2月5日に行われたプレミアリーグ第26節「リヴァプールvsトッテナム」をスポナビライブで観戦。
会場はリヴァプールの本拠地「アンフィールド」です。
ホームのリヴァプールは3位、アウェイのトッテナムは5位と、CL出場権を争う上位の直接対決となりました。
目次
両チームのスタメン・フォーメーション
リヴァプール【4-3-3】
リヴァプールを率いるクロップ監督は4-3-3を採用してきました。
左からDF「アンドリュー・ロバートソン」DF「ファン・ダイク」DF「デヤン・ロヴレン」DF「トレント・アレクサンダー=アーノルド」が配されます。
コンディションの理由からここ数試合スタメンを外れていたファン・ダイクはこの試合でようやくスタメン復帰。
中盤底にはキャプテンのMF「ジョーダン・ヘンダーソン」その前にはドイツ代表MF「エムレ・ジャン」とMF「ジェームズ・ミルナー」の2センターです。
前線はおなじみのメンバー、左からFW「サディオ・マネ」FW「ロベルト・フィルミーノ」、FW「モハメド・サラー」の攻撃陣。
オフェンス面は好調なのですが、いかんせん守備が不安定なリヴァプール。
速攻の切れ味があるトッテナムの攻撃陣を無失点に抑えることができるのでしょうか。
トッテナム【4-2-3-1】
アウェイのトッテナムは、前節のマンチェスター・ユナイテッド戦と同じメンバーを採用しました。
守備の中心であるDF「トビー・アルデルヴァイレルト」はハムストリングを痛めて離脱しているため、最終ラインは左からDF「ベン・デイビス」DF「ヤン・フェルトンゲン」DF「ダヴィンソン・サンチェス」DF「キーラン・トリッピアー」が配されます。
ポチェッティーノ監督は中盤にはフィジカルが強いMF「ムサ・デンベレ」、センターバックでもプレーできる「エリック・ダイアー」を並べ、中盤のデュエルを制する作戦です。
トップ下にはMF「クリスチャン・エリクセン」両サイドはMF「デレ・アリ」とMF「ソン・フンミン」、前節からの変更はこの2列目の並びだけとなりました。
最前線はもちろん得点ランキングトップのFW「ハリー・ケイン」です。
得点ランキング2位のリヴァプールFWサラーとの直接対決でもあるこの試合、どちらのエースが試合を動かすのでしょうか。
「リヴァプールvsトッテナム」 ハイライト動画
前半 : 試合開始直後からスコアが動く
プレミアリーグ得点ランキング1位のFWケイン、2位のFWサラーが所属するチームの直接対決ということで、両選手へのマークや当たりは相当厳しいものになり、他の選手がいかに点を決められるかが勝負を分けると思っていました。
しかし、そんな心配も無用で、試合開始早々にスコアが動きます。
3分、リヴァプールGKカリウスからのロングフィードをFWマネ、FWフィルミーノがボールを収めることができません。
ボールを奪ったトッテナムMFダイアーはバックパスを選択、しかしこのバックパスが中途半端になってしまいます。
このパスを見逃さなかったFWサラーはスピードを活かしてインターセプト。
そのままゴールに流し込んでリヴァプールが先制点を奪います。
前節のマンチェスター・ユナイテッド戦では開始わずか11秒に先制したトッテナムでしたが、この試合では逆に試合開始直後に失点してしまいました。
どちらのチームも高い位置からのプレスをかけ続け、中盤でも激しい攻防が続いています。
リヴァプールとしては、体力のある前半のうちに試合を決めきりたいでしょう。
21分、リヴァプールDFアーノルドが正確なアーリークロスを入れて、FWフィルミーノがヘディングで合わせますが、ここはミートすることができません。
トッテナムは守備で後手を踏んでしまい、リヴァプールに決定的なチャンスを許しています。
攻守の切り替えが早いリヴァプールがチャンスを作り続けており、トッテナムのチャンスは遠目からのミドルシュートのみ。
結局前半は1-0でリヴァプールのリードのまま終了しました。
トッテナムはMFダイアーのパスミスが目立ち、リヴァプールもDFロバートソンの攻守両面でのミスが目立っています。
ビッグマッチにはほとんどの選手が高いモチベーションで臨んでいるため、試合に入り込めていない選手は注目を集めてしまいます。
攻め続けたリヴァプールとしては、1点は物足りない結果でしょう。
後半 : リヴァプールのペースで進むも・・・
圧倒した前節とは違い、まったくシステムが機能していなかったトッテナム。
戦術家のポチェッティーノ監督はどのような対策をしてくるのでしょうか。
後半も素早い切り替えでトッテナムのボールを奪いに行くリヴァプール、前半同様トッテナムの選手たちは激しいプレスに苦しんでいます。
しかし、ノーアイデアだった前半とは違い、徐々にトッテナムの選手たちが攻め込むシーンも増えてきました。
その理由は、相手の前線からのプレスを細かいパス回しでかいくぐり、リヴァプールの中盤と最終ラインの間にできたスペースを活用し始めたからです。
ポチェッティーノ監督はここのスペースを使えと選手に指示したのか、このエリアに縦パスが入る回数が増加。
特にMFエリクセンがこのエリアでボールを持つと決定的な仕事をしてきます。
リヴァプールのクロップ監督は運動量の低下を懸念して64分に2枚代え。
FWマネに代えてFW「オックスレイド=チェンバレン」、MFヘンダーソンに代えて、MF「ジョルジニオ・ワイナルドゥム」が投入されます。
