2018年4月5日にチャンピオンズリーグの準々決勝1stレグ「リヴァプールvsマンチェスター・シティ」のプレミア対決が行われました。
会場はリヴァプールのホーム「アンフィールド」です。
この試合でリヴァプールはプレミアリーグで首位を独走するマンチェスター・シティを相手に3-0と快勝。
この記事では、リヴァプールがマンチェスター・シティに勝利した理由について見ていきます。
目次
両チームのスタメン・フォーメーション
リヴァプール【4-3-3】
リヴァプールを率いるクロップ監督はいつものように4-3-3を採用。
DF「ジョエル・マティプ」を怪我で欠く最終ラインには、左からDF「アンドリュー・ロバートソン」DF「ファン・ダイク」DF「デヤン・ロヴレン」DF「アレクサンダー=アーノルド」が配されます。
中盤の底にはMF「ジョーダン・ヘンダーソン」、その前にMF「ジェームズ・ミルナー」とMF「アレックス・オックスレイド=チェンバレン」が起用されました。
前線はおなじみのメンバー、左からFW「サディオ・マネ」FW「ロベルト・フィルミーノ」、FW「モハメド・サラー」です。
マンチェスター・シティとの前回対戦は年明けに行われたプレミアリーグ第23節、その試合ではリヴァプールが打ち合いの末4-3と勝利していますが、終盤に追い上げられるなど守備には課題が見られました。
この試合でクロップ監督は前回対戦時のメンバーから4人を変更してマンチェスター・シティに挑みます。
マンチェスター・シティ【4-2-3-1】
この試合でペップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティは4-2-3-1のフォーメーションを採用。
右のウィングにはFW「ラヒーム・スターリング」の起用が予想されていましたが、スターリングはかつてリヴァプールの選手だったこともあり、アンフィールドのサポーターからは大ブーイングがされるでしょう。
前回対戦でも試合を通してブーイングを受け、十分なパフォーマンスを発揮できませんでした。
そのことを考慮してか、グアルディオラ監督は右ウィングにMF「イルカイ・ギュンドアン」を起用。
左のウィングはFW「レロイ・サネ」、ワントップには怪我から復帰したFW「ガブリエル・ジェズス」が入ります。
トップ下にMF「ダビド・シルバ」、その後ろにはMF「ケヴィン・デ・ブルイネ」MF「フェルナンジーニョ」といつも通りの中盤。
MF「ファビアン・デルフ」を怪我で欠く左サイドバックは新加入のMF「アイメリック・ラポルテ」が穴を埋めます。
センターバックはキャプテンのDF「ヴァンサン・コンパニ」とDF「ニコラス・オタメンディ」のコンビ。
右サイドバックはDF「カイル・ウォーカー」と、ほとんどベストメンバーで臨みます。
前回対戦では戦術の相性の悪さが如実に現れてしまいましたが、この試合でグアルディオラ監督はどのような対策をするのでしょうか?
