2016-17シーズン総括「ウェストハム・ユナイテッド」編

2015-16シーズンを7位で終え、UEFAヨーロッパリーグ出場権を獲得したウェストハム。

今季から本拠地をブーリン・グラウンドからロンドン・オリンピックスタジアムに移して新シーズンに挑みました。

ウェストハムは新たなスタジアムで、どのようなフットボールを展開したのでしょうか?

今回の記事ではウェストハム・ユナイテッドの2016-17シーズンを振り返っていきます。

ウェストハム・ユナイテッドのシーズン成績(2016-17)

・プレミアリーグ/ 11位
・FAカップ/ 3回戦敗退
・EFLカップ/ ベスト8
・UEFAヨーロッパリーグ/ プレーオフ敗退

ウェストハムの今季の結果は、プレミアリーグは順位を4つ下げた11位、UEFAヨーロッパリーグもプレーオフ敗退と散々なものに。

原因としては、補強の失敗が挙げられるでしょう。11人の新戦力を加えながら、どの選手も期待はずれに終わってしまいました。

結果として、質より量の補強になってしまったのは残念です。戦術を最後まで固定できなかったビリッチ監督も批判を免れません。

新スタジアムに移った記念すべきシーズンは、見せ場がないまま終わってしまいました。

2016-17シーズンの基本フォーメーション

システム1 : 4-2-3-1

フォーメーションに関しては迷走が目立ち、4-2-3-1、3-4-2-1、4-3-3とさまざまなパターンを試しましたが、上手く機能しませんでした。

結果としてシーズンの最後まで4バックや3バックを固定できず、明確な方針を打ち出すこともできないままシーズンを終えることに。

クラブレコードとなる約29億円で加入したFW「アンドレ・アイェウ」は開幕戦での負傷により長期離脱。リーグ6得点と期待以下の結果になってしまいました。

また、チームの主力として活躍していたフランス代表MF「ディミトリ・パイェ」がウェストハムでのプレーを拒否し、冬の移籍市場でマルセイユに移籍してしまったのも大きな誤算でしたね。

システム2 : 3-4-2-1

もちろんシーズンを通して活躍した選手もいます。

MF「マイケル・アントニオ」は、左右どちらのサイドでもプレーができ、ときにはサイドバックやセカンドトップとしてもプレー。

高いユーティリティ性と献身性でチームに貢献し、9ゴールを記録してチーム得点王に輝きました。

また、セネガル代表DF「シェイフ・クヤテ」もセンターバックやサイドバックといった複数のポジションをこなし、戦術が定まらない中で守備を支えました。

課題 : チーム方針を固める

新戦力として獲得した選手の多くが活躍できずにシーズンを終えてしまいました。とはいえ、選手だけが悪かったという訳ではありません。

多くの戦力を活かせなかったうえ、戦術が定まらずチームを迷走させてしまったビリッチ監督にも責任はあります。

やはり、チームとして明確な方針があると選手はプレーしやすいですからね。戦術がハッキリとしていたら活躍できた選手もいたのではないかと思います。

まずはどういった戦い方をするのか方針を定め、不足しているポイントを補強していくべきですね。

また、戦術的にフィットしない選手は放出するなど、新シーズンに向けた人員整理も必要不可欠です。

新シーズン展望

ウェストハムは、マンチェスター・シティからDF「パブロ・サバレタ」を完全移籍で獲得。

さらに同じくマンチェスター・シティから、イングランド代表GK「ジョー・ハート」をレンタルで獲得するなど、ディフェンスラインの補強に動いています。

また、攻撃陣の補強も積極的で、”チチャリート”ことメキシコ代表FW「ハビエル・エルナンデス」の加入が決定しています。

イングランド代表FW「アンディ・キャロル」や、セネガル代表FW「ディアフラ・サコ」といった選手が負傷離脱を繰り返している中での大型FWの加入はチーム力の強化につながるでしょう。

昨夏は失敗してしまった補強が、今年はうまくいっているように思えます。

後は、この選手たちをどう活かしてチームづくりをしていくか。監督の手腕が問われますね。

開幕戦はどのような顔ぶれになるのでしょうか?ウェストハム・ユナイテッドの今後に期待しましょう。