12月13日に行われたプレミアリーグ第17節「ハダースフィールドvsチェルシー」をスポナビライブで観戦。
会場はハダースフィールドの本拠地「ジョン・スミス・スタジアム」です。
ホームのハダースフィールドは昇格クラブながらもプレミアリーグで12位、昨季プレミア王者のチェルシーは3位ですが、首位のマンチェスター・シティに勝ち点16もの差をつけられています。
チェルシーとしては、トップ4を目指すためにも格下相手に勝ち点の取りこぼしが無いようにしたいでしょう。
上位と中位の対決となったこの試合は、どのような結末を迎えるのでしょうか?
目次
両チームのスタメン・フォーメーション
ハダースフィールド【4-5-1】
昇格クラブの中では最も上位にいるハダースフィールド。今シーズンは良いスタートを切れたのですが、徐々にゴール前の決定力に課題が見え始めました。
前節でブライトンとの昇格クラブ同士の対決を制したハダースフィールドは4-5-1のフォーメーションです。
最終ラインには左からDF「クリス・レーヴェ」DF「クリストファー・シンドラー」DF「マティアス・イェルゲンセン」DF「トミー・スミス」の4バック。
ハダースフィールドを率いるワグナー監督は、中盤を5枚並べ、ピッチ全体を広くカバーする作戦のようです。
サイドハーフの攻守両面での活躍が勝利への重要なポイントとなるでしょう。
チェルシー【3-4-2-1】
前節のウエストハム戦では19本のシュートを放つものの得点が奪えず、シーズン4敗目を喫しました。
コンテ監督は目標をタイトルではなくトップ4に切り替えることを明言。これ以上勝ち点を落とすことが無いようにしたいコンテ監督は3-4-2-1のフォーメーションを採用。
最終ラインはDF「アントニオ・リュディガー」DF「アンドレアス・クリステンセン」DF「セサル・アスピリクエタ」の3枚。
ウィングバックにはDF「マルコス・アロンソ」DF「ビクター・モーゼス」を、中盤はMF「エンゴロ・カンテ」MF「ティエムエ・バカヨコ」の2センター。
FW「アルバロ・モラタ」は過密日程の影響で背中に問題を抱えているようで、今回の遠征には帯同していません。
代わりに1トップを務めるのがMF「エデン・アザール」、後ろをMF「ウィリアン」「ペドロ」が固める布陣となりました。
「ハダースフィールドvsチェルシー」 ハイライト動画
前半 : チェルシーのペースで試合は進む
ハダースフィールドは守備ラインを低く設定し、0-0のスコアのまま時間を経過させ、チェルシーが焦り始める時間帯に攻撃を仕掛ける戦術のようです。
しかし、最終ラインを低く設定しているにも関わらず、チェルシーFWアザールに裏を取られるシーンが目立ちます。
前半からボールを支配しているのはアウェイのチェルシー。
5分にはディフェンスラインの裏に抜け出したチェルシーFWペドロがネットを揺らしますが、これはオフサイドの判定でした。
ハダースフィールドはボールホルダーへのプレッシャーが弱く、スルーパスからの裏抜けがこの試合のカギになりそうです。
スコアが動いたのは前半23分。
雨が降るピッチの影響で足を滑らせたハダースフィールドGKレッスルのキックが中途半端になると、チェルシーDFモーゼスがヘディングの競り合いで勝利。
FWアザール、MFウィリアンとテンポ良く繋ぐと、最後はMFバカヨコが完璧なファーストタッチから、左足でふわりとしたシュート。
ハダースフィールドDFレーヴェの必死のクリアも実らず、チェルシーが先制点を奪います。
ハダースフィールドはチェルシーの速い攻撃に対応が遅れてしまいました。
ここまで良い形でゲームを進めていただけに、このミスによる失点は精神的にダメージが大きいでしょう。
この後もチェルシーのペースで試合が進みます。再びスコアが動いたのは前半43分。
チェルシーDFアスピリクエタが逆サイドに大きくサイドチェンジすると、ハダースフィールドの守備がズレてしまいます。
DFマルコス・アロンソが中央にクロスを上げると、ハダースフィールドDFレーヴェがヘディングの目測を誤り、チェルシーMFウィリアンがフリーに。
ウィリアンが確実にヘディングで決めて、アウェイのチェルシーが0-2とリードを広げます。
前半は0-2でチェルシーのリードで終了。
前半終了間際にもチェルシーに決定機がありましたが、GKレッスルがビッグセーブ。
もし前半で3失点していたら、勝負は決まっていたでしょう。
ハダースフィールドは自分たちのミスから失点してしまったこともあり苦しい展開です。
後半 : 後半開始直後にチェルシーが試合を決める
後半に入っても前半と同様にチェルシーがボールを回しています。