『リヴァプール vs マンチェスター・シティ』ハイライト動画
マンチェスター・シティはトランジションサッカーに苦しむ
この試合の得点シーンを中心に見ていきましょう。
1点目はパスミスをカットしたMFミルナ―のスルーパスに抜け出し、スピードに乗ったサラーが仕掛けたことでディフェンスは混乱。
ラストパスを受けたフィルミーノはシュートをブロックされてしまいますが、すぐさま奪い返し、最後はサラーが押し込みました。
これはグアルディオラ監督が以前率いていたバイエルンなどでも見られた失点シーンで、相手にカウンターで威力を発揮する選手がいると、個人技で打破されてこのような失点につながってしまいます。
この得点のポイントは攻守の切り替えの早さ(トランジション)です。
MFミルナーの奪ってからのスルーパスもそうですが、フィルミーノがシュートストップされた後にすぐさまボールを奪いに行く切り替えの早さはさすがクロップ監督のチーム。
この攻守の切り替えの早さが結果的にサラーのゴールを生みました。
このチャンスをものにしたことで、リヴァプールの選手たちはさらに思い切ってプレッシングをかけにいきます。
2点目は、一度は奪われたボールをすぐさま取り返したリヴァプールMFミルナ―が起点。
ミルナ―が体を張って取り返したボールを拾ったリヴァプールMFチェンバレンが、エリア外から豪快なミドルシュートを決めました。
シュートはもちろん見事なのですが、リヴァプールのハイプレスによってマンチェスター・シティの最終ラインが押し上げられなくなり、中盤と最終ラインの間にスペースができていたのが失点の原因です。
3点目は、マンチェスター・シティに本職の左サイドバックが不在だったのは大きいでしょう。
サラーとマッチアップした左サイドバックのDFラポルテはセンターバックが本職の選手で、1月にイングランドに来たばかり。
そんなラポルテに今絶好調のサラーを止めろと言うのも無理があります。
ラポルテ自身も1対1で勝てないとわかったのか、距離を空けて抜かれないことに徹していました。
しかし、その対応がサラーを自由にさせてしまい、3点目につながります。
右サイドで対峙したマンチェスター・シティDFラポルテとリヴァプールFWサラー。
ラポルテは距離を空けてドリブルで縦に抜かれないように気をつけていますが、サラーはプレッシャーが無いぶん、パス・ドリブル・シュートなど豊富な選択肢があります。
まずはシュートを選択したサラーでしたが、これはブロックされてしまいます。
サラーはすかさずこぼれ球を拾いますが、エリア内にも関わらずラポルテを含めたマンチェスター・シティ守備陣は詰めてこないので、今度は落ち着いてクロスをあげます。
このボールを高い打点からヘディングで叩きつけたのがFWマネ。リヴァプールが前半で3得点を奪い、勝利を決定づけました。
アンフィールドの雰囲気と、クロップ監督が作りあげたチームで掴んだ勝利
試合を通してみると、やはりクロップ監督が重視するゲーゲンプレスやトランジションサッカー(攻守の切り替えの早いサッカー)がチームに浸透し、脅威になっていたと思います。
特に32歳のベテランであるMFミルナ―の攻守の切り替えが早く、奪った後のプレーまで考えている見事なパフォーマンスでした。
リヴァプールは後半に運動量が落ちてきてプレスが緩くなってしまったのですが、ここは最終ラインのDFファン・ダイクやロヴレンがしっかりと防ぎ、無失点で切り抜けることができました。
ファン・ダイクがいることでディフェンスラインが落ち着くため、やはり冬に大金を払って獲得したのは正解でしたね。
一方のマンチェスター・シティは前半で3失点したのに加え、アンフィールドのサポーターによる大ブーイングで完全に意気消沈してしまった印象です。
なぜグアルディオラ監督は慣れ親しんだ4-3-3を代えてしまったのでしょうか。
4-2-3-1のシステムは4-3-3を採用しているリヴァプールの中盤に対してマンマークで付くことができますが、逆にMFダビド・シルバの良さを消されてしまいました。
右サイドのギュンドアンが中に絞ることで数的有利を作る意図があったかもしれませんが、結果として機能していませんでした。
前回対戦で4-3と敗れていたことが、グアルディオラ監督のシステム変更に影響したのは定かではありませんが、セカンドレグで試合をひっくり返すには、もはや捨て身で戦うしかないかもしれません。
まとめ
ホームのアンフィールドで3-0と快勝したリヴァプールですが、グループステージでは3点のリードから同点に追いつかれたこともあったので、まだ油断はできません。
一方、リヴァプール相手に連敗しているマンチェスター・シティ、グアルディオラ監督はどのような対策を練ってくるのでしょうか。
セカンドレグは4月11日(水)3:45にキックオフ、会場はマンチェスター・シティのホーム「エティハド・スタジアム」です。
どちらがベスト4に進出するのか楽しみですね、引き続き応援していきましょう。