、まだ30歳。

今後もトッテナムの主軸として数年は活躍してくれるでしょう。

 

まとめ

今節の結果を受けて、マンチェスター・ユナイテッドは首位との勝ち点差が15に開いてしまいました。

ここまでの差がつくとリーグタイトルは諦めなければなりません。

順位的にはまだ2位ですが、試合の中身を見るとひどいもので、モウリーニョ監督の解任が噂されるのも無理はありませんね。

最低限CL出場権は確保しつつ、目標をチャンピオンズリーグやFAカップに切り替えてタイトルを狙ったほうがいいでしょう。

一方のトッテナムは次節にリヴァプール、その次はアーセナルとのノース・ロンドン・ダービーとビッグマッチが連続しています。

ここの結果次第で4位以内に入れるかが決まってきそうです。

26節、27節とトッテナムの試合を見ようと思うので、どのようなパフォーマンスを披露してくれるか楽しみです!

今後の両クラブの活躍に期待しましょう。