トッテナムも71分にDFサンチェスに代えて、MF「エリック・ラメラ」、79分にはMFデンベレに代えてMF「ビクター・ワニアマ」を投入し、ゴールを狙います。
するとその直後、交代で入ったトッテナムMFワニアマが大仕事をします。
中央でボールを受けたMFワニアマが左に開いていたMFエリクセンにボールを展開。
エリクセンが中央にボールを入れますが、ここはGKカリウスがパンチング。
しかし、このボールをワニアマに拾われてしまい、ワニアマはそのまま強烈なミドルシュートを放ちます。
遠い位置からのシュートでしたが、ものすごいシュートスピードで、そのままネットに突き刺さりました。
スーパーゴールでトッテナムがついに同点に追いつきます。
試合も終盤に差し掛かる84分、トッテナムFWハリー・ケインがGKカリウスにエリア内で倒され、トッテナムにPKが与えられます。
キッカーはリーグ得点王のケイン、しかしここはGKカリウスが正面に来たボールを見事にセーブ。
ここは最後まで動かなかったGKカリウスが駆け引きで勝利しました。
アディショナルタイムの91分、今度はリヴァプールのチャンス。
トッテナム陣地の深い位置からのスローインで、FWサラーがボールを受けると、浮いたボールがディフェンスの手に当たったかのように見え、トッテナムの守備陣は一瞬プレーを止めてしまいます。
しかし、ホイッスルは吹かれずFWサラーはそのままドリブル、2回連続の切り返しでディフェンスを手玉に取ると、最後は飛び出してきたキーパーをあざ笑うかのようなループシュートでゴールイン。
リヴァプールが最後の最後で追加点を奪うことに成功します。
しかし、この試合にはまだドラマが待っていました。
アディショナルタイムも残りわずかの93分、トッテナムDFトリッピアーのロングスローをクリアしようとしたリヴァプールDFファン・ダイクがMFラメラを蹴ってしまい、これがアシスタントレフェリーによるPKの判定。
トッテナムにこの日2回目のPKが与えられ、このチャンスをFWケインが今度はきっちりと決めることに成功。
トッテナムが土壇場で同点に追いつきます。ケインはこの得点がプレミアリーグ通算100得点目になりました。
疑惑の判定が多かったこの試合はこのままタイムアップ。
3位と5位の上位対決は2-2のドロー決着となりました。
試合後感想
試合結果
リヴァプール 【2-2】 トッテナム
この試合では激しいボディコンタクトに対してレフェリーが笛をあまり吹かず、プレミアリーグらしい激しいフットボールが観れました。
選手が怪我をしそうで怖いですが、やはりこういった試合は観ている側としては非常に楽しいですね。
一方で、PKの判定は微妙なものが多かったです。2本あったPKの判定も、正直取らなくても良いレベルの接触でした。
サポーターとしては、「レフェリーに試合を壊された」と感じてしまう試合かもしれません。
試合内容としては、前半はゲームを支配していたリヴァプールでしたが、後半はポチェッティーノ監督が修正してきたことでトッテナムに圧倒されました。
リヴァプールはバイタルエリアを上手く相手に使われてしまい、前線からのプレスもどこから行けば良いのか躊躇しているように見えました。
後半のリヴァプールはいつ失点してもおかしくない状況だったので、ジャッジが微妙だったとはいえ、勝ち点1の獲得は妥当な結果でしょう。
クロップ監督は選手交代で上手く1点を守りきりたかったものの上手く行かず、一方のポチェッティーノ監督は交代で起用したMFワニアマが期待に応えるなど、選手采配は明暗が分かれました。
個人的マン・オブ・ザ・マッチは「ビクター・ワニアマ」
試合を通して見れば2ゴールを記録したリヴァプールFWモハメド・サラーなのですが、当サイトでは何度も選出しているので、今回はトッテナムMF「ビクター・ワニアマ」を個人的なマン・オブ・ザ・マッチに選出します。
ワニアマはこの試合で、交代出場した直後にチームを救う強烈なミドルシュートを決めました。
今シーズンは怪我で出遅れたワニアマ、この試合でのゴールは嬉しい今シーズン初ゴールです。
身体能力やフィジカルの強さを活かし、中盤の守備的なポジションで活躍できる選手で、空中戦でも圧倒的な強さを誇ります。
チームメイトのデンベレと似たようなプレースタイルですが、今日の試合で見せたようなパンチのあるミドルシュートもワニアマの大きな武器。
中盤の守備に安定感をもたらしつつ、チャンスがあれば自らも持ち上がることができるワニアマは、今後のトッテナムに欠かせない存在となるでしょう。
まとめ
今節の結果を受けて、両クラブは勝ち点1獲得の痛み分けとなりました。
ビッグマッチが連続するトッテナムは次節、アーセナルとのノース・ロンドン・ダービーに臨みます。
5位と6位の直接対決ということで、ここは確実に勝利してCL出場権を目指したいでしょう。
今回の試合は賛否両論あると思いますが、一番ショックであろうクロップ監督が試合後にトッテナムの選手たちに積極的に握手や抱擁をしていたのを観て、少し感動してしまいました。
選手・監督が真剣に試合に臨んでいるだけに、今回のようなジャッジは納得出来ないでしょう。
プレミアリーグはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入を考えなければなりませんね。