UEFAヨーロッパリーグ2017-18に出場しているプレミアリーグのクラブは、昨季6位のアーセナルと昨季7位のエヴァートンです。
第3節までにアーセナルは3連勝、エヴァートンは未だ未勝利と対象的な両チーム。
今節は、アーセナルは勝てば決勝トーナメント進出が決まり、エヴァートンは負ければグループステージ敗退が決まる大事な一戦です。
今回の記事では、アーセナル、エヴァートンのヨーロッパリーグ第4節を振り返っていきます。
グループH『アーセナル』
第4節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
アーセナル | 10 | +5 |
レッドスター・ベオグラード | 5 | 0 |
BATEボリソフ | 4 | -4 |
ケルン | 3 | -1 |
試合結果
アーセナル 【0-0】 レッドスター・ベオグラード
ヨーロッパリーグのグループHを戦うアーセナルは、第4節でセルビアのレッドスター・ベオグラードとホームで対戦し、0-0のスコアレスドローで終わっています。
※レッドスター・ベオグラードはセルビアでは「FKツルヴェナ・ズヴェズダ」と呼ばれており、各メディアで表記が違うのですが、当サイトでは「レッドスター・ベオグラード」で統一しています。
勝利してグループステージ突破を決めことはできませんでしたが、グループ3位のBATEボリゾフと4位ケルンの試合で、日本代表FW大迫勇也の2ゴール1アシストの活躍もあり、ケルンが5-2で大勝。
この結果を受けて、3位BATEボリソフに抜かれる可能性がゼロになり、アーセナルのグループステージ突破が決定しました。
今回もアーセナルは若手&サブ主体
プレミアリーグでマンチェスター・シティ戦を控えていたヴェンゲル監督は、この試合でも大幅なターンオーバーを採用。
主力選手に休みを与え、出場機会が少ない選手にチャンスを与えます。
GKはマット・メイシー、最終ラインはDF「マテュー・ドゥビュシー」MF「モハメド・エルネニー」DF「ロブ・ホールディング」の3バック。
サイドは若手のMF「メイトランド=ナイルズ」とMF「リース・ネルソン」が務めます。
セントラルMFを「フランシス・コクラン」とMF「ジョー・ウィロック」、その前をELで好調なMF「ジャック・ウィルシャー」、FW「セオ・ウォルコット」、最前線にはFW「オリヴィエ・ジルー」が配されます。
GKメイシー、MFウィロック、MFメイトランド・ネイルズ、MFリース・ネルソンと4人ものアーセナルアカデミー出身の若手がスタメン出場。
前半15分まで、レッドスター・ベオグラードは積極的にプレッシャーをかけており、アーセナルは素早いパス回しで対抗しますが、なかなかチャンスを作ることができません。
ホームゲームにも関わらず、アーセナルの方が押し込まれる場面が目立ち、センターバックの裏を取られることが何度もありました。
35分には、レッドスターDFサビッチに決定的なシュートを打ち込まれますが、ギリギリでGKメイシーが触り、アーセナルはなんとか無失点で前半を切り抜けます。
アーセナルも積極的にボールを奪いに行き、中盤の1対1ではMFコクラン、MFウィロックがボールを奪取できていました。
しかし、いざ攻撃となると、この中盤コンビでは効果的なカウンター攻撃を仕掛けることができません。
一方、レッドスターはカウンターからチャンスを作りますが、最後の精度に欠き得点を奪えずにいます。
後半に入ると、アーセナルは得意のショートパスを使った崩しが増えてきており、MFウィルシャーの存在感も時間経過とともに増してきました。
64分、ボックス左で相手DFにボールを奪われたアーセナルMFウィルシャーでしたが、すぐさま奪い返し、こぼれ球がMFメイトランド=ナイルズの元へ。
ナイルズはディフェンスと上手く入れ替わりボールをキープ。
最後はウィルシャーがシュートを放ち、ゴールキーパーを抜いたかと思いきや、カバーに入ったレッドスターDFタレックがゴールギリギリでクリア。
決定的なシーンでしたが、ここでも得点を奪うことができません。
結局、試合は0-0のスコアレスのままタイムアップ。
ラストパスの精度が低く、得点まで結びつけることはできませんでしたが、アカデミー出身の若手が活躍の場を得られる貴重な試合でした。
特にメイトランド=ナイルズは右サイドで存在感を放っており、クロスの精度に難はありますが、ドリブル突破は非常に効いていました。
前節でも述べましたが、やはりレッドスター・ベオグラードは強いですね。
この試合でもカウンターが冴えていて、何度もアーセナルのゴールを脅かしていました。(シュート精度に難がありますが・・・)