前半をシュート1本で終えていたホームのハダースフィールドが点を取る気配はここまでありません。
チェルシーに3点目が入ったのは48分。
再び左サイドのDFマルコス・アロンソから中央に素晴らしいクロスが入ると、MFウィリアンが身体を張ってキープ。
この時、ハダースフィールドは後ろのスペースを空けてしまいました。ウィリアンが後方にボールを落とすと、MFペドロが豪快に蹴り込んで3点目。
チェルシーが3点のリードで試合を決定づけます。
ハダースフィールドは前線・中盤・最終ラインがそれぞれ間延びしてしまっており、チェルシーはスペースを上手く活用して攻撃を仕掛けていきます。
3点のリードで試合を決めたチェルシー、試合が荒れてくるようなら怪我人対策のために主力を早めに下げるでしょう。
67分、コンテ監督は好調で最も怪我をして欲しくないFWアザールを下げ、FWバチュアイを投入。
アザールはゴールこそありませんでしたが、ラストパスやドリブルで存在感を示していました。
コンテ監督はさらに71分、MFカンテに代えてMFドリンクウォーターを起用。
結果を残して欲しい2選手を投入し、試合展開を見守ります。
過密日程を乗り切るためにはこの2選手の復調が必要不可欠でしょう。
80分にはチェルシーDFクリステンセンに代わって、ウェールズ出身の17歳DFアンパドゥが起用されました。
アンパドゥはこれがプレミアリーグのデビュー戦となりました。
試合終盤は落ち着いた展開。このまま3点差で試合が終わるかと思いきや、試合終了間際にスコアが動きました。
ハダースフィールドは左サイドからDFハデルジョナイがクロスを上げると、途中出場のFWドゥポワトルが上手くディフェンスの間に入り、完璧なヘディングシュート。
チェルシーはリュディガーとアンパドゥの間に出来たスペースを活用されてしまいました。
ここまで押し込まれていたホームのハダースフィールドが意地で1点を返します。
終了間際に一矢を報いたハダースフィールドでしたが、時はすでに遅し。
チェルシーが1-3のリードのまま試合を終え、勝ち点3を手にしています。
試合後感想
試合結果
ハダースフィールド 【1-3】 チェルシー
試合全体を見ると、ハダースフィールドはミスが多く、チェルシーの圧勝のゲームでした。
今日がプレミアデビューとなったDFアンパドゥは終了間際に失点をして、ほろ苦いデビュー戦となってしまいましたが、コンテ監督にとっては想定内でしょう。
FWアザール、MFウィリアン、MFペドロの前線3枚の組み合わせはスピードのある攻撃が魅力的ですが、ペドロの決定力があまり高くないのが欠点です。
今日は1点決めたとはいえ、決定機を何度も逃していたので、スタメン定着にはそこを改善したいですね。
一方、ホームで敗戦してしまったハダースフィールドは、昇格クラブということもあり、技術的にやはり劣る印象を持ちました。
簡単なパスミスやポジションニングのミスで前半に2点を失い、当初の無失点で抑えるプランが崩れてしまったのが残念ですね。
まだまだビッグクラブとは大きさな差がありますが、未だに中位に留まっています。
今シーズンはプレミアリーグに残留できれば御の字でしょう。
個人的マン・オブ・ザ・マッチは「ウィリアン」
今回は1ゴール2アシストで全得点に絡む活躍を見せたチェルシーMF「ウィリアン」を個人的なマン・オブ・ザ・マッチに選出します。
スタメンが定位置とはいえないものの、今シーズンは6ゴール4アシストを記録しており、起用されれば期待に応えてくれるプレイヤーですね。
以前はまさにドリブラーという感じだったのですが、最近は周囲を活かしながらボールを扱うことができるので、今日の1点目のような素早い攻撃を狙う際は非常に重宝します。
また、コーナーキックやフリーキックといったセットプレーでもとても良いボールを蹴るので、攻撃面に関しては魅力の多い選手でしょう。
しかしながら、オフ・ザ・ボールの動きや前線からの守備の貢献という面ではポジションを争うペドロの方が優位にあります。
ウィリアンがスタメン定着を狙うのであれば、今以上にプレーの幅を広げる必要がありますね。
コンテ監督としては、試合展開ごとに選手起用を変えられるので、攻撃面で活躍が期待できるウィリアンの存在は頼もしいでしょう。
まとめ
第17節を終えて、チェルシーは3位をキープ。ハダースフィールドも12位のままです。
次節、チェルシーは日本代表DF吉田が所属するサウサンプトンと、ハダースフィールドは9位のワトフォードとの対戦となります。
シーズン中盤に差し掛かり、上位・中位・下位で差が開きつつあるので、ここで差を付けられないようにしたいですね。
両チームの今後の活躍に期待しましょう。