今節では最下位のケルンがBATEに勝利したため、アーセナルはグループステージ突破が確定。
残り2試合を消化試合とすることに成功しています。
ハイライト動画
グループE『エヴァートン』
第4節終了時の順位表
勝ち点 | 得失点差 | |
アタランタ | 8 | +5 |
リヨン | 8 | +4 |
アポロン・リマソール | 3 | -2 |
エヴァートン | 1 | -7 |
試合結果
リヨン 【3-0】 エヴァートン
ヨーロッパリーグのグループEを戦うエヴァートンは、初戦でアタランタに3-0の完敗、2節ではホームのグディソン・パークでキプロスのクラブ相手にドロー、前節ではホームにも関わらずリヨンに1-2で敗れ、後がありません。
10月22日、プレミアリーグでアーセナル相手に5失点の大敗を喫すると、ロナルド・クーマン監督は解任されてしまいました。
新監督が決まらない中で迎えた今節、エヴァートンはアウェイでフランスのリヨンに3-0で完敗。
この結果を受け、エヴァートンのグループスステージ敗退が決定しています。
プレミアリーグ出身の選手が躍動
エヴァートンはU-23の指揮官を務めていたデイヴィッド・アンズワース氏が暫定的に指揮をとります。
ホームのオリンピック・リヨンのスタメンには、プレミアリーグのファンにはお馴染みの選手が3人います。
かつてマンチェスター・ユナイテッドに所属していたMF「メンフィス・デパイ」とDF「ラファエウ」、そして今夏にチェルシーから移籍したFW「バートランド・トラオレ」です。
前半はそのトラオレやデパイが中心にエヴァートンのゴールに襲いかかります。
35分にリヨンMFデパイはゴール正面で得たフリーキックを枠内に飛ばし、前半終了間際にはデパイのドリブル突破からトラオレがボレーを放ちますが、エヴァートンGKピックフォードの奮闘もあり、ゴールを割ることができません。
前半はなんとか耐えたエヴァートンですが、ほぼ一方的に攻められる時間が続いており、後半もこのままだと失点は時間の問題です。
後半開始早々にエヴァートンはチャンスを作ります。
左サイドのMFアーロン・レノンがドリブル突破から中央にボールを送ると、中の相手ディフェンスに当たりボールがこぼれます。
そのボールをMF「イドリッサ・グイェ」がダイレクトでシュートしますが、ここはリヨンGKロペスがセーブ。
得点のチャンスを逃したエヴァートンは、逆に68分にピンチを迎えます。
中盤の激しい混戦から、こぼれたルーズボールにいち早く反応したのはリヨンFWトラオレ。
圧倒的なスピードでエヴァートンDF「アシュリー・ウィリアムズ」を置き去りにし、キーパーとの1対1を冷静に決めてリヨンが先制します。
さらに75分。最終ラインからのロングパスにリヨンFWマリアーノが抜け出し、そのままシュートまで持ち込みます。
このシュートはGKピックフォードがセーブするものの、リヨンMFデパイがゴール正面でこのボールを拾います。
デパイはシュートフェイントから左に走り込んだリヨンMFオーアルにパスを出すと、オーアルはこれをダイレクトでシュート。
ゴール右隅にボールが突き刺さり、リヨンがリードを2点に広げます。
今のエヴァートンが2失点から追いつくのは厳しいでしょう。
80分にはエヴァートンMF「モルガン・シュネデルラン」が2枚目のイエローカードで退場処分。
2点のビハインドに数的不利となったエヴァートンは、88分にリヨンFWデパイにとどめのゴールを決められ、3失点の完敗。
試合を通して攻められ続け、退場者も出してしまったエヴァートン。
3-0でリヨンが勝利し、エヴァートンのグループステージ敗退が決まりました。
ハイライト動画
まとめ
エヴァートンのヨーロッパリーグ敗退が決まってしまったのが非常に残念です。
しかし、今のチーム状況を見ると「ヨーロッパリーグどころでは無い」というのがクラブの本音でしょうか。
プレミアリーグでは下位に沈み、このままでは2部降格も十分あり得ます。
新監督はどういった人選にするか、守備の脆さと得点力不足をどう解消するかなど課題は山積みですが、ヨーロッパリーグでの敗退をきっかけに気持ちを切り替えて復調して欲しいですね。
一方、アーセナルはヨーロッパリーグでの連勝こそ止まってしまいましたが、グループステージ突破を決めて残り2試合を消化試合とすることに成功しています。
残りの2試合では、今節同様に若手やサブが中心の布陣となると予想されるので、どの選手が頭角を表すのか注目したいですね。
グループステージ突破を決めたアーセナルと、敗退が決まったエヴァートンと対象的な戦いを送った両チームですが、今後も引き続き応援していきましょう!